女の子からモテるためには、こういったスキルがあるといい……というような話はよく耳にするものです。たとえば、

◯さわやかになる。

◯聞き上手になる。

◯身だしなみに気を配る。

◯女の子のちょっとした変化に気づいて、「髪切った? かわいいね」と声をかけてあげる。

◯かわいい子だけでなく、子どもにもおばあちゃんにも、女性には平等にやさしくする。

◯あいさつをする。

◯感謝の気持ちを「ありがとう」とことばにする。悪かったと思ったときは(時には悪くなかったとしても)「ごめん」と女子にはスナオにあやまる。

◯怒っているときでも、感情的にならず落ち着いた態度で、女の子を怖がらせない。

◯ことば遣いがていねい。

◯女の子が持っている重い荷物をさりげなく持つなど、頼まれなくても察してあげられる。

しかし、それを現実で実際にスムーズにスマートに実行することができたなら、恋愛問題で悩んだり、なぜ彼女ができないと煮詰まったりなどしていない! と言いたくなる男子は多いはずです。

女の子だって、男の子からモテるためには、

◯忙しくてかまってあげられなくても、いつも笑顔で、かわいくて礼儀正しくて社交的。

◯目上の人に対して丁寧など、常識があって、マナーを知っている。

◯料理や洗濯など、ある程度の家事ができる。

◯男同士の付き合いに理解をみせてくれる。

◯人前で、自分を責めたりせず、気を遣って男を立ててくれる。

というようなことを言われてしまうのか……と思うと、「それができたら、苦労してないんだけれども」とタメ息をついたりしているわけなのです。

理想と現実は違うとわかっていても、今の状態で恋愛問題に進展がないのだったら、何かできることがあるならば、少しがんばってみようかなと思わなくもないものです。ところが、そのがんばらなくてはいけない事柄が、自分にはなかなか厳しいものだったり、自分の性格的にむりそうなものだったりする場合があることもあります。

たとえば、もともと外見的にも雰囲気的にも明るくさわやかという感じではなく、どちらかというとけだるげでちょっと影があるように見えてしまう人は、「大きな声でさわやかにおはようって言われて、きゅんとしちゃった」などという女子の意見を聞くと、より一層けだるげな感じがましてしまうばかりのような気がします。

また、今さら自分が元気でさわやか方向に転換するのはキツイ。キャラに合わない。急に大声を出して元気なふりをしてみても、かえって、女子からよく思われなくなってしまうのではないか? と賢い男性のみなさんならば、すぐに気づくことでしょう。

では「モテるための条件」「モテに必要な要素」が、あまりに自分の見た目や性格とかけ離れているときはどうしたらいいのか? 考えてみると、やはり自分は自分らしいままでいるのがいちばんという気がしてしまいます。

というか、恋愛も、それをする女の子も十人十色ですから、女の子が千人いて、誰もがみんな、(明るくてさわやかで、ぐいぐいひっぱってくれて、話をよく聞いてくれて気のきく人) が好きなわけではないはずです。

私の知人の女子なぞは、兄がいる末っ子女子で、「私はお兄ちゃん子だったので、長男独特のおっとりでうかつな感じとか、まずいことを言ってしまってから、は! と気づく抜けてるところとか、そういううっかり系男子をかわいいと思ってしまいます」という女の子もいれば、「うちの親は男子優先な感じだったので、弟が家でいばっていて。そのせいか、オマエって呼ばれるのも、寝る、風呂、行こうと単語で話されるのもあまり気にならないんですよね。あんまりつけあがってると思ったときはビシッと怒れるし、男の子っぽい男子の扱い方は心得てるつもりです」という女の子もいるものです。

また、「自分の荷物は自分で持つし、男の子なんだから、荷物持ってよ、気がきかない……とか思わない」という意見の女の子も、「細くて無口で、メガネでちょっと暗い感じの線の細い男子が好きなので、大きくてマッチョで男らしくて声が大きくて元気みたいな人は苦手かも……」という女の子もいるわけなのです。

そう考えてみると、モテるためにやっておくといいこと的なものは、あくまで一般論で、それにあてはまらないからといって、ちょっとへこんでしまったり、はああとあきらめモードに入ったりすることもないように思えてきます。

さわやかに元気な感じに……ではなくても、「おはよう」とアイサツをして、女の子が話をしたそうなときにはあれこれ自分の意見をはさまず、いつもの無口な感じで聞き役に徹しておく。そのあいまに、「そうかー」「がんばってたんだね」「うんうん」「そういうところすごいと思う」と、彼女を肯定的に受け止めることばを伝えてあげることができれば、モテなぞ意識しなくても、それでじゅうぶんだと思います。

モテるとか相手が女の子ということをあまり意識せずに、いつもどおり、親しい男友だちと一緒にいるときの自分を出すのがいちばんいいのではないかと思います。

女の子の前に出ると緊張してしまうから、男友だちといるときのような感じにはいかない……と困っている人は、初対面の女の子や好きな女の子を前にしているときは、仕事のクライアントに対する態度で接してみるといいかもしれません。そうすると必然的に、丁寧な態度になり、気配りをし、相手の話をきちんと聞いておかなければという仕事モードな感じで話ができるはずです。

初対面の相手やよく知らない相手から丁寧に接してもらうのは、女性だけでなく男性にとってもイヤなことではないはずです。そうして親しくなって慣れてきたら、少しずつ友人同士の気安さを出していけばいいわけです。

こうすれば「モテる」といったモテの条件は、それはそれとしてアタマの片隅においておいて、自分は自分なりにできることをしてみるのがいちばんだと思います。ぜひ、できることからはじめてみてほしいものです。

酒井冬雪です。気が付いたら12月、一年経つのが早いなぁとしみじみ実感しております。寒い季節なので、くれぐれもお体ご自愛ください。では、またねー!