『ガラスの仮面』を読んでいたら、『パタリロ!』が読みたくなった。まあなんでかは『パタリロ!』読者にはぴーんと来るだろうが、読んだついでにここで取り上げようと思っている。しかしその前に、少し考察しておかなければいけないことができたため、今回は携帯のレディスエロ漫画を解説してみよう。なんかすごいこじつけみたいだけど。

それにしても携帯サイトの漫画サービスというのは、エロ花盛りだな。デジカメとか人に知られずにどうこうできるものというのは、どうしてもエロに寄りがちらしい。まあ、以前レディスエロ雑誌を買ったら、わざわざ紙袋に入れて封をしてくれたことがあるが(コンドームとか生理用品と同じ扱い……)、レジに行かなくていい分だけ漫画喫茶でエロ雑誌は読みやすく、さらに携帯はうってつけなのだろう。

男性向けのエロ漫画はそれほど読んでいないので解説は避けるけれども、ぶっちゃけ読んでいて気分が悪くなってしまう。その理由のひとつ、日本人のエロ萌えにおいて「いや、やめて」は男女共通項であるようだが、男向けのそれと女向けのそれでは、意味が異なるようなのだ。

男は視覚で興奮し、女はシチュエーションで興奮するというのはどこかで読んだが、漫画のエロ描写にもそれは現れている。エロそのもののシーンで、どんなものが描かれているかを見比べると、「そうか男はこういうものが見たいのね」ということがわかる(気がする)。これについては次週詳しくお話ししましょう。

数ある女性向けエッチ漫画(特に若い子向けのは、ティーンズラブとかいうのだそうな。ネーミングって大事だな)だが、やはり編集者・作家のレベルによって内容に大変差が出てくる。しかし稚拙なものであればあるほど、「なにがしたかったのか」があからさまで面白い。そもそも、私が各種下ネタに興味があるのは、そこには人の欲望が包み隠さずむき出しになっているためだ。

大人になると、大抵の欲求をクールな表情で装ってしまう。しかし下ネタだけは欲望全開、直球ど真ん中勝負なのである。あまりな展開に腹を抱えて笑ってしまうシーンが少なくないのだ。

さてそんなわけで、数ある携帯漫画の中で、秋水社という漫画専門の編プロが作った漫画は、ずば抜けて女性ものとしては質がいい。「女の萌え」をしっかり意識した作りになっている。というわけで今回からは、秋水社編の『監獄プレイダーリン』を取り上げながら、ヲトメ萌えについて考えてみよう。

この物語は、父親の事業が失敗したため一家離散になり、父親の知り合いの家に預けられた女子高生・令夏が主人公だ。もちろん預けられた家には、イケメンの男子高生がいるわけである。しかもそのイケメン・葵は子どものころの初恋の相手。しかもしかも、彼は自信家で積極的でご奉仕精神にあふれた少年に成長していたのである。もうエロ漫画としての条件はすべてそろっているのだ。

しかも×3、葵の父と令夏は、初日にいきなり葵と女の子のセックスを目撃してしまう。身内の(しかも息子の)性生活目撃なんて、気まずいにもほどがあると思うが、にもかかわらず葵の両親は、「うちのふしだら息子が令夏ちゃんに手を出したりしないかしら」なぁんてことは考えないらしい。2人はお屋敷の中で、"両親の目を盗んで"とは思えないほど、大胆にヤりなさっている。

……というのが、現在(まだまだ掲載話数が少ない)の大まかなストーリーである。しかし、ここにはヲトメ萌えがてんこ盛りなのだ。おそらくこの漫画を読んだことのある方は、それほど多くはないと思われる。パケット定額コースに入っている方は、試しに予習をしておいていただけるとよいかも。
<つづく>