iOS 5の「リマインダー」、セッセと活用しています。特にうれしいのは「場所」による通知。○×に到着したら相手に書類を渡せとか、忘れっぽい自分にとってはありがたい機能です。帰り道、スーパーの前で「ネギを買う」と表示され、忠実にお使いを果たしてしまうときには哀愁を覚えますが。

さて、今回は「Dock」について。あのデスクトップ下に表示されている領域? などと一面のみを見ることなかれ、FinderともどもOS Xの"顔"ともいえる重要な存在なのだ。TIPS情報とあわせてお読みいただければ、Dockに対する評価も変わることだろう。

Dockの来歴を知る

MacといえばFinder、というほどMacintoshのUIはFinderと密接な関係がある。現在ではそこにSpotlightやQuick Lookが加わり、ファイルブラウザの枠を超えた操作性を実現している。

しかし、OS X以降のMacintoshには、Finderに負けず劣らず重要な機能が追加されている。それが「Dock」だ。そもそもは、NEXTSTEP/OPENSTEPのアプリケーションランチャー兼タスクマネージャであり、Finderに相当する「Workspace Manager」とともに同OSのUIを担っていた。OS XではWorkspace ManagerがFinderに置き換えられたと解釈すれば、その"車輪の両軸"に似た関係は不変ともいえる。

Finderだけでなく「Dock」もOS Xの"顔"と言える存在だ

現在のDockは、Finderと同様にさまざまな拡張が施されている。ウインドウを整列させる「Expose」、仮想デスクトップを切り替える「Spaces」、これらを統合したOS X Lionの新機能「Mission Control」。フルスクリーンを使うアプリケーションランチャーの「LaunchPad」も、プロセスはDockの管轄下にある。

OS X Lionの新機能「Misson Control」も、Dockの管轄下にあるアプリケーションだ

そして、より操作性に影響するのは、Dockに属する要素だろう。SpotlightとQuick Lookは、ユーザとファイルとの関係を改善したが、タスクやデスクトップは統括しない。Dockに属するMission ControlやLaunchPadのほうが、操作性に強く関わっているのだ。

Dockでこんなこと、あんなこと

なにやら仰々しいDock論を展開してしまったが、要は「設定を見なおせば(Finderより)操作性がグッとよくなる可能性大」の機能である、という主張だ。あまり知られていない設定/TIPSも多く存在するため、そのうち筆者が実際に使用して気に入っているものを2つピックアップして紹介してみよう。

○ LaunchPadをキビキビ表示する

OS X Lionのニューフェイス「LaunchPad」は、いわゆるアプリケーションランチャー。起動すれば"ふわっと"アプリケーションのアイコン一覧が現れ、空白部分をクリックするか「ESC」キーを押すと"ふわっと"消えていく。トラックパッドのジェスチャーでも起動/終了できるので、確かに便利だが、その"ふわっと"したアニメーションにストレスを感じないだろうか?

そんなセッカチなあなたにお勧めしたいのが、LaunchPadの起動/終了のアニメーションに要する時間をゼロにすること。以下のコマンドラインをTerminalで順に実行すれば、以降LaunchPadがサッと現れ、パッと消えるようになるはずだ。

・設定を変更する

$ defaults write com.apple.dock springboard-show-duration -int 0
$ defaults write com.apple.dock springboard-hide-duration -int 0
$ killall Dock

・設定をデフォルトに戻す

$ defaults delete com.apple.dock springboard-show-duration
$ defaults delete com.apple.dock springboard-hide-duration
$ killall Dock

この画面がサッと現れ、パッと消えるようになる

○ iTunesで再生を開始した曲をポップアップ表示する

Dock関連のTIPSで個人的にイチオシなのが、iTunesで再生を開始した曲をポップアップ表示するTIPSだ。設定は2項目あり、「itunes-notifications」を有効(YES)にすればアーティスト名と曲名が、さらに「notification-always-show-image」を有効にすればiTunesのアイコンが、曲の再生と同時にDock領域の真上にポップアップ表示されるというもの。

ポップアップは曲が変わるたびに表示されるが、数秒で消えるのでジャマにはならず、しかも他のアプリケーションをフルスクリーンモードで使用しているときも表示される。Apple Remoteで曲送り/戻しをしたときにも表示されるので、ミニプレーヤーに設定しておくより便利と思うが、いかがだろう?

・設定を変更する

$ defaults write com.apple.dock itunes-notifications -bool YES
$ defaults write com.apple.dock notification-always-show-image -bool YES
$ killall Dock

・設定をデフォルトに戻す

$ defaults delete com.apple.dock itunes-notifications
$ defaults delete com.apple.dock notification-always-show-image
$ killall Dock

新しい曲の再生が始まると、情報がこのようにポップアップ表示される(「notification-always-show-image」をYESにしていない状態)

フルスクリーンモードのアプリケーションを利用しているときにもポップアップされるので便利(「notification-always-show-image」をYESにした状態)