【コラム】

サラリーマンが知っておきたいマネーテクニック

49 正社員なら30歳までに200~300万円貯めよう!

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連載コラム『サラリーマンが知っておきたいマネーテクニック』では、会社員が身につけておきたいマネーに関する知識やスキル・テクニック・ノウハウを、ファイナンシャルプランナーの中村宏氏が、独断も交えながらお伝えします。


貯蓄目標額はとりあえずでもいいから決める!

正社員のサラリーマンなら、20代のうちに200~300万円の資産は作っておきたいものです。

もちろん、人それぞれ、会社による収入の多寡や、住宅手当や学生時代の奨学金の返済の有無など、家計の事情は異なります。しかし将来結婚するときに標準的にかかる費用や新生活を準備するための費用は大きく違いません。また、マイホームを購入する場合も、住みたい地域と間取りが同じであれば、準備すべき資金はあまり変わりません。

20代の社会人は、まず貯蓄習慣を身につけましょう。貯蓄習慣があれば、よりまとまった資金が必要になる30代、40代が楽になります。

独身の方は、将来の選択肢がたくさんあって不確定要素も多いため、貯蓄の目的があいまいになりがちです。ですから、とりあえずでもよいので「貯蓄の目標額」を決めましょう。目的があいまいでも、目標が明確であれば、やる気は出てくるものです。

家計の収支から考えて非現実的な目標額を設定しても意味がありませんが、ここでは「30歳までに300万円」を貯めるやり方を考えてみましょう。300万円あれば、結婚費用や新婚旅行費用、新生活準備費用などは十分にまかなえ、ある程度貯蓄があるゆとりのある状態で新しい生活をスタートするができるでしょう。

毎月積立額、ボーナス積立額を決める!

まずは、毎年の積立額を決めましょう。単純に考えると、毎年積立額は以下の計算式で決まります。

毎年積立額=300万円÷(30歳-現在の年齢)

たとえば、現在24歳の方の毎年積立額は、300万円÷(30歳-24歳)=50万円となります。

次に、毎年積立額を達成するために、毎月の給料や年2回のボーナスからいくら積み立てるかを決めましょう。1年間で50万円を蓄える場合は、毎月1万円とボーナス1回19万円、毎月2万円と1回ボーナス13万円、毎月3万円と1回ボーナス7万円、毎月4.2万円と1回ボーナス0円などの組み合わせがあります。

給与天引きの仕組みを活用する!

給与天引きの税金や社会保険料が、高い金額の割に痛みを感じないのと同じように、貯蓄も給与天引きを活用すれば、楽に財産形成をすることができます。

■社内預金制度

勤務先に社内預金制度があればぜひ活用したいものです。定期預金の標準的な金利が0.01%という超低金利の現在、預金の利息で増やすことはできません。しかし社内預金は優遇金利が設定されているはず。仮に金利が1.0%であったとしても、一般の金利の100倍です。多くの場合、限度額が設けられていますが、断然有利な制度です。できるだけ活用するようにしましょう。

■財形貯蓄制度

多くの会社には財形貯蓄制度があるはずです。財形貯蓄制度には「一般財形」「住宅財形」「年金財形」の3種類があり、「住宅財形」と「年金財形」には一定額までは利息が非課税になる優遇がありますが、使い道が「住宅取得」や「老後資金」に限定されています。超低金利のため非課税メリットがほとんどない現在は、用途制限がない「一般財形」を選んではいかがでしょうか。

■NISA(少額投資非課税制度)

給与天引きでNISA(少額制度非課税制度)が活用できるようにした会社が近年増えています。そんな会社に勤務しているのであれば、NISAを活用してはいかがでしょう。

NISAは、1年で120万円までの株や投資信託への投資資金から得られる譲渡所得や配当金、分配金などの収益に5年間税金がかからない優遇制度です。

値動きのあるリスク商品への投資になるため元本割れの可能性があります。そのため積立額の全部ではなく、一部をNISAに振り向けるようにしましょう。たとえば、毎月3万円の積み立てをする場合、2万円で社内預金や財形貯蓄を活用し、残りの1万円でNISAに活用するといった具合です。NISAでは、販売手数料や信託報酬の安い投資信託を使うとコストがかからないため効率的な運用をすることができます。投資信託などのリスク商品は、元本割れの可能性がある代わりに、預金を上回る高い利回りを期待することができます。

20代のうちにある程度の財産形成をしておくと、その後の選択肢が増えます。財産を作ることは経済的な自由を手に入れることにもつながります。まずは目標を設定し、やりくりを工夫して積み立てをスタートしましょう。

※写真と本文は関係ありません

執筆者プロフィール : 中村宏(なかむら ひろし)

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、一級ファイナンシャルプランニング技能士。(株)ベネッセコーポレーションを経て、2003年にFPとして独立し、FPオフィス ワーク・ワークスを設立。「お客様の『お金の心配』を自信と希望にかえる!」をモットーに、顧客の立場に立った個人相談やコンサルティングを多数行っているほか、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿などで生活のお金に関する情報や知識、ノウハウを発信。新著:『老後に破産する人、しない人』(KADOKAWA中経出版)

メルマガ「生活マネー ミニ講座」(平日・毎日)

FPオフィス ワーク・ワークスのHP

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インデックス

連載目次
第87回 2018年スタート! 「つみたてNISA」の始め方
第86回 民間の医療保険、加入のポイント
第85回 健康保険の保障は、自己負担3割だけではない!
第84回 投資信託選びは、金融庁の「つみたてNISA」対象商品の要件を参考に!
第83回 疾病特約や介護特約が付いても保険料が無料になる団信生命保険がある!
第82回 銀行のカードローンに注意!
第81回 統計データを見て、平均と自分をくらべてみる!
第80回 サラリーマンが加入している「厚生年金」の機能は老後の年金だけじゃない!!
第79回 9月までに「マイナンバー」を提示しないとNISA口座が使えなくなる!?
第78回 超低コスト投資信託のススメ
第77回 「ふるさと納税」の返礼品競争が抑制される!!
第76回 クレジットカードの使い方の基本
第75回 エンゲル係数を計算してみよう!
第74回 後悔しないマイホーム予算の立て方(2)
第73回 後悔しないマイホーム予算の立て方(1)
第72回 サラリーマンもiDeCo(イデコ)に加入することができる?
第71回 2017年4月からも、学資保険や個人年金保険で資金準備をする?
第70回 「結婚にかかるお金」を参考に貯蓄目標額を設定する!
第69回 「セルフメディケーション税制」を使って税金を節約しよう!
第68回 20代~30代は、2018年からスタートする「積立型NISA」を活用しよう!
第67回 年末年始は少し時間をかけて、家計や資産を点検して来年の目標を作る!
第66回 贈与を受けると贈与税がかかる!?
第65回 年末調整の情報を活用し、「ふるさと納税」ができる金額を年内に確認しよう
第64回 住宅ローンの借り換えは、金利だけでなくコストにも注意!
第63回 中途退職時に受け取る退職金、使いすぎに注意!
第62回 年末調整の季節が到来! - サラリーマンもたまには「税金」のことを考えよう
第61回 コンビニATM、時間外でも手数料無料の金融機関は?
第60回 利回り8.3%の「百貨店友の会」、預貯金金利が低い今こそおすすめ
第59回 確定拠出年金で老後資金準備! 2017年からは専業主婦や公務員も対象に
第58回 中古住宅を購入してリフォームなら【フラット35】リノベがおすすめ
第57回 厚生年金、国民年金にはしっかり加入する!
第56回 20代・30代サラリーマンのお小遣い事情
第55回 実際の年齢ではなく「健康年齢」で保険料が決まる保険が登場!
第54回 おすすめ投資信託は「ノーロード」&「インデックス型」&「バランス型」(2)
第53回 おすすめ投資信託は「ノーロード」&「インデックス型」&「バランス型」(1)
第52回 子供のできたときに入る生命保険は「収入保障保険」
第51回 新入社員は必読! 給与明細を徹底解剖
第50回 子供の教育費の目安とは? 高校までは毎年の収入の範囲でカバーする!
第49回 正社員なら30歳までに200~300万円貯めよう!
第48回 2016年3月の住宅ローン金利が史上最低を更新!?
第47回 マイナス金利で「個人向け国債」が高利回り商品に!?
第46回 マイナス金利、住宅ローンは「固定金利」への切り替えの絶好機!?
第45回 通勤手当の非課税限度額が月15万円に引き上げられる!?
第44回 1月から医療費の領収書はちゃんと保管! 確定申告をして節税をしよう!
第43回 『ジュニアNISA』がはじまる前に「贈与税」の仕組みを理解しておこう!
第42回 子供や孫ができたら「ジュニアNISA」口座を開設して教育資金の準備をする!?
第41回 新しい年を前に! 一生涯の収支計画を作ってみよう!!
第40回 年末調整の「生命保険料控除」で得する方法
第39回 女性専用の医療保険…普通の医療保険とどこが違う?
第38回 「老後破産」に陥らない!!--20代・30代からのライフプランの考え方(3)
第37回 「老後破産」に陥らない!!--20代・30代からのライフプランの考え方(2)
第36回 「老後破産」に陥らない!!--20代・30代からのライフプランの考え方(1)
第35回 中古住宅を個人から買うときは、「消費税」がかからない!!
第34回 旅に出るときは、スマホで旅行保険に加入して万が一の事態に備える!
第33回 子供の教育費はこうして準備する! (3)
第32回 子供の教育費はこうして準備する! (2)
第31回 子供の教育費はこうして準備する! (1)
第30回 財形貯蓄をしている子育て世帯に朗報! 「財形住宅融資」が金利を▲0.2%優遇
第29回 「結婚・子育て資金」を"非課税"でもらえる制度ができた!
第28回 物価上昇時におススメ! "超短期"の「定期預金」で安全確実にしっかり貯める!
第27回 クレジットカードより家計管理が断然便利!? デビットカードを使いこなす!
第26回 賃金が上昇したら、アップ分を元手に投資で増やす!…「積立投資信託」
第25回 住宅エコポイント制度が2年半ぶりに復活! 最大45万円分のポイントがもらえる!
第24回 がん保険に別途入る必要はない!? - 医療保険の入り方(2)
第23回 病気やけがで入院・手術になったらどうする!? - 医療保険の入り方(1)
第22回 【フラット35】Sが拡充!? 長期固定金利が当初5年、10年が変動金利並みに!
第21回 「ふるさと納税」が拡充! 寄附の上限額が2倍になる!?
第20回 「仕事」だけでなく、「家計」でも"1年の目標"を立てよう!
第19回 "超低金利時代"の住宅ローン、「変動金利」と「固定金利」のどちらを選ぶ?
第18回 「晩婚夫婦」の家計が、"より慎重で計画的"な運営を求められるワケ
第17回 日本銀行の追加の「超金融緩和政策」に、サラリーマンはどう対処する?
第16回 「財形貯蓄」はサラリーマンの貯蓄の"王道" - どんなメリットがある!?
第15回 20代・30代のフルタイム共働きサラリーマンの家計管理術(2)
第14回 20代・30代のフルタイム共働きサラリーマンの家計管理術(1)
第13回 入院・手術するなら年内・年明けどっちが得? 高額療養費制度が2015年に変わる!
第12回 保障を残しつつ、今後の保険料の支払いをストップできる『払済保険』って何?
第11回 近くにカーステーションがあれば、クルマを持たず「カーシェアリング」を使う!
第10回 帰省先でも役立つ! 人のクルマを借りるときは「超短期自動車保険」に入る!
第9回 金利だけくらべてはダメ! 住宅ローンはコストも含めて比較する!!(2)
第8回 金利だけくらべてはダメ! 住宅ローンはコストも含めて比較する!!(1)
第7回 生命保険の保険料、「年払い」にするだけで節約できるって知ってた?
第6回 ボーナスの時期こそ! 「住宅ローン」の"繰上返済"は、早ければ早いほど効果大!!
第5回 『ふるさと納税』で地域貢献&美味しい特産品をお得にゲット!
第4回 「インフレ時代」の貯蓄術--少しでも"金利"の高いものを選ぼう!
第3回 おじいちゃん、おばあちゃんから子どもの教育費をもらって家計にゆとりを!
第2回 カードで買い物はいいが、「リボルビング払い」はもったいない。
第1回 確定拠出年金の「マッチング拠出」は、"節税"の観点から積極的にやる!

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