高速道路での逆走

指定された方向にしか進めない高速道路では、誤って逆走してしまうと、そのほとんどが高速で正面衝突するため、第三者を巻き込んで死傷者の出る悲惨な事故につながりかねません。

逆走事故はIC、SA、PAでの発生が多く、特にICでは連結が複雑になるほど発生しやすいという結果が出ています。

逆走車両が衝突事故を起こす場合、事故を起こした位置の81%が追越車線を走行している傾向が見られます。逆走中の車両にとっては、左側(走行車線)を走っている感覚です。

逆走車両が衝突事故を起こした位置(平成18年~22年) NEXCO調べ

逆走の起きやすい場所とは?

高速道路においては、出入口と合流部付近で発生しやすく、逆走に多いパターンは以下の5つです。

  1. 本来降りるべきだった目的の出口を通過してしまい、合流部の入口から出ようとして逆走で進入する

  2. 行き先を間違えて高速道路に入り、合流部入口でUターンして本線を逆走する

  3. 目的の出口を間違え、Uターンして本線を逆走する

  4. 目的の出口を間違え、出口へ向けて流出ランプ(高さの違う道路を連結するための車道)に乗ってからUターンして逆走する

  5. 料金所を通過した後、入口と出口を間違えて出口方向へ逆走する

その他に、SAやPAで休憩した後、高速道路本線へ戻る際に逆方向へ走行してしまうケースがあります。

気をつけて! 合流部分は逆走の多発ポイント!?

逆走はなぜ起きる?

逆走が発生しやすい場所を見て分かるように、主な原因は本線車道上のUターンと流出ランプからの誤進入です。これはドライバーがICからランプ途中の分岐地点で行き先を間違えてUターンしたり、目的のICの流出ランプを通り過ぎてUターンしてしまうことが要因とされています。さらに、首都高速道路などの都市高速道路の一部のランプにおいては、走行速度の高い右側車線から合流・分離する構造も遠因の一つとされています。

そしてドライバーに多いのが高齢者で、大半の原因は認知症が占めます。また、国内で高速道路ができる以前に自動車運転免許を取得したために、高速道路の存在を知らずに誤って侵入してしまい、結果として逆走した例も過去に起こっています。

逆走は頻繁に起こっている

高速道路を逆走する過ちなんて滅多に起こらないことだと思っていませんか。実は意外と多いのです。NEXCO東日本調べによると、平成18年から平成22年までのあいだ、年間300件前後で推移しています。

NEXCO東日本の高速道路での逆走の発生状況

全国的な統計でも、逆走件数は2002年~2008年までの7年間で7000件以上が確認されており、連日のように全国で逆走事故が発生しています。