こんにちは。自称雑学女王のイチイです。趣味はムダ知識集めと言っても過言ではないほどです。なんせ、もう25才なのに、お風呂の中で「新世界史B」(山川書店)を読んでるくらいですから。

雑学王ぶりは、隠れた特技と言ってもいいかもしれません。実は、ゲームセンターにあるクイズゲームが結構好きです。オンラインでトーナメント対戦ができるやつ。しかし、最近じゃ連戦連(優)勝なので手応えがなくって。勝者のむなしさってやつですね。ああ、こんなんですが見た目はちゃんとOLやってるんです。

いろいろなことを知っているというのは便利と思いがちですが、実は何も知らない方がいいのではないかと思ったりする今日この頃です。

そのきっかけは、仕事場の休憩室でのこと。誰かの北海道みやげのお菓子(○い恋人ではありません)を食べている若い男性社員CさんとDさんがいました。隣のテーブルで何となく会話を聞いていると、Dさんが「これもおいしいっすけど、『ろっかくてい』バターサンドもおいしいっすよね!」と言ってるのが聞こえました。Cさんは、「なにそれ?」と聞き返しています。Cさんも自分で言っていておかしいことに気づいたらしく、「あれろっかくていだっけ?」とブツブツ言っています。

聞こえてしまったイチイは、それは『ろっかくてい』じゃなくて『六花亭』の『マルセイバターサンド』だろ! と心の中で大ツッコミを入れていました。CさんもCさんだ。バターサンドでぴんと来ないなんて信じられない! あの北海道の銘菓を知らないなんて!! カッとなって、そんなCさんとDさんのとぼけた会話に割り込んで、マルセイバターサンドの美味しさをとうとうと語ってしまいたい衝動にかられました。でも、このタイミングでいきなり私が会話に立ち入ったらヘンです。「この女ヘン」と思われかねない。私もここは大人の女。衝動をぐぐぐとこらえなければ。

そんなヘンな女の存在はつゆと気付かぬ風で、Cさんは「とにかくそれがおいしいんすよ!」とサワヤカな笑顔で場を流しました。そしてその後のCさんDさんの会話は、「バイクの免許とりたいんす」「へー」などと関係ない方へシフトしていきました。知らないというのはこんなにサワヤカですがすがしいものなのか。Cさんの笑顔でイチイは、知らないということ、ひいては知ろうとしないということも、生きる選択肢としてアリなのかもしれないな……と思ったのでした。

しかし、知らないと明らかに困ってしまう知識っていうのもあります。たとえば、漢字なんてそれにあたると思います。メールなどで誤字があるとすぐにバレてしまい、多くの人に一瞬にして恥をさらしてしまうことになります。尊敬するデキる先輩の作ったお客様宛ての報告資料で「内臓ドライブ」と書いてあるのを見て、一気にゲンメツしてしまったこともあります。漢字のミス1つで、部下や同僚からの信頼に傷がつくなんて、何だか損した気分になりませんか?

漢字にちょっと自信がない人は、漢字検定でも受けてみるのはいかがでしょう。2級までならCBT(Computer Based Training )というシステムを使って、毎日会場でコンピュータ受験ができます。試験受ける時間があっても、勉強する時間がないよ! という人にオススメしたいのは、電子書籍を利用することです。今回ご紹介する「一日一本!漢検十本勝負」シリーズは、会社のお昼休みにでもさくっと漢字検定対策のトレーニングができるのでオススメです。しかも、お値段105円。休憩時間、缶コーヒー1本の代わりにこちらの1本を買ってみるのも有意義ではないでしょうか。

「一日一本!漢検十本勝負」シリーズは、級数に応じて選べるようになっていて、最後の「巻之十」はもっとも級数の高い2級向けです。漢字の読み、書き取り、同音・同訓異字、対義語、類義語、四字熟語、間違い探し、熟語の構成と、漢字検定に実際に出てくる問題を網羅した模擬試験形式となっています。各問題の下に答えが書いてあるのですが、クリックするまでは赤いマーカーで隠されていますので、自己採点がラクちんです。

読者の皆さんもぜひここで腕試しを。次のカタカナ、日本語入力ソフトの力に頼らずに「書く」ことができますか?

  • セキゼンとして声なし。
  • チショウが点在する湿地帯。
  • ユセイから原油がふきあがる。
  • 流水の堆積作用で生じたチュウセキ平野。
(「一日一本!漢検十本勝負 巻之十【二級】」(漢検問題研究会))

いかがでしたでしょうか。答えは上から順に、「寂然」、「池沼」、「油井」、「沖積」です。2級の中でも骨のある問題だったのではないかと思います。私の場合は「セキゼン」からしてさっぱり想像もつきませんでした。「ユセイ」なんて、日本語入力ソフトで変換すると「油性」がまっ先に出てくるので、そのままEnterを押すと上述の「内臓ドライブ」状態になってしまいます。まぁ、油井なんて言葉、石油関係者じゃないと使わないと思いますが……(そもそも石油関係者って何だ)。

漢字検定の勉強をするのに何の意義があるのか? ということをつきつめて考えていくと、漢字そのものの意味を自分の頭で考えるためということにつきる気がします。考える力があれば、変換候補の上に出てきたからって、「内臓ドライブ」とは打たないでしょう。内臓は内臓。内蔵は内蔵です。

ちなみに臓の部首は何というでしょうか? ……答えは、「にくづき」と言います。「肉・からだ」を表す部首なんだそうです。その部首を思うと、「内臓ドライブ」という意味まで深く考えなくても気持ち悪くなってはこないでしょうか。そんなこた知らなくてもサワヤカ笑顔で生きてはいけますが、自分はやっぱり「内臓ドライブ」でいちいち鳥肌立っていたいと思います。

「一日一本!漢検十本勝負 巻之十【二級】」

著者:漢検問題研究会
出版社:文理
価格:105円
データ形式:XMDF
購入サイト:電子書店パピレス