モノと丁寧に付き合い、"ミニマリスト"を目指すパンダ「おはぎ」さんがシンプルな暮らしをコミックとエッセイで紹介します(毎週木曜日更新予定)。

服が増える負の連鎖

部屋の片づけが下手くそだった頃、部屋のスペースの大部分を占めていたのは服でした。以前は少しでも気に入っちゃうと、運命の出会いのような気がして「後で買わなかったって後悔はしたくない!! 」と言いながら服を買っていましたが、そうやって連れて帰ってきた運命の人(服)はいったい何枚あったのでしょうか…。運命の出会いだった割には、そんなに幾つも覚えているものがありません。ただの買って帰るための自分への言い訳だったのでしょうね。

買いに行くときも、特にこれといって欲しいものがあるわけでもなく「何か気に入るものがあればいいな～」という軽い気持ちで服を選び、そんな緩い感じに選んでいるときにひっかかる服なので、あまり自分のクローゼットとも相談せずに、デザインやカラーが派手で個性的なものが多かったです。おしゃれな人なら上手に着こなしができていたのかもしれませんが、派手で個性的なアイテム同士のコーディネイトはとても大変です。持っている服では合わなくて、合わすためにまた服を買いに行ったり、うまく着こなせなくて早々に飽きてしまったり…。そもそも派手な服は飽きるのも早い気がします。そしてまた服を買うという無限のループです。

私服を制服化する

現在の勤め先は私服の職場でカジュアルなものでもOKなのですが、取引先の方に会ったり、打ち合わせに呼ばれたりということが多くあります。しかも突然な場合がほとんどなので、カジュアルな服装をやめて、スーツまでとはいきませんが、少しオフィス向けの服装を購入しました。離婚直後の、まだ生活の基盤が安定しきってない時期で、あまり服にお金を使いたくなかったので、以前のようにふわ～っと買うのではなく最低限の数で着回しできるアイテム数で、なおかつ絶対に合うと自信のあるものを真剣に選びました。こうして半ば強制的ではありましたが、私の私服の制服化が始まりました。

そのときに選んだ服装が2パターンのみでした。最初は「いつも同じ服を着ているって思われてないかな…」と心配になりましたが、「1回着たら絶対洗濯しているし、何も恥ずかしいことはないのでは? 」と気づき、そこからは何も気にならなくなりました。強引に始めた制服化ですが、始めてみると、たくさんのメリットがあり、始めた当時よりは少しだけ生活に余裕が出てきた現在でも仕事着が2パターンというのは変わらないままです。

▼制服化するメリット

・服の数が厳選できた
・朝に服装で悩まなくなった
・毎日お気に入りの服を着る満足感
・毎日同じ気持ちを保てる

服の数が厳選できた

ミニマリストを目指す上で一番うれしいのは服を減らせたことです。制服を決めてしまうと「とりあえず持っておく」という服がぐっと減りました。何だか持ってないと不安だな…という気持ちも「制服があるから大丈夫だよ」と思うようになり、どんどん数が厳選できました。

朝に服装で悩まなくなった

朝忙しい時間に服装に悩むことがなくなりました。以前はたくさん服があるのに服がないと困ってしまい、朝の忙しい時間がバタバタしていました。今では2パターンある服を順番に着るだけです。何も迷うことがありません。

毎日お気に入りの服を着る満足感

厳選した制服なので、ベーシックな形のものですが、とても気に入っています。気持ちがシャキッとして仕事モードになってくれるだけでなく、毎日お気に入りの服を着ているということが大きな満足感になってくれるので、以前のように、むやみやたらに服を欲しいと思わなくなり、お財布的にもとても助かっています。

毎日同じ気持ちを保てる

毎日いろんな日があります。何だかいつもよりもテンションの高い日もあれば、何があったわけでもなく朝からやる気が出ない日とそれぞれです。そんな不安定なときに更に気に入ってない服を着ると、どんどん気持ちがネガティブになって1日中そわそわしっぱなしに…。

服装にはTPOがありますが、服がそのTPOにふさわしい気持ちを、もたらしてくれる気がします。仕事で重要な案件がある日にはパリッとしたスーツで引き締まった気持ちに、楽しみにしていたデートでは、お気に入りのワンピースがわくわくした気持ちにしてくれます。いつも同じ制服を着ていると、いつもと同じ気持ちで仕事に挑めるようになれてきました。いつも同じ状態でいれるということは、いつもと同じ実力が出せるということ。これは仕事でも私生活でもとても大事ですね。

日々穏やかに過ごすための制服化

ミニマリストの中にも服装を制服化している方は多くいらっしゃいます。必要以上の物を持ちたくない、服にかける時間や手間、選ぶ労力を少しでも減らしたいからというのも、もちろんあるのですが、物や服にはそれ自体がいろいろな情報や刺激を持っています。その刺激を少しでも減らして日々穏やかに生活するために服装の制服化はとても有効な方法ではないかなと思います。

スーツや制服でお仕事をされている方は休日の服装を、専業主婦の方や私のように仕事が私服の方は1週間の服のコーディネイトを定番化する所から始めてみてはどうでしょうか?


おはぎ
物と丁寧につきあい、ミニマリストを目指すアラサーのパンダ。
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