アメリカン航空の現在の制服。スカーフ・ネクタイは3色からチョイス

快適な空の旅をサポートしてくれる客室乗務員は、旅を更に華やかにしてくれるもの。航空会社の顔とも言える彼らがまとう制服には、その会社の歴史やこだわりも詰まっている。そこで、制服の変遷をたどりながら、各航空会社の魅力に迫りたい。

1926年4月15日、ロバートソン・エアクラフト・コーポレーションのチーフパイロットであったチャールズ・リンドバーグが、複葉機DH-4に郵便物を載せ、シカゴからセントルイスまでのフライトを行った。これが後にアメリカン航空(本社:米国・テキサス州フォートワース)となる企業の、最初の定期便とされている。同社が時代に合わせてデザインしてきた客室乗務員の制服は、現在7代目となる。

男物のネクタイにミリタリー調の靴

初代となる1930年代の制服は、ネイビーブルーのダブルのジャケットにロングスカートを組み合わせ、そろいの帽子と男物の太いネクタイをコーディネート。ミリタリー調の編み上げ靴と合わせられている。

初代となる1930年代の制服

30年代後半は女性らしく

30年代後半はやや初代返り

1930年代後半においては女性らしさを出すため、ネクタイはとりやめとなった。また、プリーツが2カ所入ったスカートの丈も、少し短くデザインされている。ネイビーブルーのジャケットの中には、シルクでできた濃い赤色の半袖ブラウスを着用。この時に導入された帽子はその後、四半世紀に渡り引き継がれることとなる。

やや初代返りをしたのが1940年代後半に登場した制服。ネイビーブルーのノーカラージャケットで、ジャケットには3つボタンが付けられており、ロング丈のプリーツスカートと合わせられている。中に着合わせるブラウスは、赤から白にチェンジとなった。

60~70年代はミニスカートに

60年代はガラリと様変わり

70年代は60年代同様に3色展開

80年代はスカート丈が膝下に

1960年代になると、趣がガラリと変わる。今までスーツであった制服は、60年代テイストにあふれたミニのニットドレスとなり、コーポレートカラーの赤・紺をアレンジしたベルトがポイントとなっている。ドレスは赤のみならず、紺と白の3色を展開。また、当時は白い手袋と鎖飾りのついた白のロング・ブーツとあわせていた。

現在は7代目となる

1970年代には、ジャケットとスカートのふちに白のパイピングをあしらったミニのスーツへ。スカートはミニ丈のAラインスタイルとなっている。ドレスのカラーは赤と紺、そして白に紺色のパイピングをデザインした3パターンを展開。

今までのミニスカート路線から変化を見せたのが1980年代。ネイビーカラーのコートドレスで、スズでできたボタンには、ロゴをデザイン。袖のストライプがポイントとなっている。

現在は、袖に金色のストライプの入ったネイビーブルーのジャケットと、同色のパンツ又は膝丈のスカートを合わせた制服に。女性のスカーフ、男性のネクタイはシルクでできており、カラーは赤、金、紺から選べるようになっている。中に着るシャツも、白と白地に紺のストライプ入りの2種類を展開。その時によって、長そで、半そでを着合わせている。

American Airlines(アメリカン航空)

アメリカン航空は50以上の国と地域において260を超える空港を結び、シカゴやダラス/フォートワース、ロサンゼルス、マイアミ、及びニューヨークのハブから、毎日3,500便以上を運航している。今後納入が継続されるボーイング737型機ファミリーやボーイング777-300ER型機、エアバスA320 ファミリーなど、500機を超える新しい機材を確保する予定。羽田からは唯一のニューヨーク直行便を就航している。

ブリティッシュ・エアウェイズやキャセイパシフィック航空、日本航空などが加盟する、ワンワールド・アライアンス創設メンバーの1社でもあり、2013年2月にはUSエアウェイズとの合併を発表。ユナイテッド航空グループやデルタ航空などとともに、世界最大級のエアラインとなる。また、同年1月には新しい機体デザイン及びロゴマークを発表し、現在、塗り替えが進められている。