キットカットと東京ばな奈のコラボレーションによる、新しい東京土産が発売となった。土産菓子はインバウンドなどの影響もあり、今後は1,000億円以上の成長が予想される市場。東京土産とチョコレート、それぞれの分野でトップを走る両者にインタビューし、今回の共闘における狙いを聞いた。

キットカットと東京ばな奈がコラボ商品を発売

2020年に向け大きく成長しそうな東京土産の市場

11月15日に発売となったのは、東京ばな奈を販売するグレープストーンと、キットカットのネスレ日本が開発した土産菓子「東京ばな奈 キットカットで『見ぃつけたっ』」だ。グレープストーンが他社とコラボするのは今回が初めて。また、過去に多数のコラボ商品を販売してきたキットカットにおいても、初めて商品紹介動画を制作するなど、今までにない取り組みとなっている。

両社がこれほどまでに力を入れているのは、土産菓子市場の大きな成長可能性が視野に入っているからだ。ネスレ日本の調べによると、訪日客・東京観光客の2つのギフト市場は前者が1,300億円(2016年)、後者が3,300億円(2014年)という規模。これが2020年までにそれぞれ500~600億円の成長を遂げ、計5,700億円に拡大する見込みだという。

土産菓子市場の大幅な成長を見込むネスレ日本

東京土産とチョコレート、二大ブランドがマッチング

東京ばな奈もキットカットも、東京土産として、またチョコレートブランドとしての認知度が高く、ファンも多い商品。土産菓子市場に、単独で挑む力は十分にあるように思える。今回、わざわざ手を結んだ理由はどこにあるのだろうか。コラボレーションの狙いを、ネスレ側の担当者は次のように語っている。

「東京ばな奈は東京土産としてナンバーワン。キットカットは世界にファンを有しています。両者がタッグを組むことで、東京ばな奈側はグローバル規模でのアピールを、キットカット側は東京土産という市場を一気に開拓することを狙っています」(ネスレ日本 コンフェクショナリー事業本部 マーケティング部長 槙亮次氏)

ネスレ日本の槙亮次氏

つまり、それぞれの課題を補う存在としてお互いを認識し、協力関係にメリットを見いだしたというところだ。役割分担はどのようになっているかというと、商品は両社が共同開発し、ショッパーマーケティングなどの販売面は土産菓子のブランド力・ノウハウを持つグレープストーンが、消費者マーケティングと商品製造はキットカットが担当する。