“電気一色”という感じだった今年の「フランクフルト国際自動車ショー」(IAA:Internationale Automobil-Ausstellung)だが、モビリティ社会の未来を描いたダイムラーの発表など、他にも見所は多かったようだ。モータージャーナリストの清水和夫氏からリポートが届いたので、お伝えしたい。

カンファレンスは電気一色、ブースの中身は…

まず全体の印象だが、今年のカンファレンスは電気一色だったものの、ブース内を見るとディーゼルを含む内燃機関を持つ車両や関連する要素技術が充実していた。政策や世論をにらみつつ、足元のビジネスを堅実に進めていく各社の方針が見て取れる。

ショーそのものはダウンサイジングしている印象。ダイムラーとBMWはおおむね最盛期と変わらないが、フォルクスワーゲン(VW)には目新しさがなく、日産自動車、三菱自動車、GM、フィアットなどの不在は寂しい限りだった。プレスデーは欧米人が少なく、その反動で日本人が目立つ格好となっていた。

モビリティ社会の行方を示したダイムラー

圧倒的な世界観を示していたのはダイムラーだ。元来、ダイムラーはコンセプチュアルなプレゼンテーションを得意とするが、今回はSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)とのコラボイベントを控えている影響か、全体にカジュアルで若々しい雰囲気だった。

ステージに上がったディーター・ツェッチェ会長はストライプのシャツにノーネクタイ。インディゴブルーのジャケットはボタンも留めていない。最近はさまざまな公の場で、このスタイルを通している。

おなじみのスタイルで登場したツェッチェ会長(撮影:Satoru Nakaya)

舞台演出もミュージシャンのライブ演奏や若手演者のミュージカル調寸劇など、躍動感にあふれていた。なかでも興味深かったのは、「smart」を中心に据えたモビリティ社会の未来図である。

スクリーンの映像と若手演者によるミュージカルを融合させたライブ感あふれるパフォーマンス(画像提供:Daimler AG)