VRコンテンツの開発を手がける桜花一門は、8月16日にVRホラーゲーム「ChainMan」をSteamにて発売した。価格は2,890円。8月23日まで30%オフの2,086円で販売する。さて、発売に合わせてマウスコンピューター秋葉原ダイレクトショップで、実際に「ChainMan」を体験できる常設展示も開始される。発売に先駆けて開催されたメディア向け体験会の様子をお届けしたい。

「ChainMan」は、暗闇の中で迫り来るゾンビ達から隠れ、生き延びることを目的としたVRホラーゲーム。製品版は建物の中や屋外などいくつかのステージで構成されているが、体験版ではその1部を実際にプレイできる。最大の特徴はプレイヤー側に攻撃手段がまったくないこと。基本的にゾンビに見つかったら「詰み」の状態になるので、いかにゾンビに出会わないように動くかが重要となる。

マウスコンピューター秋葉原ダイレクトショップで常設の体験スペースを設置。NVIDIA GeForce GTX 1080を搭載したゲーミングPC「NEXTGEAR NG-i660PA3-EX3」を使用する

プレイヤーがゾンビに攻撃することはできない。見つからないように進むか、気をそらしたり、隠れたりしてやりすごす。ショットガンやバット、フライパンなどでゾンビを吹っ飛ばすわけにはいかない

ITmedia PC USERの編集G氏が体験

ホラーゲームの中には謎解き要素を含んだものが多く、仕掛けがある辺りで「そろそろゾンビが出てきそうだ」と予想できるが、「ChainMan」において敵は常にステージ内を徘徊しているほか、ライトで照らされている以外の視界は真っ暗なので、敵がいつどこで飛び出してくるか分からない恐怖感がある。

とある島の小屋で目を覚ますプレイヤーキャラ。目の前のディスプレイに表示されるチャットによって、何らかの事件が起きていることや何をすべきか把握する

ライトが照らしているところ以外は真っ暗。VRヘッドセットで体験すると目の前に闇が迫ってくるような没入感だ。ちなみにライトは拡散と収束の2モードがあり切り替えて利用できる。拡散モードでは近くの場所をある程度の範囲で照らす。収束モードは遠くまで光が届くが狭い範囲しか照らせない

基本的にはモノクロの世界だが、重要なものは色付きで表示される

「怖い」を連呼しながら、なかなか最初の部屋から進まない編集G氏

天井から落ちてくる何かに驚く編集G氏

「もう無理」とViveを外そうとする編集G氏

体験版ではチェーンソーを持った大柄のゾンビから逃げ回るのだが、チェーンソーの音が聞こえると「早く逃げなければ」とあせる。敵の動きはAIで制御しており、うまくルートを進めばゾンビを目にすることなくクリアできるという。

体験版でプレイヤーが逃げ回るゾンビ。チェーンソーを持っている

見つかると追いかけてきてチェーンソーで切りかかる

チェーンソーで切られた編集G氏。なかなかのリアクション(動画を撮っておけばよかった)。ホラーゲームはゲームの実況配信で人気のジャンルであり、ChainManのプレイ/リアクション動画の配信もなかなか面白そうだ

7月1日から4日までアメリカ・ロサンゼルスで開催された「Anime Expo 2017」にも出展。400人ほどが体験したが、クリアできたのは2人。それも前の人のプレイでかなり予習をしていたのが要因とのことだった。Steamの販売ページによると製品版では「通常エンディングを見るのに2~3時間」かかるほか、グッドエンドも用意されていることが分かる。

「ChainMan」のゲーム体験は、桜花一門の代表取締役を務める高橋建滋氏の「危険地帯での深夜徘徊趣味」が根底にある。歌舞伎町やロサンゼルスを深夜に歩くときの緊張感と恐怖をゲームに盛り込んだ。1年半ほど前から開発に着手。ゲームとしての軸がなかなか見つからず右往左往した時期が長かったというが、何とか発売までこぎつけた。テストプレイもかなりの回数を実施して調整したという。

桜花一門の代表取締役を務める高橋建滋氏

発売から1カ月程度を目途にアップデートの提供を予定する。VRヘッドセットを装着したプレイヤーとディスプレイを見るプレイヤーによるローカル環境での2人協力プレイを実装するという。また、現状はHTC Vive向けとなっているが、PlayStationVRとOculus向けにも開発し、準備が整い次第、販売を開始する。

マウスコンピューター秋葉原ダイレクトショップでの常設展示は、本日8月16日から開始する。いまのところ、終了日は未定とのことだが、いち早くVRならではの恐怖や緊張感を味わってはいかがだろうか。