【レポート】

国内最大の工場訪問でおぼろげにみえてきた“ワインの科学”

1 チリ産ワインの躍進で好調なワイン

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若者のビール離れが叫ばれて久しい。ただ、酒類全体の消費量が減っているわけではなく、“ビールの一人負け”といった格好だ。清酒も苦戦気味だが、海外輸出に活路を見いだしている。そんななか、好調に伸びているのがワインだ。

1998年頃に第6次ワインブームが到来し、国内でのワイン消費量がそれまでの過去最高となった。赤ワインに多く含まれる「ポリフェノール」が健康によいという情報が、マスコミなどで多く採りあげられたからだ。ところがその後、景気減速によりワイン消費量は落ち込んでしまう。

この状況に一石を投じたのが輸入ワインの躍進だ。その起爆剤となったのが、2007年に日本とチリのあいだで締結されたEPA(経済連携協定)。これにより関税が下げられ、チリ産ワインが多く輸入されるようになった。当然、販売価格も安価になり、スーパーやコンビニといった店頭に広々とワインコーナーが設けられ、ワインが消費者の手に届きやすくなった。それまで、“ワインはリカーショップやデパートで購入するもの”というイメージから、“会社帰りに、あるいは日々の食材を入手するついでに買うもの”に変わってきた。

根づいてきた「デイリーワイン」

メルシャンのデイリーワイン

そして2012年、ワイン消費量はそれまで最高だった1998年を突破。その後も2013年、2014年、2015年と4年連続で過去最高を更新している。なかでもチリワインは10年前の約6.3倍の輸入量となり、日本のワイン消費量増加の原動力になっている。ここ数年は、毎日ワインを楽しむ「デイリーワイン」という言葉をよく聞くようになったが、安価なチリ産ワインが牽引したのは間違いない。

このデイリーワインの浸透には、“日本製造ワイン”も大きく寄与している。“日本製造”とはいっても、デイリーワインの領域では海外から輸入した原料をブレンドしたり、ボトリングしたりするものが多い。その日本製造デイリーワインの一大拠点、キリン傘下のメルシャン藤沢工場におじゃましてきた。

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インデックス

目次
(1) チリ産ワインの躍進で好調なワイン
(2) ワイン生産量1位は意外な県
(3) ワインを科学的に研究
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