アマゾンがプライム会員向けに、年に1度の特価セールを行う「プライムデー」が今年も行われている。今年は7月10日18時から11日23時59分までと開催時間を6時間延長(計30時間)したが、アマゾンはなぜプライムデーを開催するのだろうか?
2015年から大幅に会員サービスを拡充したAmazonプライム会員
プライムデーは、2015年にスタートした「Amazonプライム会員」向けの限定セールだ。今年は中国やインド、メキシコでも初めて開催し、13カ国、10数万点のアイテムが数十%オフのセールとなる。
プライム会員は年額3900円、月額400円でさまざまな特典を受けられることが特徴で、日本では2007年6月にスタートした。当初は「お急ぎ便」と呼ばれる宅配便の前倒し配送特典のみの提供だったが、2009年10月には「当日お急ぎ便」、Kindleユーザーなどに向けた「Kindleオーナーライブラリ」を2013年8月より提供している。さらにこの2年のサービス拡充はめざましく、矢継ぎ早に下記サービスが追加された。
- 2015年9月
食品や日用品などまとめ買いしか出来なかった商品を1点からまとめ購入できる「Amazonパントリー」がスタート。また、動画配信サービス「Prime Video」も開始。
- 2015年11月
首都圏の一部、関西圏の一部で1時間ないし2時間以内に特定商品を配送する「Prime Now」がスタート。また、音楽ストリーミングサービス「Prime Music」も開始。
- 2016年1月
画像データであればファイル容量の制限なく、無劣化でデータを無制限に保存できる「Prime Photo」をスタート。
- 2016年12月
ボタンを押すだけで商品が届く「Amazon Dash Button」がスタート。
- 2017年4月
生鮮食品が届く「Amazon Fresh」がスタート。
ビデオサービスは独自コンテンツを拡充
特に競合サービスにとって脅威となるのがデジタルサービスのVideoとMusic、Photoだろう。競合他社は、サービス単体で月額500円代後半から1000円程度の料金が発生するのに対し、Amazonはあくまで"付加価値"として提供する。アマゾンジャパン 社長のジャスパー・チャン氏が「お客さまが感じていただける価値、『Primeがないなんて考えられない』という価値を提供したい」と話すように、大盤振る舞いの高付加価値が目に留まる。