はじめまして、イラストレーターのシラサキです。今回から、マイナビニュース担当Mさんと、街歩き&グルメレポートを体験することになりました。毎日部屋にこもって、イラストを描いたりアニメを作ったりするのが僕の仕事。打ち合わせもSkypeが多くなり出不精でしたので、これはいい機会。「知らない街を歩いて、知らないお店をのぞいてみよう! 」をテーマに歩いてみたいと思います。ということで、第1回の街は「四谷」!

シラサキ、マイナビニュース担当Mさんと心の赴くままに街歩き

シラサキ「え? 四谷ですか?? 」
担当Mさん「はい、四谷がいいと思って~」
シラサキ「でも四谷って、シラサキの生活圏ですよ」
担当Mさん「まあ……少しずつ遠くに行ってみましょう」
シラサキ「……分かりました」

『君の名は。』で恋愛成就の神さまに!?

と言うわけで、平日のお昼前、四ツ谷駅で待ち合わせです。「四谷」と言えば、映画『君の名は。』の舞台のひとつ。最初に「聖地巡礼」の地、東京四谷総鎮守須賀神社に行ってみることにしました。

新宿通り、津の守坂入り口交差点を南に折れ、緩やかな坂道を下っていきます。大通りはいかにもビジネス街ですが、四谷は寺町。一本通りに入ると、お寺に挟まれて、古いアパートと新しいマンションが立ち並び、「ゆっくり時間が流れている街」という印象。

須賀神社に到着。石段には「聖地巡礼」のみなさんが、写真の順番待ちをしています。神社から見下ろすと、白く光る道が谷底を越え、遠くで同じ目線まで登っていきます。天気も良くさわやかな眺め。かの映画の情景が立体的で美しいのも、このロケーションを再発見したセンスが素晴らしい!

『君の名は。』を見たことがない人も、きっとこの風景は心に響くものがあるはず

東京四谷総鎮守須賀神社は、須佐之男命(すさのおのみこと)と宇迦能御魂神(うかのみたまのみこと)の二柱の主祭神を中心に祀り、五穀豊穣・開運祝福・商売繁盛、また土木建築・悪霊退散・疫病除けの神として信仰を集めた神社。元は稲荷神社で赤坂にありましたが、寛永11年、江戸城外堀普請の際この地に移り奉ったとのこと。社宝は、天保7年に画かれた『三十六歌仙繪』。本殿で見ることができます(出典: 須賀神社公式サイト)。

参拝をすませ絵馬所を見ると、映画にちなんだイラストや恋愛成就の絵馬がたくさん掛かっています。ふむふむ。恋愛成就の神さまじゃないのに、なんだかご利益がありそうで不思議。

●information
須賀神社
住所: 東京都新宿区須賀町5番地
アクセス: 東京メトロ丸の内線「四谷三丁目駅」から徒歩7分

間違い探し気分も楽しめる新宿今昔物語

続いては、津の守坂通り近くの新宿歴史博物館に向かいます。新宿歴史博物館は、平成元(1989)年開館した区立の博物館。入り口にがっしりとした四谷見附橋の高欄があります。

大正2(1913年)に開通した四谷見附橋。平成3(1991年)の道路拡幅まであった高欄の一部が寄贈されたとのこと。解説を読むと、この橋がかかるまでは「コの字の枡形のなごりをとどめ、麹町方面に直進することができませんでした」とあります。あれ? では元の橋はどの辺にかかっていたのだろう??

学芸員の後藤理加さんにご案内いただき、館内を見学します。旧石器時代から昭和まで6つのセクションがあり、最初に目を引くのが、「新宿」の地名の由来である、江戸時代の宿場町「内藤新宿」の復元模型。現在の新宿御苑と、新宿通りの新宿三丁目(新宿追分)と四谷四丁目(大木戸門)の当時の様子が分かり、とても楽しい模型です。「これがあそこで、このあたりが伊勢丹かな? 」と、ずっと見ていられます。

ここで、江戸時代の「蚊遣り器」を発見。お馴染みの「豚さん」の蚊遣り器ですが、これがでかい! かわいい!! 後藤さんによると、蚊取線香の原料となる除虫菊が輸入されるのは明治時代に入ってからで、それまでは木くずや葉などを燃やしていたのだそう。そのため身体が大きいという、チャーミングな「豚さん」なのです。

雑貨大好きのシラサキには大発見の一品です

江戸時代の商家、昭和初期の文化住宅、東京市電5000系を見学。昭和までさかのぼってきたので、気になっていた質問を後藤さんにお聞きしてみました。

シラサキ「四谷見附橋を掛ける前までは、どこに橋がかかっていたのでしょうか? 」
後藤さん「はい、市電をまっすぐ通す時に四谷見附橋をかけたのですが、それまでの橋は四ツ谷駅の北側にあたります」

あ、なるほど! たしかに四ツ谷駅北側には今でも橋があって四谷見附跡に直進しており、麹町口のロータリーがすっぽり枡形門のあった場所になる。凸凹と入り組んだ地形を開拓して城下町にし、それにまた手を加えて、近代都市につなげているのですね。

ムーランルージュ新宿座、戦後コーナーと続き、企画展示「れきはくどうぶつえん」にも例の「豚さん」が! コンパクトで決して大きな博物館ではないのだけれど、時間を忘れて楽しめる博物館でした。

●information
新宿区立新宿歴史博物館
住所: 東京都新宿区三栄町22
アクセス: 東京メトロ丸ノ内線「四谷三丁目駅」出口4から徒歩8分

そろそろおなかが空いてきたので、しんみち通りに向かいます。しばらく歩くと急に空が広くなり、ぽっかり空いた工事現場に。「四谷駅前地区第一種市街地再開発事業平成31年竣工予定」の文字とともに立派な完成予想図が貼ってあります。大きな複合施設のようです。そして、今日のお昼は「かつれつ四谷たけだ」です。