ラジオ番組と言えば、名物パーソナリティーの存在がつきもの。リスナーと密に交流し、人気となったパーソナリティーは数知れない。毎週土曜にNHKラジオ第一で放送されているラジオ『らじらー!サタデー』(20:05~23:00)には、20時台のHey! Say! JUMP 伊野尾慧&八乙女光、21時台のジャニーズJr. 安井謙太郎(Love-tune)&高橋優斗(HiHi Jet)、22時台のSexy Zone 中島健人、菊池風磨、佐藤勝利、松島聡(週替わりで2名が登場。マリウス葉はコーナー出演)と多彩な顔ぶれが揃っている。

毎週2万通ものメールを受け取る同番組は、リスナーの参加感を大事にしているというが、ラジオプロデューサーから見たMC陣の印象はどうなのか。今回は、同番組の加藤知宏CP(チーフプロデューサー)に話を聞いた。

■加藤知宏
ラジオセンター チーフ・プロデューサー 。番組制作局に配属後、NHK Eテレにて学校教育番組に携わる。その後NHKラジオにて『wktkラヂオ学園』などを担当。現在『らじらー!』『又吉・児玉・向井のあとは寝るだけの時間』(毎月最終週の月曜日放送)を担当している。

経験確かな20時台

――まずは20時台のMCについて伺えれば。伊野尾慧さんは今、バラエティ番組や映画でも大活躍されていますよね。

『らじらー!』MCを始めた後に、『めざましテレビ』『メレンゲの気持ち』でもレギュラーになって。伊野尾くんはやはり自然体の良さ、あまり肩肘張らない良さがありますよね。感情表現も豊かですし、メールのリアクションも「そんなことやってみたい!」とか「それマズイんじゃないの」と、等身大の意見を言ってくれるんです。

先日も、あなたの学校の珍しい部活を紹介してくださいという企画で「モデル部」があるというメールが来て。「モデル部入部が内申書に反映される」と紹介されたんですが、伊野尾くんは「モデル部自体は面白いけど、内申書に反映されるのはよくないと思うよ」と素直に言ってくれる。普通の20代男性の意見を伝えてくれます。

――伊野尾さんは大学で建築学科だったということですが、そういった普通の感覚が反映されているという点もあるんですか?

知識が豊富ですよね。頭の回転も速いし、いろんなことに興味を持っている。だから僕らは伊野尾くんを飽きさせない工夫をしなければいけないんです。伊野尾くんは、声も特徴的だと思うんですよね。一声聞いたら、伊野尾くんだとわかります。すごいイケメンですけど、ラジオ向きでもあるんだなと思います。

――八乙女光さんは、現在『スクール革命!』『ヒルナンデス』火曜レギュラーなどでも活躍されて。

八乙女くんは本当に明るいですね。場を明るくしてくれるし、無茶振りされても、喜んでやってくれる。伊野尾くんは素直に「え~」と嫌がったりする時もあるんですが、八乙女くんは全然平気で、ものまねとかもどんどんやってくれます。「八乙女光のものまねクリニック」という企画を作って、事前に八乙女くんからできるものまねのリストをもらって、無茶振りをしても対応してくれますし。

――コーナーがかなりガチですよね。

悩み相談のコーナーでも、自分の体験をうまく紹介しながら答えてくれるんです。伊野尾くん以上に、リスナー目線に近いのではないかと思います。八乙女くんは中学生時代にドラマ『3年B組 金八先生』にも出演していて、メンバーの中でも早い段階から注目を浴びた人。そういう中で10年過ごしている経験も、やっぱりあるのかな。色々なバリエーションをこなせる人だと思います。

2人のギャップが良さになる21時台

――次の21時台はジャニーズJr.のお二人が担当されているということで、ジャニーズJr.で、こういう生放送番組のパーソナリティーをされるのは珍しいのかなと思いましたが。

去年の4月から、ジャニーズJr.とSexy ZoneがMCになりました。これには、改めて10代をメインターゲットにしたいという狙いがありました。ただ、ジャニーズJr.のみなさんもたくさんいらっしゃるので、事務所さんにも相談したところ「この2人にやらせたい」と。それが本当に、いい流れになりましたね。

安井くんと優斗くん、実はけっこう年齢差があって、優斗くんは2年前くらいにジャニーズ事務所に入ったばかりであまり経験がなく、逆に、安井くんはかなり経験を積んでいる。このギャップが、21時台の良さになっています。年上の安井くんは優斗くんをうまくフォローしつつ番組を盛り上げて、自然体の優斗くんは笑う時は笑うし、進行もあまり気にしないで進めていく(笑)。それが面白さになっているんです。

実は2人は、この番組の前はお互いのことをほとんど知らなかったらしいんですよ。ジャニーズJr.も何百人もいますので、これまで接点がない中、「初めまして」みたいな感じで始まったんですが、今は本当に息も合ってきました。

――それでは、安井謙太郎さんの印象はいかがですか。

安井くんは今25歳ということもあり、いろんな角度からくるメールを受け止めることができて、対応の仕方がすごい。話題も豊富ですし、自分の体験談や経験談も語れて、リスナーのメールに丁寧に対応してくれています。

――番組を拝聴しましたが、かなり安定感がありました。

高橋優斗くんが若い分、自分がしっかりしなきゃいけないという思いが強いんじゃないかなと思います。安井くんが番組をしっかり引っ張ってくれているところに、優斗くんが乗っかって、2人で楽しい雰囲気を作り出してくれるんです。

――高橋優斗さんについて、この1年で成長を感じた点などはいかがですか?

トーク力は確実に上がっていますし、とにかく明るくて物怖じしないところが良さですね。すごく笑うんですよ。ちょっとしたときでも大きな声で笑ってくれるので、番組が明るくなります。最初の頃は緊張していましたが、今はスタジオに入る時も全然緊張している感じはないですし、素の自分を出してくれています。