日産自動車の「スカイライン」が誕生から60年を迎える。車名を変えることもなく、これだけの期間を存続してきたクルマは珍しいそうだが、スカイラインは日産にとってどのような存在なのか。

これまでに13モデルが登場したスカイライン

たくさん売りたいクルマなのか、それ以外か

スカイラインは1957年4月24日に誕生した高級乗用車。日産で最も長い歴史を持つブランドで、発売当時は同クラスでトップの出力と最高速を誇った。最新のモデルは、2014年に登場した「V37型」。これまでに販売した13モデルの国内における累計販売台数は300万台を超えており、現在も20万台以上が国内を走行しているという。

国内の累計販売は300万台を超えている

日産はスカイラインの誕生60周年を記念し、東京・六本木ヒルズアリーナでイベント「SKYLINE TIMELINE」を開催中。このイベントでは歴代スカイラインの13モデルを展示する。会期はスカイラインの誕生日にあたる4月24日までだ。

4月20日、SKYLINE TIMELINE開催にあたってのプレス向けイベントに登壇した日産専務執行役員の星野朝子氏は、スカイラインを「挑戦が詰まった箱」と表現。このクルマには、各時代で最先端の技術を盛り込んできた歴史があり、今後も日産の「技術の粋」(星野専務)を発信するクルマとして作っていくようだ。

初めて買ったクルマがスカイラインだったという日産の星野専務(右)。プレス向けイベントには「ハコスカ」(1968年発売の3代目C10型)が大好きという浅野忠信さんも駆けつけた

スカイラインの歴史を見てみると、例外はあるものの、大体4~5年でモデルチェンジを繰り返している。現行の13代目スカイラインの登場は2014年なので、2020年までに次のモデルが登場しても不思議ではない。

左が1957年発売の初代スカイライン、右は現行のV37型だ

ここ最近、自動車業界ではクルマの「知能化」と「電動化」がトレンドなっており、日産もその2つの要素を技術開発の柱に据えている。知能化という意味では、昨年発売した「セレナ」に運転支援システム「プロパイロット」を搭載。電動化では、発電用のエンジンを積み、燃料はガソリンながら電気自動車の走りを楽しめる「ノート e-POWER」を昨年発売した。

この2車種の販売が好調なこともあり、日産は近年苦戦していた国内販売を盛り返しつつある。スカイラインは台数を追うクルマではないのだろうが、「技術の日産」の考え方を示す存在として、次のスカイラインに同社が何を盛り込むかには注目したい。