経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会は3月23日、「電力・ガス自由化スタート!」PRイベントを開催し、同委員会の八田達夫委員長、箕輪恵美子委員が登壇。ゲストには電力・ガス自由化応援隊長に就任したタレントの安めぐみさん、雑誌『サンキュ!』主婦ブロガーの3名が迎えられた。

(左から)主婦ブロガーのzumyさんと臼井愛美さん、タレントの安めぐみさん、電力・ガス取引監視等委員会の箕輪恵美子委員、主婦ブロガーの奈良部南さん

2016年4月1日に電力の小売業への新規参入が全面自由化され、家庭や商店も含む全ての消費者が、電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになった。

さらに、2017年4月1日からは都市ガスの小売全面自由化がスタートし、家庭向けを含む、全てのガス小売業への新規参入ができるようになる。これまでの都市ガス会社による地域独占が撤廃され、各都市ガス会社や新規参入事業者においても供給・販売が可能に。なお、これまでも自由化されていたLPガスに加え、都市ガス・簡易ガスのすべてが対象となる。

電力・ガス自由化について、八田委員長は「電力の小売全面自由化がされ、この一年で380社を超える、ガスや通信、携帯、交通などの様々な事業者が参加されています。また来春からはガスの全面自由化が始まります。様々な事業者や料金メニューを選択できるようになるので、価格だけでなく様々なサービスから選び、暮らしやすくなることを期待しています」とコメントした。

電力・ガス取引監視等委員会の八田達夫委員長

電力とガスのプランを選ぶポイントは?

安めぐみさんと箕輪恵美子委員が登場し、電力・ガス自由化についてトーク。

安さん「まず電力会社についてお聞きしたいのですが、実際に乗り換えようと思ったときに、どのようなことに気をつけて選べばいいのでしょう」

箕輪委員「自身のライフスタイルに合わせた形で選んでいただくといいと思います。例えば、共働きの世帯では、昼間より夜に電気をたくさん使う人が多いと思うので、夜に電気を使うと安くなる事業者を選ぶのもいいかもしれません。また、子育て世帯では、子供が育ったり人数が増えたりすると、電気やガスを使う機会も増えるかと思うので、乗り換えをご検討いただくとお得だと思います。このほか、電気やガス、通信などを組み合わせるプランの場合は、全体の光熱費が安くなることや、支払いを一本化できて管理しやすくなることも利点だと思います。そういった各事業者のプランを見比べて研究し、選んでいただくのが良いのではないかなと思います」

安めぐみさんが質問

安さん「私自身も子供が生まれてからは、子供優先の生活で早寝早起きに。電気代の面で言うと、洗濯機を使う回数が多くなったり洗い物が増えたりと、出産前と産後・育児では使用量が変化したので、様々なプランを見比べて決められるのは良いなと感じました」

箕輪委員「4月からは、電力会社を自由に選べるようになったことと同じように、ガス会社も選べるようになります。電気とガス、両方が自由化になると、どういう組み合わせにするか、ということで様々なものが出てくるので、更に色んなプランの選び方ができるようになると思います」

安さん「電力・ガスの両方が自由化になると、選択肢が更に広がって各家庭にあったプランが選べるということですね。実際に、電力やガスの事業者を乗り換えたいと思ったときは、どうしたら良いのでしょうか」

箕輪委員「まず新しく乗り換えたい事業者が、電気事業法・ガス事業法に基づき登録されているどうかをチェックしていただく必要があります。どちらも登録を受けた事業者の一覧表は、経済産業省資源エネルギー庁のホームページで閲覧できます」

安さん「勝手にですが、手続きって大変そうだなというイメージがあります……。実際はどうなのでしょうか」

箕輪委員「現在契約している会社においても、手続きをしなければならないと思っている方が多いですが、実際は新しく契約したい事業者のみ契約することで手続きが済みます。その際、お名前、現在契約している会社名、お客様番号、(契約している会社の)供給地点特定番号の4点を知らせてください」

安さん「契約する際の注意点はあるのでしょうか」

箕輪委員「契約期間の途中で解約をすると解約金が発生するケースがあるので、契約する際に確認しておいた方が良いと思います」

実際に電力会社を乗り換えた主婦の声は?

さらに、雑誌『サンキュ!』主婦ブロガーの臼井愛美さん、奈良部南さん、zumyさんが登場。電力の小売全面自由化後、実際に電力会社を乗り換えたという3名が交ざり、感想をシェアし合った。

「もともと利用している携帯電話がauで、電気料金と電話料金のセット割が使えるということで『auでんき』に乗り換えました。電気代の3%がポイントとして戻ってくるので、au WALLETにチャージして日用品を買うのに活用しています。クレジット払いにしているのでカードのポイントも付与されます。引き落としが一箇所にまとまってすごく楽です」(臼井愛美さん)

「我が家では太陽光発電をしているので、1カ月の電気代が約4,000円です。料金シミュレーションサイトでプランを探し、その中で唯一安くなった『Looopでんき』に乗り換えました。電気代は、基本料金が0円で、従量料金が1kWhあたり26円。節約するためにアンペア数を変える必要なく、供給電力4分の1が再生可能エネルギーで構成されているのも魅力的でした。安くなったのは月に500円ほどですが、長い目でみるとお得です」(奈良部南さん)

「東京ガスの方に、電気とガスをセットにするとお得になると伺って乗り換えました。私の家は6人家族なので6LDKの戸建てで電気代が多く掛かるのですが、乗り換えてからは夏と冬のピーク時には月に約7,000円、その他の時期も月に約3,000円の節約に。年間にすると約5万円もお得になりました。また、ガスと電気の請求書が1つになったので家計管理が楽に。手続きも担当の方が自宅に来てくださり、難しいことなくできました」(zumyさん)

実際の体験談を聞いた安さんは「ライフスタイルに合わせて賢くプランを選んでいて、勉強になりました。私自身も生活にどのようなプランが合っているのかを見比べてみたいと思います」とコメント。

また、箕輪委員は「今回の自由化をきっかけに、自宅の光熱費が何にどのくらいお金がか掛かっているのかを見直す機会だと捉えて、改めて検討いただくのが良いかと思います」と呼びかけた。