フジテレビでは今月19・20日に、熊本県でアニメ『サザエさん』(毎週日曜18:30~19:00)の上映会を開催した。これは、同局の被災地支援「ずっとおうえんプロジェクト」の一環として行われたもので、両日とも親子を中心とする約150人が参加。会場にはサザエさんも駆けつけて写真攻めにあうなど、大盛況となった。

子供たちに囲まれるサザエさん

20日に上映会が行われたのは、昨年4月の熊本地震による傷跡が残る熊本城のそばにある、市立城東小学校の体育館。ここは、避難所になっていた場所で、校庭も多くの車中泊で利用された。地震後、しばらくここで生活していた児童も、今回の上映会に足を運んでいたようだ。

上映の前には、司会のフジテレビ・久代萌美アナウンサーが登場し、子供たちにアナウンサーのお仕事を紹介したほか、普段行っている滑舌の練習を実践。「ばら、ばり、ばる、ばれ、ばろ、びら、びり、びる、びれ、びろ」と、注意しないと噛んでしまいそうな言葉を、最後はお手本で流れるようなスピードで披露し、会場の拍手を受けていた。

久代萌美アナウンサーによる滑舌練習

そして、いよいよ『サザエさん』をパブリックビューイング。サザエさん一家が福島を訪れた、2013年4月7日放送の「花と星の福島旅行」という回で、大画面でサザエさんのおっちょこちょいぶりを大人数で見るという普段は味わえない感覚もあってか、会場では随所で笑いが起こっていた。

上映後には、先ほどまで画面の中にいたサザエさんが軽快なステップで登場。早速、握手攻めにあった後、オープニングテーマを会場で合唱すると、サザエさんは再び軽快な動きでダンスを披露した。時折、三代目 J Soul Brothersの"ランニングマン"を見せるなど、長寿キャラクターながらトレンドも取り入れて、子供たちは大喜び。『サザエさん』のことを何でも知っている長谷川町子美術館(東京・桜新町)の川口淳二館長からクイズが出題されると、我先にと回答を競い合う姿も見られた。

『サザエさん』は、今週26日(18:00~19:00)を「放送2400回記念スペシャル」と題して放送。この中では、サザエさん一家が熊本・大分にやってくるエピソードも放送され、熊本では御船町の恐竜博物館に行った後、天草で伝統工芸の「バラモン凧」の凧揚げに挑戦するなど、名所を訪れていくことになる。

"サザエさんバラモン凧"を披露

そこで、この日は「天草凧の会」の田中剛さんも駆けつけ、このために製作されたオリジナルの"サザエさんバラモン凧"を披露。すべて手作りで4~5日をかけて製作したそうで、サザエさんも興味津々だ。

天草地方は、風が強いことで凧揚げの文化が盛んになったそうだが、今回はフジテレビの渡辺恒也プロデューサーが、無風の体育館の中で凧揚げをするという無謀なチャレンジを敢行。サザエさんや子供たちが見守る中、渡辺プロデューサーは、ひもを持って全力疾走で駆け抜け、見事に凧揚げを成功させて大喝采を受けていた。

こうして、サザエさんと記念撮影を行い、オリジナルグッズのお土産を受け取った子供たちは、最後まで満足の様子。中には、サザエさんにサインを求める子供も現れ、みな笑顔で会場を後にしていった。