日本テレビほかにて放送されていたTVアニメ『エンドライド』のスペシャルイベントが、10月22日、東京・TOKYO FMホールにて行われた。浅永瞬役の小野賢章、エミリオ役の増田俊樹、アリシア役の美山加恋、ファラリオン役の大橋彩香に加え、MCとしてジョゼフ役の中島ヨシキが登壇した。本レポートでは、キャストの結束力が垣間見えた昼の部をリポートする。

左から中島ヨシキ、増田俊樹、小野賢章、美山加恋、大橋彩香

『エンドライド』は2016年4月より放送されていたオリジナルTVアニメ。地球の裏側に存在するという異世界・エンドラに突然飛ばされてしまった主人公・浅永瞬とエンドラの王子であるエミリオが出会い、それぞれの目的を果たすために行動し、そして成長していくという王道ファンタジー作品である。

本イベントは2クール、全24話の放送が終了した『エンドライド』を振り返りつつ、登壇キャストが作品にちなんだ企画に挑戦していくというもので、MCの中島によるイベント主旨の説明が終わると、早速イベントがスタート。それぞれのマイブームも含めた自己紹介に続き行われたフリートークでは、24話あったにも関わらず、収録があっという間だったという話が繰り広げられた。

と、ここで中島が大橋の様子を見て「興味ありますか? 大橋さん」と話をふると、大橋は「ファラリオンをずっとやっているとどんどん人に興味がなくなってくる」と返答。男性陣から総ツッコミを入れられながらも大橋は、「ファラリオンの立ち位置を理解して演技していた」、「ほとんど別撮りだった」など、アフレコ時の話も交えながら思い出を振り返っていた。

フリートークが終わると、登壇者が事前に回答したアンケートの内容を元に話をしていく「エンドラトーク」のコーナーが行われた。コーナー1つ目に話されたのは「思わずグッときたベストシーンの発表」。まず、MCである中島がベストシーンとして選んだ、第18話「囚人」で登場するキャラクター・フラマの姿がスクリーンに映し出された。小野から「MCからなんだ……」とツッコまれながらも、中島はこのシーンを選んだ理由として、「フラマを演じるベテラン声優・大塚芳忠の演技に感銘を受けたから」と話した。

続く増田は、第22話「危機」で自身が演じるエミリオが心を許していたキャラクター・パスカルが瞬とエミリオを逃がすため自爆するシーン、大橋は第24話「終焉」で、諸悪の根源であった浅永和信へエミリオとの合わせ技でファラリオンが突撃するシーン、美山は第12話「バベルの光」で革命軍・イグナーツの一員であるルイーズが正体を告白し、イグナーツのリーダー・デメトリオに本音をぶつけるシーンをそれぞれ挙げた。そして、ラストを飾った小野は、常にケンカしていた瞬とエミリオが、互いを分かり始めたことがわかる第10話「想い」で、瞬がエミリオを殴るシーンをチョイスした。

本コーナー2つ目は「放送が終了してからの気持ち」というお題に基づき、それぞれのキャストが第一印象からどう変わったのかというトークを展開。最初に小野が美山の「人見知り」という印象が最後まで変わらなかったというエピソードを披露、大橋は、共演前までほとんど話したことがなくクールだと思っていた小野が、収録を経て「ボソッと面白いことを言う人」という印象へ変化していった気持ちを吐露した。

続く美山は、「収録が始まった当初は端っこで誰とも喋らなかった増田が、中島が来てからすごく喋るようになりビックリした」とうエピソードを披露し、増田は中島が3つも年下だったことを知らずに驚いたという、増田と中島の仲の良さが伺える話を展開。対する中島は、「小野と美山はTwitterでフォローしてくれたのに、一緒にサバイバルゲームまで行く仲となった増田はフォローしてくれない」というプライベートな話を展開し、会場の笑いを誘った。

「エンドラトーク」のコーナーが終わると、MCが美山にバトンタッチし、DVD・Blu-rayに収録されている音声特典「エンドラ冒険譚」のスペシャル版が行われた。イベント観覧者から開始前に回収したアンケートなどを4つのボックスから引き、その回答に対して登壇者がコメントしていくこととなった本コーナーは、2クールを一緒に駆け抜けてきたキャストによる絶妙な掛け合いが繰り広げられた。

なかでも印象的だったのは、「今、直面している人間関係についての悩み」というお題の「今の職場が最悪です。上司がまったくリスペクトできないゲス男です」という回答に対し、悩み相談をそっちのけにして、「ゲ~スゲスゲスゲス」という笑い声と語尾に「ゲス」をつける謎のキャラクター・ゲス男とゲス太郎を生み出した増田・中島、そしてそれを見守る3人の姿。

増田・中島が楽しそうにイベントをかき乱す傍ら、冷静に「ブースでもこんな感じです」とつぶやいた小野。止まらないゲス男・ゲス太郎劇場に「すぐいちゃつくのやめてください」とツッコミを入れつつも他の登壇者から増田・中島と同じ「バラエティー班」だと認識されてしまう大橋。そして、なんとかお悩み相談のコーナーを進行しようとする健気な美山らがかもし出す愉快な雰囲気は、2クールの収録を経て培われてきた結束力のようにも感じる一幕であった。なお、アンケートで寄せられたお悩みには最終的に「同僚などに言って発散してみる」、「自分もゲスになってみる」と応えた。

ゲストークが一通り終わった後、今度は「?」と書かれた4つ目のボックスに小野が手を入れる。そのボックスから出てきたのは観覧者ではなく、なんとパスカル役・水島裕からの手紙であった。手紙には登壇者に対する質問が書かれており、なかでも「どうして増田さんは半年間もスタジオのドアの隣に座っていたのですか?」、「大橋さんは必ずスタジオで何かを食べていましたが、1日何カロリーくらい摂取するのですか?」という質問に焦点が当たる。

増田は『エンドライド』キャストのなかではキャリアが短いほうだという立場から、「(ドアの開け閉めなどは)新人の仕事。ヨシキが来てからはヨシキがドアの開け閉めをしてくれた」と真面目に返答。対する大橋は「必ず食べていたのは過去の話で、いまは夜はサラダだけを食べ、飲みものはお茶かシュガーフリーのレッドブルだけで生活をする"ダイエッター大橋"と主張するも、成果が出ないので不思議である」と答えた。この後、レッドブルの話題を元に増田・中島のコンビ芸が炸裂し、会場が笑いに包まれたままコーナーは終了した。

「エンドラ冒険譚」が終わると再び中島がMCとなり、続く「エンドラすごろく」のコーナーが行われた。サイコロを振って出た目の数だけ進むことに加え、サイコロを回すたびに用意されたチャレンジに挑み、成功ならプラス2マス、失敗ならマイナス2マスされるというルールで、チャレンジに3回失敗すると強制終了となる。しかし、ゴールすれば景品も出ると聞き張り切る4人は、じゃんけんで順番を決め、美山からサイコロを振ることとなった。大橋がサイコロの回転を止めるという不正まがいの行為が行われたが、出目は「6」と好スタート、そして、本コーナーの醍醐味であるチャレンジの1つ目には、「演技力チャレンジ」が行われた。「演技力チャレンジ」のルールは

1.登壇者4人が中身の見えない抽選箱に手を入れ、中身の感触を観覧者に伝える
2.4つの抽選箱のうち1つは中身が入っていないので、登壇者は中身が入っているかのように演技をする
3.誰が空箱に手を入れているのか観覧者が拍手で判定
4.観覧者の判定が外れたらチャレンジ成功

というもので、観覧者は小野の箱に中身が入ってないと予想。しかし、実際は増田が空箱に手を入れていたため、チャレンジ成功となった。

その後に行った、ウサギの耳や馬面などを付けた観覧者がどこにいるか当てる「ズー族を探せ」、4人が同じ回答を出せばクリアとなる「以心伝心クイズ」、主題歌である「Limit」の音楽に合わせてノリノリでチャレンジした「けん玉リレーチャレンジ」もすべて成功させ、すごろくを危なげなくクリア。景品の「紫色をした食べ物(美味しそうなもの)」をゲットした。

「けん玉リレーチャレンジ」は小野と大橋が成功

予想以上の結果に喜ぶキャスト一同だったが、MCの中島は、チャレンジが失敗したときの救済措置「全員が羽根をつけてゲーム再開」、「代表者1名がゲームを続けさせてくださいとカッコ良くもしくは可愛くお願いする」が行われず、残念そうな様子。と、ここで増田が「中島が羽根をつけて『もう一問挑戦してください』と懇願したら、もう一問やるのはどうか」と提案する。

結果、客席からも歓迎の拍手が送られ、中島が羽根をつけて「もう一問挑戦してください」と、2回(可愛さが足りず、1回リテイクとなった)お願いし、もうひとつのチャレンジ「黒ひげ危機一髪」が行われることとなった。ナイフ8本で黒ひげを飛ばすという、用意されたチャレンジのなかでも難しいものであったが、本日の登壇者の結束力は非常に強固で、わずか4本で黒ひげを飛ばすことに成功し、中島もスタッフも会場も驚愕する結果を見せつけた。

「エンドラすごろく」が終わると告知コーナーが設けられ、Blu-ray・DVD第4巻が11月23日に発売されること、「コミッククリア」にて配信されていた「エンドライド ~Gleam of Dawn~」の単行本化が決定したこと、さらにアニメから3年後の世界を描くゲーム『エンドライド ~X fragments~』のPV公開などが行われた。

告知コーナーが終わると、イベントも終了の時間。最後の挨拶では、2クール駆け抜けてきたアニメ収録の思い出とともに、ゲームなどで展開する今後の『エンドライド』に期待してほしいという言葉を登壇者それぞれが口にして、イベントの幕が閉じた。

(C)エンドライド製作委員会