スマートフォンの普及やSNSの浸透により、かつての電話サポートからSNSやチャットアプリを使ったサポート窓口の需要が増大している。そんな中、国内SNS最大手のLINEが、新たなボット(bot)サービスの提供を発表した。これからのボットの活用法を占う上で注目される。

チャットアプリは企業と顧客の新たな窓口に

LINEは若年層を中心に広く利用されており、国内では既に一種のインフラとして普及している。企業が開設する「LINE公式アカウント」(大企業向け)や「LINE@」(中小企業~個人商店向け)も、それぞれ3000、300万アカウント以上に達しており、企業からの情報発信や顧客とのコミュニケーション/マーケティング手段としても定着してきたと言えるだろう。

一方、SNSやチャットアプリでは人力での投稿から自動応答/投稿システム、いわゆるボット(ロボットのように自動で返信や情報収集などを行う自動プログラムの総称)を使うのが一般的になりつつある。

こうしたボットはサードパーティによるサービスとして提供されることが多いが、フェイスブックやLINEでは自前のAPIを用意して公式にボットを活用する手段を提供している。LINEは以前から自社サービスに加え、ヤマト運輸や出前館にこうしたAPIを提供していたが、今年4月に「LINE Messaging API」として一部の開発者向けに限定公開。そして9月に開催された開発者向け会議で正式版のリリースを発表した。

これまでは2万人のデベロッパー限定で公開されていたが、9月末よりオープンにすべての開発者に向けて公開される