2014年7月からスタートしたTVアニメ『プリパラ』は、現在3rdシーズン「神アイドル編」を放送中。プリパラの女神・ジュリィやジュルルの登場、新ユニット・ガァルマゲドンの結成、真中らぁらの妹・真中のんがじゅのん、ぴのん、かのんの一人三役でプリパラデビューなど、ますますの盛り上がりを見せている。

茜屋日海夏(あかねやひみか)。1994年7月16日生まれ。81プロデュース所属。主な出演は『プリパラ』真中らぁら役、『ReLIFE』玉来ほのか役、『Dance with Devils』立華リツカ役など。声優とアイドルのハイブリッドユニット・i☆Risのメンバーとしても活動中(左)
田中美海(たなかみなみ)。1996年1月22日生まれ。81プロデュース所属。主な出演は『プリパラ』真中のん/じゅのん/ぴのん/かのん役、『Wake Up, Girls!』片山実波役、『ハナヤマタ』ハナ・N・フォンテーンスタンド役など。声優ユニット・Wake Up, Girls!としても活動中(右)
撮影:西田航(WATAROCK)

7月5日放送の第103話から、らぁらとのんによるデュエット曲「Brand New Dreamer」が新オープニングテーマとして起用されている。今回は「Brand New Dreamer」発売記念として、真中らぁら役・茜屋日海夏と真中のん役・田中美海による姉妹対談を決行。普段は声優以外にも、i☆RisとWake Up, Girls!というアイドルユニットでも活動する二人に『プリパラ』の世界について、そして9月30日発売の同曲について訊いた。

今年はのんの年に

――まず、のんがプリパラデビューをすると聴いた時はどう思われました?

田中 最初に聴いた時は驚いちゃって、ドッキリかな? って。でも、収録を進めていくうちに、本当なんだって実感が湧いてきましたね。しかも一人三役なんだーって。ファンの皆さんの反応が楽しみでしたね。

茜屋 のんはいつか、ラスボスのような、それに近い立ち位置でプリパラにやってくるんじゃないかとはなんとなく思っていましたね。絶対どこかでデビューはするだろうなと(笑)。

――のんはアニメ1年目から登場していましたけど、3年目の3rdシーズンからじゅのん、かのん、ぴのんという3人のアイドルでプリパラデビュー。まさか、のんが一人三役を演じているとは……驚きました。

田中 三役なんて初めての経験だったので、うまくキャラチェンジできるか家で練習していました。最初にじゅのんがデビューした回のオンエアは緊張して……。でも、いろいろな方から「三役よかったよ」と言われて、苦労して収録したかいがあったなあって。

茜屋 本当にみなみが演じているのかなって思うくらいキャラクターが違っていてすごいと思いました。のんのかしこさをちゃんと活かしきれている。

――これまでのんは、「らぁらの妹」という立ち位置でしたけど、いまはアイドルとして「らぁらのライバル」になったわけですもんね。

茜屋 らぁらとしては「負けないぞ」という気持ちもあるんだけど、一緒にプリパラでアイドルが出来ることや、妹の成長を感じられることが嬉しいと思っているんじゃないかな。ライバル宣言はされたけど、仲良くやっていきたい。

田中 のんはプリパラが大好きでミーハーな部分もあるけど、一番身近なアイドルはらぁらだからね。人一倍らぁらのことを知っているからこそ応援したい、でもどんどん人気になっているらぁらを見て、内心メラメラ燃えていたんですよ。のんはプリパラデビューすることで、「お姉ちゃんを超える」という明確な目標が出来ました。だからこそ今後のストーリーが楽しみです。今年はのんの年になればいいなあ。

茜屋 のんの年! だいぶ攻めてきた!

田中 いやー、のんは強いからねー。

茜屋 間違いなくそうなると思う。でも、ここから巻き返すよ。前半がのんだったら、後半はらぁらでしょう。主人公だからね!

田中 それはわかる。私も好きなキャラクター誰だろうって考えたら、あろまとかひびきがまず思い浮かぶんですけど、最終的には「らぁらいいな」って。好き。

茜屋 うれしい。ちゃんと慕ってくれるから。やっぱり妹だね。

らぁら

のん

ほんとにらぁらとのんみたい

――お二人の好きな「真中姉妹のエピソード」は?

茜屋 3rdシーズンからの新キャラクター・ジュルルを一緒にお世話している時ですね。真中家での出来事だからプリパラ外でのやり取りなんですけど、それが「らぁらたちの日常はこんな感じなのかな」って感じられます。

田中 私は第27話「あけおめでかしこま!」でらぁらが風邪を引いちゃった回。みんながお見舞いに来るんだけど、のんはうるさくしているドロシーたちに「やれやれ、これじゃお姉ちゃん寝られないわ」って言って、らぁらのタオルを変えてあげる。結局一番大人なのがのんだった。しかも、風邪がうつっちゃって寝込んでいるときに、らぁらのライブを見て、「お姉ちゃんがいつか、プリパラの頂点に立って、そして……私がプリパラデビューしたら、そのお姉ちゃんに勝って、私が頂点に立つの! それが夢! だからそれまで頑張ってね、お姉ちゃん」とフラグを立てるという。お話自体も好きですね。

――茜屋さんは弟さんが大好きですし、田中さんもブログでいとこのお兄さんのお話をしていますよね。そんなお二人にそれぞれ、お姉ちゃんと妹が出来たお気持ちを聞いてみたいです。

茜屋 みなみは妹だなってのはいつも感じますね。一緒にいるとかわいがりたくなっちゃいます。元気ではつらつとしているんだけど、しっかりしている。ほんとにらぁらとのんみたいな感じなんです(笑)。アフレコとかの現場で見ていても、ちゃんと自分なりに考えて、キャラクターの中に自分にしか出せない個性を入れてくるんですよ。

田中 初めて会ったときからひみたすはi☆Risで、私はWake Up, Girls!という先輩と後輩みたいな立場だったんですよ。なので、お姉ちゃんと妹と言われてもしっくりきますね。それにひみたすの声は唯一無二だと思っていて、らぁらにぴったりなんですよ、まさにプリズムボイスです! 歌も上手で体作りもちゃんとしていて、お姉ちゃんとしても声優としても尊敬しています!

――べた褒め!

茜屋 恥ずかしい(笑)。

――Wake Up, Girls!の田中美海として見た時に、i☆Risの茜屋日海夏はどう映っていますか?

田中 WUGはそんなに積極的ではないので、グイグイ来るi☆Risのみなさんは本当にキラキラしていて、私たちに持っていないものを持っているのでいつも憧れています。ひみたすはとにかく格好いいんですよ。ダンスもキレキレで、落ちサビも格好良く歌いあげて……いいなあって。

茜屋 i☆Risは確かにうるさい(笑)。私もWUGにみなみがいることでいいスパイスになっているなってのは感じてるよ。それに、WUGちゃんはi☆Risが持っていない純粋さを持っていて……あっ、i☆Risが純粋じゃないわけではないんですけど(笑)。WUGちゃんが持っている初心みたいなものはi☆Risも見習わないと! とは思っています。でも、お互いに持っていないものを持っているからグループ同士で一緒にイベントをしたときに楽しいんだろうね。ボケたりツッコんだりがいいバランスでできているのかなって。

今は私が、子どもたちが観ているアニメに出ているんだな

――今年2月に開催された「i☆Ris&Wake Up, Girls!バレンタインLIVE!!」もかなり盛り上がりましたもんね。そして、いまや『プリパラ』は女の子たちに大人気のコンテンツの一つになっています。演じている上で、子どもたちへの影響力について考えたことはありますか?

茜屋 あります! たくさん『プリパラ』のイベントに出演させてもらっていますけど、アニメ放送が始まる前、ゲームしか稼働していない時はやっぱり反応は薄かった。でも、アニメが始まった途端、イベントにらぁらのグッズを身につけて来る女の子たちが増えました。私たちがステージで歌っているときも、一緒に踊ってくれたり、掛け声をかけてくれたり……、女の子の目標になれているのかなって感じています。『プリパラ』きっかけでi☆Risのライブに遊びに来てくれる子どもたちも増えたんですよ。いまでは会場に女性や子どもたち専用のエリアも用意しています。

田中 私はイベントに参加はしていないのでファンの子どもたちと触れ合う機会はないんですけど、近所の小さい女の子たちが『プリパラ』が好きなので、グッズをあげるとすごい喜んでくれるんですよ! みんな私が出演していることも知っているので、TRiANGLEとしてデビューしたときも「ライブすごかったー」って言われました。それと、街を歩いていると、『プリパラ』のグッズを持っている子が結構いるんですよね。私も小さいころ『セーラームーン』や『プリキュア』を観て育ってきたので、「今は私が、子どもたちが観ているアニメに出ているんだな」って改めて思います。

――子どもたちもですけど、大人のファンもたくさんいて幅広く人気ですよね。

田中 ゲームセンターとかで『プリパラ』をやってくださっている人を見ますよね。女性の方も結構遊んでいて。この間、電気屋さんで女性が一人で遊んでいたんですけど、なんと使用キャラクターがかのんだったんですよ! やばい! と思って、チラっと見てたら怪しまれました(笑)。

茜屋 『プリパラ』のおかげでi☆Risファンになってくれた人が一気に増えたので、『プリパラ』には感謝してもしきれないですね。アニメの内容も、女の子の憧れであるファッション、歌、ダンスが詰め込まれているけど、ギャグ要素もある。それも一昔前の大人じゃないとわからないようなギャグで、そのバランスがまた面白いんです。だからこそ大人の方にも楽しんでもらえるのかな。それにキャラクター一人ひとりが魅力的なんですよ。推しを作るのも楽しいですよね。

――キャラクターといえば上田麗奈さん演じる黄木あじみ先生はすごいですよね。

茜屋 そうなんですよ。れいなはすごい。最初のうちは「なんとかダヴィンチ!」みたいに台本に書かれた芸術関係の語尾を読んでいただけなんですけど、自分で芸術の知識を身につけてきて、だんだんアドリブになってきて「オーロロォー」みたいな(笑)。面白いんですよー。