山崎製パンの子会社であるヤマザキナビスコは8月31日をもって、ビスケット「リッツ」と「オレオ」の製造を終了した。9月12日からモンデリーズ・ジャパンより販売されることとなり、「リッツ」はインドネシア製造、「オレオ」は中国製造に変わるので「味が変わるのではないか」という意見がSNS上で見られている。発売よりもひと足先に、モンデリーズ・ジャパン版の「リッツ」と「オレオ」を手に入れたので、ヤマザキナビスコ版と食べ比べてみよう。

ヤマザキナビスコの「リッツ」「オレオ」とモンデリーズ・ジャパンの「リッツ」「オレオ」を食べ比べてみた

ちょっとした塩気がうれしいクラッカー「リッツ」

まずは「リッツ」から見てみよう。「リッツ」は商品のロゴが変わり、新版には立体感がある。キャッチコピーも旧版が「世界で愛されているおいしさリッツクラッカー」なのに対し、「世界のロングセラーリッツクラッカー」に変わっていた。

左が旧版、右が新版のパッケージ

原材料では、「小麦粉」「植物油脂」「砂糖」「ぶどう糖果糖液糖」「モルトエキス」「食塩」「膨張材」は同じだが、新版には「レシチン(大豆由来)」「酸化防止剤(V.E、V.C)」が加わっている。これによって、アレルギー表記に大豆が追加された。

左が旧版、右が新版の原材料表記

パッケージを開け、いざ実食。大きさはほとんど同じで、新版の表面にはすじのようなものが見られる。色は旧版の方が濃い目だ。食べ比べてみると、旧版はしっかりとした食感で、バターのような風味がある。新版はパイ生地のように軽やかでパリッとしていた。

個別の包装(左が旧版、右が新版)。どちらも同じく13枚入り

左が旧版、右が新版。旧版の方は色が濃く、新版にはすじのようなものが入っている

編集部内で食べ比べてもらうと、「新版は塩分が濃い」「旧版はおやつ感覚だが、新版はおつまみ感覚で食べられる」「旧版の方が親しみのある味」などの感想が挙がった。

旧版はしっかりとした食感にバターような風味がある

新版は軽やかな食感でパリっとしていた

チョコレートとバニラの味わいでファンが多い「オレオ」

もう一方の「オレオ」はどうだろうか。こちらは商品ロゴの上に「Original」が加わり、下の「Cream Sandwich Cookies」は「Milk's Favorite Cookie」に変わった。パッケージも、クッキーがミルクに飛び込んでいくようなデザインになっている。カタカナ表記の「オレオ クリームサンドクッキー」も「オレオ バニラクリーム」に変更された。

左が旧版、右が新版のパッケージ

原材料面では、旧版にあった「ぶどう糖果糖液糖」がなくなり、「酸化防止剤(V.E、V.C)」が加わっている。また、「コーンフラワー」は「コーンスターチ」に変わっていた。

左が旧版、右が新版の原材料表記

中を開けてみると、見た目にほとんど変化がない。色も形もほとんど一緒だ。食べてみても、あまり変化を感じられなかった。

個別の包装(左が旧版、右が新版)。どちらも同じく9枚入り

左が旧版、右が新版。見た目に変わりはない

中のクリームもほとんど変化が見られない(左が旧版、右が新版)

しかし、編集部内で食べ比べてもらうと、「新版の方がさっぱりしている」「旧版のクッキーの方が気持ちしっとりしている」「旧版はまったりおやつ、新版はフレッシュな風味がある」という意見が挙がった。分かる人には分かるのか、それとも筆者が無能なだけなのか不明だが、一部の人には違いが分かるようだ。

旧版は若干しっとりしており、甘味が強いという

新版のクッキーはさくっと感が強く、旧版に比べてさっぱりとした味のことだ

2つを食べ比べてみたところ、明確に「これだ!」という違いは見受けられなかった。モンデリーズ・ジャパンマーケティング本部カテゴリーマネジャーの森繁弘史に、新商品の味について聞いてみると、「モンデリーズ・インターナショナルが持っている、リッツやオレオのレシピを日本人の舌に合うように改良しました。研究開発や消費者調査を何度も重ねて、たどり着いた味です」と話している。

モンデリーズ・ジャパンは「リッツ」「オレオ」のほか、クラッカーの「プレミアム」も取り扱う。一方のヤマザキナビスコは、9月1日より社名をヤマザキビスケットに変更し、「リッツ」の製造で培った技術を応用したクラッカー「ルヴァン」を発売した。ぜひ次回は、「リッツ」と「ルヴァン」を食べ比べてみたい。