松沢小学校運営委員会は8月2日、「夏休みわくわく体験教室」の一環としてHour of Codeを題材としたプログラミング教室を東京都世田谷区立松沢小学校で開催。NECレノボ・ジャパングループとみんなのコードが協力した。

主催は松沢小学校運営委員会。NECレノボ コンシューマ事業 プレジデントの宗像淳氏はメンバーの一人として関わっている

左からNECレノボ コンシューマ事業 プレジデントの宗像淳氏、松沢小学校副校長の中村一裕氏、松沢小学校運営員会の新野降憲氏

Hour of CodeはCode.orgが世界的に主唱するプログラミング教育活動で、一般社団法人「みんなのコード」が国内展開を推進。アナと雪の女王やマインクラフト(マイクラ)、スターウォーズといった子どもに人気のあるコンテンツを扱いながら、Blockyと呼ばれるビジュアル化されたプログラムを、おおむね一時間で学べる学習教材だ。

みんなのコードでは「夏休み全国100校1万人プログラミング」を行っており、今回の開催もそのひとつ。松沢小学校運営委員会は教師、父兄、地域住人から構成されたコミュニティースクールで、従来もPCを学ぶ学習を実施していたが、小学校内のPCはセキュリティ対策の関係でHour of Codeの利用ができない。

NECレノボ コンシューマ事業 プレジデントの宗像淳氏は松沢小学校運営委員会の一員で、このことを会社で相談したところNECレノボとして機器を貸出することとなり、今回の企画が実現したという。講師も宗像氏が務めた。

なお、Hour of Codeは「モダンブラウザ」が動く環境ならば実行でき、Androidタブレットでも動かせる(スマートフォンでも動くが画面が小さいので操作しにくい)。子どもにプログラミングの興味を持たせるならば、自宅で行うというのもアリだろう。他のコンテンツも利用したい場合はhttps://studio.code.org/でレベルやコンテンツの異なる教材も利用できる。

夏休みの「わくわく体験教室」の一環として開催。2日には他にも2つあったようだ

今回の企画は広報用機材を使う事で実現した。NECの15.6型オールインワンPCであるFristaを使用

一般教室では普段パソコンを使わないため仮設配線。ということでここの列は通行禁止

同様に全クラスにネットワークが配置されていないのでモバイルWi-Fiが大活躍した

小学校低学年でもマウス操作、タッチ操作はスイスイ

今回の体験教室は一回約30名。8月1日に3-5年生、8月2日に1-2年生で募集したものの、希望者多数で抽選になったという。当初はスターウォーズのコンテンツを使う予定だったが、マイクラ人気の高さから、当日はマインクラフトを題材とした「Minecraft Hour of Code」を使用した。

1-2年生が学習している2日目の様子を見学していて印象に残ったのは、皆マウス操作やタッチ操作には慣れていて、そこでつまづく子はいなかったことだ。また、動かしているのが普段なじみのあるゲーム内キャラクター、スティーブかアレックス(最初に選ぶ)かつ、内容も普段マイクラで行っている事なので、全14ステージあるパズルの初めの方で戸惑っている子どもはいなかった。

しかし、1-2年生といえばまだ6、7歳頃。しかし、Hour of Code日本語版は漢字が多い。たとえば最初のパズル1は「羊に近づくには"前進"コマンドを追加します」と、小学校低学年には難しい漢字が使われている。ここで使うコマンドは、ひらがなで「まえにすすむ」となっており問題なかったが、パズル3では、羊から羊毛を集めるコマンドも「刈る」と漢字で書いてあり、意味が分からない子が続出していた。この辺は漢字圏ならではの問題なのかもしれない。

また、前日は「好き勝手にやらせた」(宗像氏)ために、90分の時間で終了する子が多かったそうだが、さすがに低学年では全員パズルを完了する事が難しかった(終了後、1人が残って完成させていた)。

「マインクラフトやったことある人~」の質問では、大体1/3ぐらいがマイクラ経験者。マイクラ人気がすごい

イマドキの小学生ということで、タッチ操作もマウス操作も慣れたもの。オジサンの小学生時代はマウスどころかパソコンすらなかったからねぇ

Hour of Codeの画面。「刈る」が読めない……これは年齢と漢字圏ならではの問題かもしれない

「家を作る」という課題。この辺から進みが遅くなってきた

隣の子に教えているが、この隣の子は難しい家を選んでしまっている

ヘルパーのスタッフ大活躍(教室では筆者もちょっと手助けした)。正規の授業では難しいという発言が現場から出ていたが、これを見るとよくわかる

力技で解決しようとしているが、実はこの辺からブロック数に制限が入っている。ここでは6ブロックで完成するよう頑張る必要がある

パズル9(この写真)は多分これが「せいかい」

間違えてもリセットすることで何度でもチャレンジ可能

正解はひとつではなく、頑張ると制限ステップよりも大幅に少ない結果もできる

タイムアップ。全員に(本当はレベル14まで行くと貰える)修了証が手渡された

修了証はこんな感じ。名前を送信すると名前入りで貰えます(注:漢字の名前は現在受け付けられません)

課題は人員とスキル不足

終了後、松沢小学校運営委員会の新野降憲氏、松沢小学校の中村一裕副校長が、、宗像氏と共に囲み取材に対応。今回の取り組みは宗像氏のほか、プログラミングを本業としている新野氏がいたこと、そして2人が子ども慣れしているから実施できたと感想を語った。

日本政府は、2020年度から小学校での「プログラミング教育」必修化を検討しているが、中村氏によると、今回のような教室を正規の授業で行うためには、人材不足が大きいという。

今回は父兄+NECレノボのスタッフが付いていたからこそできたので、授業で担任だけが担当する場合では生徒の問題に対処しきれない。また、公立学校という事もあり、格差が生まれない事を問題にしているほか、教師側の目的意識を根付かせる必要があると語っていた。

お手伝いのお母さん以外のスタッフ。一番右が松沢小学校運営委員会の新野氏、ほかはNECレノボのスタッフだ