7月22日、国内最大級のIT団体の連合体「一般社団法人 日本IT団体連盟」が設立された。それに合わせて同日、都内で設立の趣旨や目的を説明する記者発表会が開催された。ここではその様子をお伝えする。
IT業界最大級の「団体の団体」
今回設立された日本IT団体連盟(IT連)は、IT産業に関わる53団体(加盟企業数 約5,000社)を束ねる連合体で、IT業界の団体としては日本最大級の規模となる。
記者発表会では、まずIT連の代表理事兼会長を務める宮坂 学氏(ヤフー株式会社 代表取締役社長 CEO/Yahoo!基金 理事長)が登壇し、設立の背景や組織内容、今後の活動内容について説明した。
宮坂氏は「日本は、2000年には一人当たりのGDPが世界3位だったが2014年には26位へ、国際競争力も1990年には1位だったのが2016年には26位へと大幅に下がってしまった」とし、この状況を打破する鍵として「IT」があると語った。その理由として、ここ20年ほどの実質GDPの増加にITがもっとも寄与していることを挙げ、「世界的に見ても時価総額ランキングのトップ5に昨年はIT企業が3社ランクインしており、エネルギーや金融がトップを占めていた20年前とは大きく変わってきている。ITは日本経済だけでなく世界経済をも牽引している。どれだけITを普及させ、利活用させるかがこれからのこの国の豊かさにおいて非常に重要になる」と分析した。
さらに宮坂氏は、「ITの重要性は政府もよく理解しており、2013年6月には世界最先端IT国家創造宣言が策定された。現在は『政府が(ITに関する戦略を)決めてくれない』と言っている場合ではなく、官民一体となって取り組むべき段階」とコメントした。
ちなみに、現在IT業界の団体は100以上も存在している。これは、IT業界が小規模な起業から大きく発展してきたため専門分野ごとに小さな団体が形成されているのが主な理由。そこで宮坂氏は「まず『民』が一体にならなければ。そのためにも団体を束ねる団体を作ろうとみんなで話し合って決めた」とIT連の設立の背景を説明した。