iPadを主たる仕事環境に変えてから、気付いたことがあります。

2013年から長期の下落傾向にあるiPadの販売台数を底打ちさせ、上昇に転じさせるためには、より多くの人々が気づかなければならないことがあるのではないか、と考えるようになりました。それは、iPadを含むタブレットの位置付けの変化です。

Appleは引き続き、高性能、高画質で軽い、魅力的なタブレットを作り続けていかなければならないでしょう。しかし、彼らはこれまでも、それには積極的に取り組んできましたし、これからもそうしていくでしょう。

結果として販売台数は減少し続けていますが、現状、これ以上、製品の発展について、何かしなければならないというわけではありません。むしろ、我々が変化に気づくことが重要なのではないか。自分の経験を振り返ると、そんな考え方を抱くようになりました。

iPad Pro

筆者は、iPad Proで仕事をするようになってから、Retinaディスプレイを搭載する2012年モデルのMacBook Proに触れるのは、せいぜい、週に1~2度程度になりました。仕事場へはiPad Proを持ち出しているため、MacBook Proは自宅のデスクに置きっぱなしの状態です。

こうした習慣は、筆者の日常におけるコンピュータ環境において、パソコンが上位でタブレットが下位、という概念を早い段階で崩してくれました。スマートフォンやタブレットをこれまでも使ってきましたが、汎用デバイスの座がパソコンからタブレットに移ることで、もう少しフラットに物事を考えられるようになったのです。

筆者は中学に上がる1993年に、NECのPC-9821Asというパソコンを親に買ってもらって以来、パソコンに触れない日はない生活を送ってきました。このことは、コンピュータ環境のみならず、生活で関わるデバイスにおいて、「パソコンが中心」という概念を強く作り上げていたのです。この概念が壊れたと気付いた時は、自分にも驚かされました。