人生の勝ち組は普段何を食べているのだろうか。新米編集者の筆者は、最高のごちそうといえば会社近くのとんかつ店のカツカレー。肉といえば豚肉か鶏肉。牛肉なんてしばらく食べていない。しかし、そんな筆者にも高級牛肉を食べる機会が訪れた!
今回取材で訪れたのは、超高級ホテル「ウェスティンホテル東京」(東京都目黒区)の鉄板焼のレストラン「恵比寿」。ここで一番高価な「恵比寿牛ロース」(9,500円/100g)を食べてきたのでレポートしよう。
鉄板焼「恵比寿」は、「ウェスティンホテル東京」の最上階22階に位置する鉄板焼専門店。晴れていれば富士山を望む絶好のロケーションで、シェフが鉄板で調理する華麗な手さばきも見ることができるライブ感ある店内。そんな高級鉄板焼レストランの看板メニューは最高級黒毛和牛「恵比寿牛」だ。鹿児島県の黒毛和種を肥育する「のざき牧場」が同ホテルのために作り上げた和牛である。
今回はこの「恵比寿牛」に、「ガーリックライス」やサラダなどがついたランチタイム限定の「恵比寿セット」(1万5,850円)をシェフの成宮精三郎氏が目の前で調理してくれた。「恵比寿」と刺繍されたエプロンをレストランスタッフによってつけられ、気分も高まってくる。
目の前に運ばれてきたのは、調理前の「恵比寿牛ロースステーキ 200g」。鮮やかな赤色に美しくさしが入り、うっとりする見た目。
さっそく280度近くに温められた鉄板に、「恵比寿牛」を置く。すぐに焼けた肉の香りが満ちていく。表面にしっかりと焦げ目がつく程度に焼くこと10分。焼きあがった肉をカットし、皿に盛りつける。添えられた「焼き野菜」は、ワサビ菜と新ジャガイモ、マコモタケだ。
肉を口に含んだ瞬間、衝撃が筆者に走る。口当たりが優しくさっぱりとした肉汁、ぷるっとした柔らかい肉質に打ち震えてしまった。後味には上質なコクが残り、幸せすぎてため息が漏れてしまう……。「恵比寿牛」はさしが多いのも特徴だが、脂肪の融点が低く、脂っこさがない。食べ進めても胃もたれしづらいのはうれしいところだ。
成宮氏によると、イギリス・マルドンのシーソルトとおろしたての本わさびをつけると、肉のうま味がより引き立つそうだ。目の前でシェフがすりおろしてくれる新鮮なわさびの香りが、肉の脂をよりさっぱりとさせてくれていた。そのほか、牛すじと醤油で煮込んだ秘伝の肉醤油と、タマネギと赤ワインのソースも用意されている。
続いて、みじん切りにして揚げたニンニクチップとニンニクを漬け込んだ特製醤油を一緒に炒めた「ガーリックライス」だ。軽くおこげがついて香ばしくなったご飯は、自家製の香の物(ぬか漬け)と一緒にいただく。
「恵比寿牛」の味わいはもちろん、22階からの景色、シェフが目の前で調理してくれるぜいたく感など、すべてが最高級だった今回。高級肉のぷるっとした肉質とさっぱりとした脂のうま味に感動した筆者は、この余韻を消したくないと思い、翌日の夜まで何も食べられなかった。
※価格は全て税・サービス料別
※メニュー情報は2016年4月のもの