「いつまでも若々しくいたい」という願いは、男女問わずにもっているものだろう。漫画などでよくある「不老不死」は無理だとしても、食事や運動、睡眠などの観点から見て適切なライフスタイルを保てれば、加齢の進行を多少なりとも遅らせることは可能だ。
本稿では、国際アンチエイジング医学会専門医であるAACクリニック銀座の院長・浜中聡子医師の解説をもとに、エイジングケアに最適な食べ物について紹介する。
ビタミンCと副腎ホルモンの関係
浜中医師にアンチエイジングにふさわしい食べ物は何かと聞いてみたところ、「ビタミンCを多く含有する食材が当てはまるのではないか」という回答が返ってきた。
ビタミンCは肌の潤いを保つコラーゲン生成に不可欠であり、皮膚・粘膜の健康維持を支えている。体内をさびさせないようにする、いわゆる「抗酸化作用」もあり、有害な活性酸素から体を守る働きをすることから、動脈硬化や心疾患の予防にも期待がもてる。
「また、ビタミンCはストレスに対抗するための体づくりにも必要で、副腎から分泌される『ストレスから体を守るホルモン』を合成する働きを持ちます。副腎は皮質と髄質に分かれ、それぞれ異なるホルモンを分泌していますが、いずれも体にストレスが加わると速やかにホルモン分泌量を増やします。これによって一時的に心拍数を増やしたり、血糖値を高めたり、組織から脂肪を動員してエネルギーを増大させたりして、ストレスに対する抵抗力を高められるというわけです」。
ストレスと聞くと、メンタル面における悩みがすべての元凶と考えてしまいがちだ。ただ、本来は精神的なものを含め、病気やけが、暑さ・寒さなど、「生体にとって不利な刺激」を意味するという。通常ならば、副腎には高濃度のビタミンCが含まれているが、これらのストレス(刺激)が加わるとビタミンCの濃度は急激に低下する。だからこそ、毎日こまめに摂取しないといけないのだ。
必要摂取量は男女共通で1日100㎎程度で、妊娠中や授乳中の女性はこの数字の1.5倍程度が必要となる。「ただ、1日100㎎というのは必要最低限の量であり、美肌や疲労回復、ストレス緩和などのビタミンCが身体におよぼすプラスの効果を期待する場合は、1日2,000㎎以上の内服が必要です」。