日本最大級のランニングのトレードショー「東京マラソンEXPO 2016」が、2月25日から27日に東京ビックサイトにて開催された。同イベントは2月28日に行われた東京マラソンに出場するランナーたちだけでなく、マラソンに興味を持つさまざまな人々が集まるテーマパーク的な催し。会期中は、お笑いタレント・猫ひろしさんによるトークイベントなど、さまざまなイベントが実施された。

東京マラソンEXPO 2016で猫ひろしさんのトークショーが開催された

ためになる情報が盛りだくさん

2016年で10年目を迎えた東京マラソンは、2013年にワールドマラソンメジャーズにも加入し、世界でも主要な大会のひとつとして、海外でも広く認知されるようになっている。東京で暮らす身として、いつかは参加してみたいとは思っていても、人気が高くなかなかランナーとしての参加は難しいのが現実。だが、出場ランナーがナンバーカードを引き換えにくる「東京マラソンEXPO」は、ランナーでなくても参加できるとあり、東京ビッグサイトへと早速足を運んだ。

各社がランナーのためになる催しを自ブースで実施

会場では、マラソンに最適なウエアやシューズの販売をはじめ、ランナーをサポートしたり、走ることで多様なライフスタイルを提案したりする企業ブースがズラリ。ランニングフォームの矯正ができるブースでは行列もできるなど、初日の早い時間ながらにぎわいをみせていた。

ステージでは、お笑いタレントでマラソン選手でもある猫ひろしさんによるトークイベント「猫式“マラソンコンディショニング”実践法」が行われており、実際にどのようにマラソンに取り組んでいるのかを聞いてみることにした。

「糖質を選ぶこと」がランナーには重要

最初に、トークイベントイベント主催の三井製糖による宮坂清昭氏によるティーチングがあった。最近は何かと話題になっている「糖質」。ランナーにとっても糖質は重要な栄養素の一つだが、「糖質ならば何でもよい」というわけではないという。「ランナーの方が摂取すべきなのは、スローカロリーな糖質です」と宮坂氏は話す。

三井製糖の宮坂清昭氏は「ランナーはスローカロリーな糖質を摂取すべき」と話す

ヒトの体における体脂肪はおおむね15~20%前後、ランナーなど脂肪が少ない人でも数%はあるのが普通だ。一方、運動の際のエネルギーとなる糖質は体の中でわずか1%ほどしかないという。「糖質は体の中で蓄えておくことが難しい栄養です。マラソンなど長時間のスポーツでは後半で糖質不足になってしまう」。

そこで、ゆっくり消化吸収される「スローカロリー」が重要になってくる。ゆっくりと体内に入ることで、エネルギーを供給し続けることができるためだ。ゆっくり吸収するためには食物繊維などの野菜から食べることや、時間をかけてゆっくり食事することなどが挙げられるが、ランナーにとって大会の前後には難しい注文ではないだろうか。

同社では、消化吸収速度が砂糖の1/5である天然の糖質・パラチノースが配合された「スローカロリーシュガー」を販売しているが、このような糖を飲み物や食事の砂糖と置き換えるだけで、「スローカロリー」になるそうだ。そのため、ランナーに最適な「シュガーローディング(糖質管理によるコンディション調整)」が簡単に実現できるとのこと。

糖質を変えると「持続力が違う」と実感

続いて開催された猫ひろしさんのトークイベントでも、食事の重要性が強く語られた。芸人のみだったころは、夜中でもロケ弁当をたくさん食べたり、朝昼晩の3食がラーメンだったりと、全く食事に気を遣っていなかったという猫さん。

だが今は「夜11時以降は基本的に食べません。どうしても食べたくなったら、ヨーグルトやキウイ、グレープフルーツですね。カンボジアでは日本のようにコンビニがたくさんあるワケじゃないので、買えるときに食材はストックしています」と、現在暮らすカンボジアならではの苦労も語った。

かつてマラソンを始めた頃は、自己流で炭水化物などの糖質を制限して体重調整をしたことがあったとも告白。「糖質を抜いていると、全然疲れが取れないんですよ。トレーナーから『あれ、猫さん全然疲れが抜けてないですね』って言われちゃうくらい。体重を調整することももちろん大事ですけど、どんな栄養を摂(と)るか、必要な栄養を摂取できているかが大事ですね」と話した。

以前はあまり食事に気をつけることはなかったと話す猫さん

また、マラソン当日の食事については「4時間前には食べ終えるようにしています」。ごはんやおもち、100%のオレンジジュースなど、糖質を意識した食事にしているという。

フォトセッションでは宮坂氏も「ニャー! 」

長時間の孤独な戦いとなるマラソン。ただやみくもに走るだけではなく、エネルギーとなる糖質をどう上手に取り入れるかがタイムを上げるカギになりそうだ。

ランナーにとっては、上手に糖を摂取することが大切と言えそうだ