【レポート】

デジタルを"纏う"時代が目前に - 日本マイクロソフトと伊勢丹の異色なコラボレーション

阿久津良和  [2016/02/17]

日本マイクロソフトは2016年2月17日から3月1日まで、伊勢丹新宿本店メンズ館と「ISETAN MEN S×Surface~未来を纏え~」というテーマでコラボレーションし、「Surface Book」や「Surface Pro 4」に代表される約80台のデバイス展示や、最先端のテクノロジーを活用するイベントを開催する。

伊勢丹新宿本店メンズ館は「未来のデパートメントストア」の表現手法として、ホログラムを活用したバーチャルショールームを1階で展開。設置したSurfaceでホログラムデータの読み込みや投影を行うほか、週末限定でユーザー自身のコーディネイトを撮影し、ホログラム化する体験もできる。

三越伊勢丹ホールディングスの大西洋氏(中央左)と日本マイクロソフトの樋口泰行氏

……我々の暮らしはICTでどのように変わっていくのだろうか。そんな考えが頭の片隅をよぎるのが、今回のコラボレーションイベントだ。既に2-in-1 PCは1つのスタンダードスタイルと言え、そのスタイルを前面に押し出したMicrosoftのSurfaceシリーズと、若者向け百貨店の伊勢丹メンズ館は、近未来的なディスプレイとサービスを展開する。

伊勢丹新宿本店メンズ館1階に展示したSurfaceシリーズ

報道関係者向けの説明会では、伊勢丹新宿本店メンズ館1階のバーチャルショールームが披露された。Surface Pro 4を使ってモデルを撮影し、ホログラムを利用したディスプレイに映し出す。先述のように週末限定だが、訪れたユーザーが自分のコーディネイトを撮影してホログラム化する体験も提供する。そのほか、全フロアのプロモーションスペースにおいて、Surfaceシリーズを使ったディスプレイやサービスを展開。例えば、バッグと財布のブランド「ペッレ・モルビダ」は、 Surface Pro 4を使ったカスタムオーダーを受け付ける。

Surface Pro 4でモデルの撮影から編集作業をその場で行い、会場に設置したディスプレイに映し出すバーチャルショールーム

デジタルデバイスとファッションは、関連性が乏しいように感じるかもしれない。この点について、三越伊勢丹ホールディングス 代表取締役社長執行役員の大西洋氏は、「既にウェアラブルがファッションの一部になっている。ファッションに興味を持つ方が来店されたとき、新しい価値を感じてほしい」と述べた。日本マイクロソフト 代表執行役 会長の樋口泰行氏も、「アナログ的なファッションビジネスと、デジタル的なライフスタイルの境目がなくなりつつある」と現状を分析する。

ホログラムの一例

今回のイベント期間中、伊勢丹新宿本店メンズ館でSurfaceシリーズが販売される訳ではない。樋口氏は「ライフスタイルとデジタルがシームレスにつながる感覚をアピールしないと、感度の高い方に響きにくい。(Surfaceシリーズが)生活の一部であること示したい」と語り、需要は後からついてくると自信を見せた。大西氏も「お客様とのコミュニケーションツールとしてアピールしたい。モノではなく情報を得るためにご来店いただくことが最優先だが、将来的には(PCの販売なども)視野に入れている」と述べている。

15台のSurface Pro 4を使ったマネキン(写真の左側)。ディスプレイ内の画像が変化し、マネキンの体をなしていた

さらに樋口氏は「(Microsoftが)タブレットの世界において、少し出遅れたのは認めざるを得ない。だが、現在はSurfaceシリーズによってキャッチアップを図っている最中だ。(当初から訴えていた2-in-1 PCのアドバンテージが)世の中に浸透してきたこのタイミングだからこそ、Surfaceシリーズの特徴であるクール&機能的という部分をコラボレーションでアピールしたい」と、伊勢丹とコラボレーションする狙いを語った。

他方で興味深いのが、伊勢丹側のスタンスである。筆者が述べるまでもなく、今の日本を取り巻く経済状況は決して楽観視できるものではない。大西氏も「ファッションという切り口は、これまでのように(市場が)成長する状況ではない」と危機感を示している。だからこそ、今回ようなコラボレーションイベントを開催するのだろう。「進歩の早いICTと掛け合わせた価値創造を、お客様に提供するのが未来型の百貨店」(大西氏)。

各所にSurfaceシリーズを用いたディスプレイ

蛇足だが樋口氏は、日本マイクロソフト入社前にダイエーの代表取締役社長を務めている。約10年ぶりの小売業を目にして「リアル店舗と(日本マイクロソフトが)どのような価値提供すればいいのか難しい部分はある。だが、お客様の感性に直接訴えられる表現力は大きい。ICTとファッションビジネスをつなげることで良い方向に進む」と自身の見方を示した。近いうちにデバイスを"纏う"時代が訪れるのかもしれない。

阿久津良和(Cactus)

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