続いては「遺産相続」に関しての質問だ。マイナンバーが銀行口座と紐付けされた場合、遺産相続にはどのような影響があるのだろうか。

「遺産相続」に関する疑問

Q4. 税務署が亡くなった人(被相続人)のマイナンバーを利用して、隠し口座などの存在を調査し、相続人に追徴課税するという可能性はありますか?

A4.現在は、銀行等に対し、調査対象者(被相続人を含む)の住所・氏名などを用いて預貯金情報の照会を行っています。預貯金口座に番号が付番されることとなれば、これらにマイナンバーも加えて照会を行うことができるようになるでしょう。ただし、税務署から銀行等への照会は、税務調査に必要がある場合に行うものであり、預貯金口座への付番後であっても従来と変わることはありません(国税庁)。

Q5. 将来的に遺族がマイナンバーを利用して、故人の預貯金口座の存在を確認することは可能になりますか?

A5.遺族が故人のマイナンバーを利用して、故人の預貯金口座の存在を金融機関に照会し、確認することは現行のマイナンバー法上できません。一方で、マイナンバーは利用しませんが、「マイナポータル※」を活用して故人が生前に予め登録しておけば、相続等に必要な金融資産の所在情報等を遺族に対してワンストップでお知らせするサービスを検討しています(内閣府 大臣官房番号制度担当室)。

※マイナポータル:行政機関がマイナンバー(個人番号)の付いた自分の情報をいつ、どことやりとりしたのか確認できるほか、行政機関が保有する自分に関する情報や行政機関から自分に対しての必要なお知らせ情報等を自宅のパソコン等から確認できるポータルサイト。

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遺族がマイナンバーを利用して故人の金融資産を知ることは不可能だが、本人がマイナポータルに事前に登録しておけばそのような情報を把握することはできる。マイナポータルの運用は2017年の1月に開始予定(2015年時点)とのこと。