タニシ

アイドルグループ「V6」のメンバー、またNHKの情報番組「あさイチ」のキャスターとしても活躍中の井ノ原快彦さん。あの優しい笑顔に癒やされている人も多いのではないだろうか。井ノ原さんの顔のよさを、"顔"の専門家である池袋絵意知さんに聞いてみた。

「共感力」のある顔

井ノ原快彦さんの人気のヒミツは「親しみやすさ」にあります。NHKの情報番組「あさイチ」のキャスターを務め、その発言には女性からも男性からも共感の声が挙がっていますが、お顔的にも「共感力」のある顔です。

もっとも共感力を抱かれるのが、笑うと目がなくなる表情。うれしくて微笑んでいる姿を「目を細める」と表現するように、笑顔の時に目がなくなるのは喜びの表情です。笑うと目がなくなる人は、相手に(視聴者・共演者に)その気持ちが伝わりやすいのです。

目は可動範囲が大きいほど喜怒哀楽の表情が伝わりやすく、悲しみや怒りの感情も伝わるのですが、形の大きさ以上にポイントとなるのが表情の変化の大きさで、井ノ原さんは表情の変化が大きいのが特徴です。

万国共通の「ユニバーサル表情」において「幸福」の表情は目尻が下がることで、井ノ原さんの笑顔の時に柔らかく垂れる目は、特にハッピーの感情が伝わりやすい表情なのです。井ノ原さんはもともと目の形が垂れて、無表情の時でも笑顔っぽい印象になる利点もあります。また、タレ目の男性は子どもと遊ぶのが大好きで、家族サービスを大事にするマイホームパパに多いので、「あさイチ」のメイン視聴者である主婦層に人気があるのかもしれません。

見ているだけで優しい気持ちになれる「タニシ型」の目

目の形で特に特徴的なのが、上まぶたの形。真ん中から外側に向かって柔らかく垂れ下がった「タニシ型」の目で癒しの印象を与えます。「タニシ目」は、トリンドル玲奈さん、皆藤愛子さん、芦田愛菜さんなど女性に多い形で、見ているだけで優しい気持ちになれるのですが、男性では珍しい形です。

目の形は女性的な井ノ原さんですが、全体的には男性的な特徴が多いお顔です。もっとも男性的なのは、鼻と口の間(人中)が広いこと。平均すると男性のほうが広く女性のほうが狭い傾向にあります。また、人間は成長するにつれて人中が広くなりますので、子供より大人のほうが広いのです。

人中は広い人ほど理性的に行動し、狭いと感性的に行動する傾向があります。また、狭いほど主観的に考え、嫉妬深いのに対し、広いほど客観的に考え、細かいことは気にせず度量が大きい傾向があります。「共感力」のある井ノ原さんですが、単に感情的に同情するのではなく、客観性があるからこそ、多くの人から支持されているのでしょう。

幅広い年代が親近感を抱く、歯が上下ともに見える口

口の形も男性的です。上下とも厚い唇ですが、アウトラインは男性に多い直線的なタイプ。特に笑顔の時に横に大きく開くのも男性に多いです。上の歯だけがたくさん見える理想的な笑顔でもなければ、下の歯のほうが多く見える老人の笑顔でもありません。口を縦に大きく開けて舌が丸見えになる子供の笑顔でもありません。上の歯も下の歯も全部見えるかのような笑顔です。

笑顔の形としては非常に珍しいのですが、下の歯が見えてもそれ以上に上の歯が見えることで印象のいい笑顔になっているのと、形的にお年寄りや子供の笑顔の要素もあることで、幅広い年代の人が親近感を抱く笑顔となっています。漫画っぽい口で歯が上下とも見えるのは『笑ゥせぇるすまん』の喪黒福造に似ていますが、目の形が全く違います。三白眼で不気味な印象の喪黒福造と違って、井ノ原さんは目を細めて白目がなくなった「タニシ目」だから優しい印象になるのです。

<著者プロフィール>
池袋 絵意知(いけぶくろ・えいち)
観相家、顔研究家、顔面評論家。出版社と人材総合サービスで営業を経験した後、顔研究の道に。古来からの観相学だけでなく、自然人類学や心理学の研究を取り入れるなど多角的な方面から顔を研究し、独自の顔面観相術「ふくろう流観相学」を確立する。著書に『顔面仕事術』『最強モテ顔講座』など。 顔相鑑定士&顔研究家&顔面評論家:池袋絵意知 公式ブログ
http://blog.ikebukuroh.com/

※写真と本文は関係ありません