のべ一万人以上の女性の生き方相談に乗ってきた、女社長の川崎貴子さん。「女のプロ」との異名をとり、著書『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる』(ベストセラーズ)などで説く恋愛・結婚の心得も話題を呼んでいます。「男たちにも言いたいことは山ほどある」と言う川崎さんが、恋愛や結婚で路頭に迷うアラサー男性の相談に愛を込めて答えていきます。

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Q: なぜ、男から誘わなきゃならないんでしょう?

「最近は積極的な女性が増えてはいるものの、それでもまだ男性のほうが誘うべき、という考え方が主流のように思います。飲みに誘うのは男から、告白するのも男から、プロポーズも男から。女性から積極的にきてくれるにはどういう男になればいいのでしょうか?」(26歳・公務員)

誘われることで女としての承認欲求が満たされる

女性が積極的じゃない……私の周囲ではそんなことないんですけどね。私の周りの女社長だの外資OLだのは、自分から攻める人多いですよ。そのチャンスを逃してなるものか! 時は金なり! というタイプが多い(笑) 多分、相談者さんが出会う女性は、そういうタイプではないのかもしれません。

とはいえ、知識としては、世の中には男性から誘ってきてほしいと思っている女性のほうが多いのも知ってます。そういう女性たちがなぜ男性から積極的に誘ってほしいのかというと、何も「男からきてよ!」と上から目線になっているわけではなく、誘われることで女としての承認欲求が満たされるからなんですよ。

「女性として扱ってくれた。」という承認欲求が満たされると、そんな風に勇気を出して告白してくれたんだから、私も女性として尽くしてあげよう、かわいい女になろう、料理学校行っちゃおうかな、新しい服着て彼の自慢の彼女になりたいな、今度は私が愛する番、と言わんばかりに女性たちは自信を得る事ができてキラキラ輝きます。

あ、自分から積極的に誘うタイプの女性がキラキラしていない、というわけではないですよ? 誘ってほしい、承認欲求を満たしてほしい、と思っている女性はそういうルートでキラキラする仕組みになっている、という話。

普段いる場所とは違うところに行ってみる

さて、この件に関してまず一番の問題は、「男性から告白してきて当たり前」「プロポーズしてきて当たり前」と考えている人としか相談者さんが合コンしていないからですよ。もしくは、私の周囲の友人たちのような肉食系女子を女性認定していなくて、無意識に"違う生き物"だと思って通りすがりにも「見えていない」のではないでしょうか?

積極的にリードしてくれる人を求めてるなら、普段いる場所とは違うところに行ってみないと。そういう女性は、合コンとか女子会にはいなくて、赤羽や新橋の飲み屋でおっさんに混じって飲んでいるかもしれない。青山で開催される合コンにだけ行っていたらダメ。伊豆の海岸にシャチは来ないじゃない? シャチに会える海に行かないと。

夢見る夢男くんになってない?

そもそも、そういう積極的な女性、好きですか? 「男のほうが誘うべき」と言っているゆるふわ女子に対して積極性を求めているなら、それはダブルスタンダードっちゅうものです。女性で言えば、「年収5,000万円以上なのに、家事も育児も全部やってくれる人がいい。」と言っているようなもの。逆に、相談者さんが「年収5,000万円以上の、家事も育児も全部やってくれる人」だったら、たとえ相手がゆるふわ女子だったとしても、自分から来るでしょう。だって、結婚したい女性たちに取ってはとんでもなく優良物件だから。

だから、「女性から積極的に誘ってくれるにはどういう男になればいいか」という質問に答えるとしたら、「年収5,000万円以上の、家事も育児も全部やってくれる男になればいい。イケメンなら尚可」ということになります。

極端な例を出しましたが、女性で、いつまでたっても白馬の王子様が迎えに来てくれると思っているような夢見る夢子ちゃんがいるけど、それと同じで、夢見る夢男くんになっている可能性があるわけです。きっかけは男からでも女からでもどっちでもいいのです。素敵な人は競争率が高いのだから、ぐずぐず理屈こねてると他の人に取られてしまいますよ。

川崎貴子(かわさき・たかこ)
人材コンサルティング会社 ジョヤンテ代表取締役。女性誌での連載、執筆多数。主に恋愛論を書いているブログ「酒と泪と女と女」が話題となり、『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる』(ベストセラーズ)として2015年3月に書籍化された。20代のときにベンチャー経営者同士で結婚するも離婚し、2008年に8歳年下のダンサーと再婚した。2人の娘がいる。自身の離婚、再婚、子育て経験を通した説得力のあるアドバイスに、ファンも多い。