近年、日本で在宅勤務を導入する企業が増え、働き方も様々になってきている。インターネット関連のサービスを提供するニフティでも、2011年より育児・介護での希望者を対象に、在宅勤務制度を導入しているという。そこで、利用社員は、実際にどのような働き方をしているのか、WEBサービス事業部 事業部長の後藤信彦氏にお話を伺ってきた。

WEBサービス事業部 事業部長の後藤信彦氏

ニフティの在宅勤務制度とは

――在宅勤務の始まりは、育児需要から始まったのでしょうか

育児に限定せず、介護も含めた多様な事情を持つ社員の「仕事と家庭の両立支援」と「やりがい支援」を目的に制度を開始しました。育児の場合は、小学校6年生までの子供を持っている社員。介護は、常時介護をする必要のある社員が対象です。原則、在宅勤務は週3日以内としています。

――後藤さんの周りでも在宅勤務をしている方もいらっしゃいますか

私が所属するWEBサービス事業部では、約100名のうち5名が在宅勤務をしています。このほか、時短勤務制度を活用するメンバーとして女性5名、男性1名がいます。

――在宅勤務の導入にあたって、整えられている環境というのは?

基本的には自宅でも作業できるようなインフラを整えています。我々はインターネットのサービスを提供している会社ですので、普段からクラウドを活用した仕事を行っているということもあり、上手く活用できていると思います。

実際に在宅勤務で働くニフティ社員の姿とは

――社員の方は、自宅ではどのような作業をされるんですか?

メンバーによっても異なります。サイトの更新だったり、プロモーション担当だったり、様々な職務を在宅で行っています。1週間の在宅日数は平均2日で、残りの3日は会社に来ている形です。例えば、会社に来た時はミーティングを詰めて、まとめて作業した方が良いものは家で行うなど、上手くコントロールしてやってもらっています。

――ミーティングの予定を合わせるのは大変ではないですか?

課題となっている点です。ただ当社の場合、在宅勤務の曜日を固定しているので、周りの人も合わせやすいようになっています。会社に来る曜日は売れっ子みたいになってます(笑)。

――曜日固定以外に、在宅勤務の他の決まりって何かあるのでしょうか

週報の提出と、始業と終業時刻の連絡を所属長へ入れることです。また、『明日在宅勤務に変更』というように、急な日にちの振り替えは出来ないですね。希望によって曜日を増やす、逆に育児が落ち着いてきたから減らすなど、その都度話し合った上で調整しています。

――実際に在宅勤務をしている方の仕事の仕方はどのようなものなのでしょうか。ずっとパソコンに向かっているような……? 

そうですね。作業と向き合ってやってくれていると思います。コミュニケーションが必要な業務は会社に来た時にしてもらっているので、自宅にいても連絡を取りながら行っています。普段からチームでメールやチャットを使いながら仕事するケースが多いので、あまり変化なく業務できるかと思います。

――週報や始業時刻の把握によってコントロールできているのでしょうか

あとは、業務のアウトプットや日々の連絡のやり取りもキチっと見ていますので、そこで何か問題ありそうでしたらフォローして、課題があるようだったら解決する、という感じです。