情報の世界をのぞいてみよう!

日々変化していく情報をいち早く日本全国に届ける新聞、新しい商品やイベントを視覚的に表現する広告、そして今や多彩な情報の収集や拡散の中心的存在であるインターネット。情報は現代社会のキーとも言えるものだろう。今回はそんな、情報の世界を垣間見れる都内の見学スポット4選を紹介しよう。

世界最多の発行部数を誇る新聞社

まず紹介するのは「読売新聞東京本社」(千代田区)。明治7年(1874)創刊、日本はもちろん世界でも最多の発行部数を誇る新聞社の本社は一般も見学ができる。ここでは、会社案内のビデオ放映や新聞社の歴史を辿る「ニュースラボ」、実際に仕事が行われている編集局の見学を楽しめる。また、新聞記者の仕事を模擬体験できる様々なコンテンツも試してみたい。

その中のひとつ「模擬取材体験」は、用意されたタブレット端末を使用して模型の街で取材を行い、記事の材料を集めていくというもの。架空の街ということで"子供の遊び"とあなどってはいけない。意外とハマってしまう大人も多いらしく、大人向けの社会科見学ツアーに組み込まれていることもあるそうだ。体験はひとりでもグループでも参加できる。

見学は無料。月~金曜日のみ開催で、事前予約が必要なためウェブサイトか電話で申し込もう。最寄り駅は東京メトロ各線「大手町駅」。C3出口より直結している。

新聞を刷り上げる瞬間を見学

同じく読売新聞の印刷工場「読売プリントメディア」は編集局とは違った面白みのある見学場所だ。工場は府中工場(府中市)、東京北工場(北区)、そして東京のお隣・神奈川の横浜工場(神奈川県横浜市)の3カ所。いずれも新聞の夕刊を印刷する様子を見学できる。

大型の輪転機で新聞が刷られていく様子はまさに圧巻! すさまじいごう音で話し声が聞こえなくなるほどだ。ちなみにここで働く人は耳栓をしているらしい。見学や記念撮影ができるほか、後日「見学記念新聞」がプレゼントされる。自分のための新聞なんて、ちょっと特別な気分になるのではないだろうか。

見学は無料で、2人以上での申し込みが必要。こちらも月~金曜日のみ開催となっている。アクセスはそれぞれウェブサイトの案内を参照のこと。

新聞社見学+散策も楽しめる

もうひとつ訪れてみたい新聞社が「朝日新聞東京本社」(中央区)。日本の大手新聞社5社のうち4社の本社が千代田区にある中、築地市場にほど近い中央区築地5丁目に本社を構えている。ここには社内に新聞製作に必要な全てがそろっているため、一通りの新聞社の仕事を見学できるのがいいところ。ツアーではビデオでの解説後に報道・編成局を巡り、印刷工場、自動こん包や搬送の装置までの一連を見学できる。

また、本館2階の「読者ホール」にある「朝日新聞デジタル体験コーナー」では、設置されたiPadやパソコンで朝日新聞デジタルの機能を実感できる。見学後に立ち寄ってみてもいいだろう。

見学は無料で、2人以上から電話での予約制。月~金曜日のみ開催している。アクセスは都営大江戸線「築地市場駅」A2出口すぐとなっている。本社は築地という観光に最適な立地。築地市場で新鮮な魚料理を味わうほか、浜離宮恩賜庭園や銀座の散策も楽しめる。朝日新聞社の見学は英語での案内も可能なため、外国からの友人を案内がてら訪れてみるのもひとつの手だ。

江戸時代の新聞「かわら版」も見られる

制作現場の見学ではないが、広告とマーケティングの資料館「アド・ミュージアム東京」(港区)も見逃せない。ここには「広告を、広告で終わらせてはもったいない」のコンセプトから、江戸時代から現代までの広告資料が約20万点展示されているほか、広告コンクール受賞作品の展示などの企画展も行われている。

江戸時代の新聞である「かわら版」や商品の広告を巧みに織り込んだすごろくなど、貴重なコレクションも豊富だ。広告の世界を深く知ってみたい場合は館内の「広告図書館」を利用しよう。広告やマーケティングの和書、洋書、雑誌が約1万5,000冊そろっている。

入場は無料。アクセスは各線「汐留駅」「新橋駅」より徒歩1~5分となっている。朝日新聞東京本社からすぐのスタイリッシュなビル「カレッタ汐留」内にあるため、見学ついでに足を伸ばしてみてもいいだろう。


「情報の社会見学」というと「専門的でなんだか難しいもの」とイメージしてしまうかもしれないが、実施している側ももっと興味をもってもらうために誰でも分かりやすい内容で展開している。日本を取り巻く情報が形作られていく制作の現場をぜひここで体験してみては?

※写真はイメージで本文とは関係ありません

筆者プロフィール: 木口 マリ

執筆、編集、翻訳も手がけるフォトグラファー。旅に出る度になぜかいろいろな国の友人が増え、街を歩けばお年寄りが寄ってくる体質を持つ。現在は旅・街・いきものを中心として活動。自身のがん治療体験を時にマジメに、時にユーモラスに綴ったブログ「ハッピーな療養生活のススメ」も絶賛公開中。