日本のワインをたっぷり味わう

世界からも注目を浴びつつある日本のワイン。東京からほど近い山梨県には約80社ものワイナリーがあるという。まさに日本一のワインの地だ。加えて、少数ながら長野県や埼玉県にもワイナリーはある。しかもその多くは試飲付きのツアーやセミナーなどを開催しているのだ。こんなに身近でワインを楽しめるのならば、行ってみない手はないだろう。

広大なぶどう畑と歴史あるワインセラー

雄大な自然と歴史の中でワインを楽しむなら「サントリー登美の丘ワイナリー」(山梨県甲斐市)はいかがだろう。重厚感あふれる石造りのワインセラーの内部や広大なぶどう畑の見学にワインの試飲が付いた「登美の丘ツアー」や「5種テイスティングセミナー」など様々なプランがあり、好みの楽しみ方ができる。すべて有料で、前日までの完全予約制となっている。

アクセスはJR東日本中央本線「竜王駅」もしくはJR東日本中央本線・身延線「甲府駅」よりバスやタクシーで15~30分ほど。東京から行く場合、JR東日本「新宿駅」から甲府駅まで特急で1時間30分程度となる。

40種類もの試飲ができる

好みのワインを探してみたいなら、山梨県で最大級の製造規模を誇る「マンズワイン勝沼ワイナリー」(山梨県甲州市)を訪れよう。ここでは40種類以上のワインと果汁の試飲ができる。しかもワイナリー見学、試飲とも無料なのがうれしい。ただし、世界的なコンクールで数々の賞を受賞しているプレミアムワイン「ソラリスシリーズ」のみ有料とのこと。

ガイド付きの見学は当日受付なので、気軽に訪れたい。併設のバーベキューハウスでは、ワイナリーだからこそ飲める生ワインも用意している。アクセスはJR東日本中央本線「塩山駅」よりタクシーで5分ほど。東京から行く場合、JR東日本「新宿駅」から塩山駅まで特急で1時間25分程度となる。

日本庭園でのんびり

同じくマンズワインの長野県にあるワイナリーが「マンズワイン小諸ワイナリー」(長野県小諸市)だ。ここではソラリスシリーズなどの高級ワインの生産を行っている。こちらも見学、試飲とも無料だが、同様にソラリスシリーズは有料となっている。ぶどう畑のほか、園内に造られた約3,000坪の日本庭園を散策できる。ゆったりとした時間を過ごしてみたい。

アクセスは、しなの鉄道「小諸駅」よりタクシーで10分ほど。東京から行く場合、JR東日本「東京駅」から小諸駅まで新幹線などで1時間50分程度となる。

ぶどう踏み体験やラベル作りも

ワインに関わる様々な体験ができる「ロリアンワイン」(山梨県甲州市)は遊べるワイナリーだ。見学やテイスティングはもちろん、「生ワインのボトル詰め・オリジナルラベル作り」や「ぶどう踏み体験」(8月~10月)など、ほかのワイナリーではあまり見られない体験プランがある。有料と無料なもの、予約が必要なものなどがあるのでウェブサイトをチェックしよう。

国産ワインコンクールに入賞した「勝沼甲州」はコミック「美味しんぼ」や「神の雫」にも掲載されたという逸品。ここは遊べるだけではない本格ワイナリーなのだ。アクセスはJR東日本中央本線「山梨市駅」よりタクシーで10分ほど。東京から行く場合、JR東日本「新宿駅」から山梨市駅まで特急で1時間30分程度となる。

宮内庁御用達ワインを味わう

創業大正6年(1917)、歴史と風格の漂うワイナリーが「サドヤ」(山梨県甲府市)。明治42年(1909)より洋酒販売を開始し、その後生産に着手。昭和15年(1940)より宮内庁御用達となった老舗だ。

約700坪の敷地に広がる醸造場や地下のワインセラーを見学でき、もちろん試飲も楽しめる。料金は300円とリーズナブルなのもうれしい。見学の後は併設したレストランでフランス料理とともにワインを堪能したい。近隣のホテル「古名屋」での宿泊とワイナリー見学がセットになったプランもあるとのこと。ワイン三昧の一泊旅行をしてみてもいいだろう。

場所はJR東日本中央本線・身延線「甲府駅」より徒歩5分と、好アクセスだ。東京から行く場合、JR東日本「新宿駅」から甲府駅まで特急で1時間30分程度となる。

埼玉のアットホームなワイナリー

「源作印」で知られる埼玉・秩父を代表するワインを生産しているのが「秩父ワイン」(埼玉県秩父郡)。かつて使っていたであろう大きな樽が目印だ。見学、試飲ともに無料。週末等、休業の場合があるため、見学の際は問い合わせよう。

アクセスは西武鉄道線「西武秩父駅」よりバス、もしくはタクシーで10分ほど。東京から行く場合、JR東日本「池袋駅」から西武秩父駅まで特急で1時間20分程度となる。

1日9人限定、本格派ワイナリーツアー

深くワインを知ってみたいという場合には「明野・ミサワワイナリー」(山梨県北杜市)はいかがだろう。1日1回、定員9人までの「プレミアムワイナリーツアー」は120分4,000円と少々高めながら、広大な農場や醸造場の見学に、本格的なワインテイスティングセミナーがセットされている。テイスティングでは、トップキュヴェ「キュヴェ三澤」を含めた6種類を味わうことができる。3営業日前までに予約が必要なので早めに申し込もう。

アクセスはJR東日本中央本線「韮崎駅」よりバスで18分程度。東京から行く場合、JR東日本「新宿駅」から韮崎駅まで特急で1時間40分程度となる。

ワイナリーはたくさんあるが、それぞれに特徴があるため、好みに合ったものを選びたい。特に山梨県勝沼周辺にはぶどう畑や醸造場が集中している。時間が許すならワイナリー巡りをしてみるのもいいだろう。このあたりには温泉やフルーツ園など遊びどころも満載。週末を使ったプチ・ワイン旅行も楽しそうだ。

※写真はイメージで本文とは関係ありません

筆者プロフィール: 木口 マリ

執筆、編集、翻訳も手がけるフォトグラファー。旅に出る度になぜかいろいろな国の友人が増え、街を歩けばお年寄りが寄ってくる体質を持つ。現在は旅・街・いきものを中心として活動。自身のがん治療体験を時にマジメに、時にユーモラスに綴ったブログ「ハッピーな療養生活のススメ」も絶賛公開中。