2015年夏モデルの登場に合わせ、NECパーソナルコンピュータが、同社のプロダクトブランドである「LAVIE」のロゴデザインを一新した。ダブルトライアングルと呼ぶロゴマークとともに、大文字でLAVIEと描かれた、洗練されたデザインが特徴だ。
同社では2014年3月から、現・留目真伸社長(当時は取締役執行役員常務)の号令のもと、社内プロジェクトチームを発足し、ブランド戦略の見直しに着手。2015年1月には、ノートPC「LaVie」と、デスクトップPC「VALUESTAR」のブランド名を「LaVie」に一本化。この5月には、アルファベットを大文字にした「LAVIE」へとロゴザインを変更。ロゴマークも新たに制定した。
NECパーソナルコンピュータは、どんな狙いからブランド戦略を見直したのか。
第1号のLaVie製品からちょうど20年
NECパーソナルコンピュータが、LaVieブランドの第1号製品を投入したのが1995年。今年は、それからちょうど20年目の節目を迎えている。
その節目において、NECパーソナルコンピュータのPCブランドをどう育てていくか、そして、今後、PC事業の軸足をどう置くのか、そのブランドが将来に渡って、どんな価値をもたらすのかといったことを検討するためにプロジェクトチームを発足したのが、昨年3月のことだった。
NECパーソナルコンピュータ商品企画本部コンシューマグループ・森部浩至マネージャーは、「市場調査や社内へのヒアリングなどを通じて、ブランドの問題点などを浮き彫りにする一方、今後の事業の方向性とをすりあわせ、将来に向けたブランド戦略を検討した。安心、簡単、快適という基本コンセプトとともに、プラスαの価値を提供すること、ハードウェアだけでなく、ソフトウェア、サービスを三位一体で提供するブランドへと進化させて行くことを狙った」と語る。
同時に、NECパーソナルコンピュータのプロダクトブランドとして、多くの人に受け入れられるもの、ひとめ見ただけで、これがNECパーソナルコンピュータの製品であることがわかるロゴデザインの変更も視野に入れた。
このプロジェクトチームのゴールは2つあった。ひとつは、ブランドの統一だ。ここでは新たなブランドを制定する案も議論されたが、最終的には、LaVieへのブランド統一を図った。
LaVieは、フランス語で「生活」を意味する。1995年のLaVieブランドのスタート時に込めた狙いは、「生活の中に浸透するPCを目指す」ということだった。
実は、新たなブランドを検討するプロジェクトチームとは別に、新たなブランドメッセージを検討するチームが発足。そこで、「Digital Dramatic Days」という言葉を掲げ、新たな時代のデジタルライフソリューションを提供する企業への変革を打ち出そうとしていた。そのブランドメッセージの方向性と、同じ方向感だったのが、20年前にLaVieが打ち出したコンセプトだったというわけだ。そこに、ブランドを、LaVieに統一した狙いがあった。