一人暮らしの筆者はレトルトカレーによくお世話になる。1週間に何回も食べるため、近所のスーパーやコンビニで売られているものは大概食べ尽くしてしまっている。これはもはや、独身男子あるあると言っても過言ではない。

どこかにおいいレトルトカレーはないものか……。そんな苦悩を抱えた筆者は、日本一多種類のレトルトカレーが食べられる店の情報を入手! マンネリ化した食生活に潤いを与えるべく、早速実食に向かったぞ!!

もはや本格レストランレベル!?

東武伊勢崎線竹ノ塚駅から徒歩15分ほどの場所にあるレトルトカレー専門店「カレーランド」。お邪魔してみると、店内にはカラーボックスがロッカーのようにズラーッと並んでおり、その1マスに1種類、レトルトカレーが並んでいるぞ。種類豊富で壮観だ。

東武伊勢崎線竹ノ塚駅から徒歩15分ほどの場所にあるレトルトカレー専門店「カレーランド」。営業時間11時~19時。火曜、水曜日定休

総座席数10席。イートインの場合、カレーの価格に加え200円払えばご飯とサラダが付く

店長の猪俣吉章さんが満面の笑みでこう語る。「初めていらっしゃったお客様は、やはりこの種類の多さに驚かれますね。2013年の開店時と比べると種類は減ってしまいましたが、今でも600種以上のご当地レトルトカレーがあるんですよ」。

600種類以上!? 日本一とは聞いていたが、これほどとは……。早速だが、「店長! 近所のスーパーのレトルトカレーを食べ尽くしてしまったので、店長オススメのカレーを3種類教えていただけませんか! 」。

「かしこまりました。それでは当店で人気のカレーをご紹介していきましょう」。

まずは一番人気からいただきます。お、これは旨い! 辛さもちょうど良く非常にマイルドだ。この味、体に染みるー。

オリジナル商品「カレーランドのカレーですよ」(カレー代680円+ライス&サラダ代200円)

角切りの牛肉はホロホロで、コクの深い上品な味わい。レストランの本格カレーと言われたら、信じてしまう人もいるのでは……というクオリティー

こちらは「カレーランドのカレーですよ」(カレー代680円+ライス&サラダ代200円)。北海道平取産黒毛和牛の角切りと挽肉を使い、クリームチーズも混ぜているとか。「このカレーを食べておいしくないと言ったお客様は過去に一人もいませんよ!」と猪俣店長。

続いて変わり種ということで、おぉ、ピ、ピンクだ……。色から察するに甘口のカレーだろう。少し怖いが、では早速一口いただくと、クリーミーさが印象的で、薬膳のような香がする。そして、見た目に反して結構辛い! こちらは「ピンク華麗」(カレー代880円+ライス&サラダ代200円)という名前だ。

ピンク華麗(カレー代880円+ライス&サラダ代200円)。ここまで綺麗なピンクの料理は未だかつて食べたことがない

イチゴ味!? サクランボ味!? 見た目だけでは全く味の予想がつかないが……

「『ピンク華麗』には鳥取県産ビーツのペーストが混ぜてあるので、このような色になっています。甘いと思って食べられる方が多いんですが、実際は全く甘くありません(笑)。むしろ辛いものが苦手な方だと結構キツイぐらいかもしれませんね」。

最後は"激辛すぎる"との噂を呼んでいるこちら! 店長曰く「これまで100人以上挑戦しましたが、完食できた方はたったの2人」だそうだが……見た目は普通だ。

先ほどの「ピンク華麗」に比べると、さほどインパクトはない。確かにスパイスの匂いがキツイ気もするが……パクリ。やっぱり普通…………な訳がなかった!!

辛い! 辛い辛い!! いや、痛い! イタタタタタ!! 口の中、痛い!! 唾液が、涙が止まらない! 舌がだんだんと痺れてきた! その名も「18禁カレー"痛い"」(カレー代1,620円+ライス&サラダ代200円)。

「18禁カレー"痛い"」(カレー代1,620円+ライス&サラダ代200円)。同シリーズはこの他に"痛辛""超痛辛"がある。見た感じではチキンがゴロゴロ入っていてとてもおいしそうなのに(笑)

ブット・ジョロキアは一見トマトの皮のようなので一口で食べてしまう人もいるらしいが、非常に危険なので注意すべし

「『18禁カレー』にはハバネロの約10倍辛いと言われているブット・ジョロキアが2本入っています。見た目は普通のチキンカレーですが、食べてみるととんでもなく辛い。この辛さは一度食べてみないとわからないでしょうね。あ、水足しますね(笑)」。す、すみません。辛いものは得意だと思っていたのだが、これはもう規格外だ。

店長は800種類以上を網羅!

移動販売用のワンボックスカーと店長の猪俣吉章さん。移動販売は定期的に行っているそうなので、詳しく知りたい方は店長のブログをチェックされたし!

今回食べたレトルトカレーはどれもレトルトとは思えないほどの完成度だった。レトルトカレーにはレトルト独特の味があると思っていたんですが、その認識は変えたほうがよさそうだ。「そう言っていただけると嬉しいです。ちなみに、販売するレトルトカレーは、全て一度自分で食べてみてから仕入れるようにしています。その商品がどういう味で、どういう食材を使って作られているのかを知っていれば、お客様にきちんと説明できるので安心して買っていただけますからね」。

ちなみに、猪俣店長がカレーランドを始めるきっかけになったのは島根県のご当地レトルトカレー「奥出雲和牛カレー」(648円)。このカレーを初めて食べたとき、「今まで食べていたレトルトカレーはなんだったのか」とショックを受けるほど美味だったそうだ。

カレーランド創業のきっかけになった島根県のご当地レトルトカレー「奥出雲和牛カレー」(648円)

いろいろお話を伺い、わたくし、涙が止まりません!(18禁カレーの名残)。今回食べたレトルトカレーはどれもレトルトとは思えないほどの完成度だった。お店に足を運べないという方は、カレーランドのWebサイトをチェックしてみてください!

(文・A4studio日下部貴士)