少しずつ夏の雰囲気が漂ってきましたね。今のうちにお住まいの周りを見直しておくと、夏本番になった時に、快適に過ごせるのをご存知ですか? そんなテクをご紹介させていただきます。

植物を育てる時間もスペースがなくでても大丈夫

グリーンカーテンで節電できる! というのは知っていても、実際に導入しようと思うと、揃えるものが多く、二の足を踏んでしまう方も多いことでしょう。また、どうあがいても、グリーンカーテンが作れない窓もありますよね。でも、グリーンカーテンでなくとも、同様に節電に使えるグッズ、あるんです!

昔ながらの涼グッズに注目!

グリーンカーテンがメジャーになる前の、夏の節電アイテムと言えば、「すだれ」でした。どこかで一度は目にしたことがあると思いますが、あのすだれ、実はかなり優れもの。その良さが、東日本大震災後の節電時流に乗って見直されたため、最近では100円均一などでも、季節になると特設コーナーで売られるくらい、お手軽なアイテムになりました。

細く切った竹を糸で編み連ねたもので、これを軒に吊るしかけ、日よけと目隠しとして使います。しかも、使わない時はくるくると巻きあげることもできます。ロールスクリーンやブラインドの親戚ですね。でも、ロールスクリーンやブラインドと大きく違うのが、すだれは軒、つまり窓の外に吊るすものであるということです。

窓の外に吊るすことで、太陽光から発する熱エネルギーを室内に入れず、室温の上昇を防ぐというグリーンカーテンの役目と同じ働きをするのです。室温があがるのを防ぐ、すなわち冷房効率を上げる、つまり、節電になります。最近では、ナチュラルな竹ひごの製品以外にも、遮光率やUVカット率を謳ったものなどもありますので、すだれのよさは分かるけれど、自分の家にはそぐわない! と思っていた方も、今夏は導入を考えてみてはいかがでしょうか?

売り場では古来のナチュラルなものが主流ですが、中には白や黒、遮光率85%、UVカット755といった商品も

すだれ以上の効果! よしずを使うには

すだれと並び、古来より夏の暑さ対策に使用されてきたのが、よしずになります。すだれと比較すると、聞きなじみのない単語かもしれませんが、葦の茎を糸などで編み連ねたもので、すだれの大型版のようなものになります。これを軒に立てかけ、日よけと目隠しとして使うため、立てすだれとも呼ばれます。

すだれ同様に、日光を遮ることで、室内を涼しく保つ効果があるのですが、その効果は、実はすだれ以上。軒とよしずの間には、すだれと窓の間よりも空間ができるため、空気の層が厚くなり、断熱効果はより高くなります。また、その空間は通気性がよいため、常に風が通り、熱がこもりにくいのです。さらに、立てかけたよしずに打ち水をすると、よしずを通って室内に入ってくる風が2℃下がるともいわれています。立てかけるのに若干スペースが必要になりますが、スペースがあるのならば、すだれを吊るすよりも、よしずを立てかけた方が涼しく過ごせます。

よしずは丸めて売られています

立てかけるところの高さ以上の長さが必要なので、予め計測してから購入しましょう。よしずのサイズは尺で表記されています。6尺が180cm、8尺が240cmになります(1尺は30cm)。130cmの奥行があるテラスの、高さ190cm、幅90cmのサッシ2枚(180cm)をよしずでカバーしたい時を例にあげます。この場合よしずを斜辺とする、底辺130、高さ190+α(サッシにかからないように、よしずの上端を立てかけるため、10cmくらいは必要)の直角三角形の斜辺の長さがあるよしずが必要となります。なので、この場合、8尺以上の長さで、幅は6尺以上のよしずを選ぶことになります。

スペースがあるのなら、よしずが断然おすすめ

進化系断熱、洋風遮光アイテムも

すだれ、よしずは自宅の雰囲気にあわない、でも節電したいという方、こんなアイテムもあります。

洋風たてす

サンシェード、スクリーンなどとも呼ばれるもので、布などでできています。よしずのように使います。

オーニング

洋風たてすと似ていますが、こちらは、ひさしのように使い、日よけ・雨よけするものになります。カフェのテラス席などによく使用されています。

断熱シート、テープ

空気の層があるシートや、熱伝導率の低い素材を使用したテープなどを窓ガラスやサッシの枠に貼りつけて、外の熱がダイレクトに室内に入り込まないようにするものになります。熱だけではなく、冷気も遮断できるため、冬の冷気対策にもなります。

窓ガラス用断熱シート。このように間に空気の層があり、これによって断熱効果があります

外からの目隠し効果もあります

サッシ枠用の断熱テープ。見た目も可愛いものがあります

断熱効果スプレー

窓ガラスに吹きかけ、伸ばすことで、窓ガラスの表面に断熱効果のある膜を作り、熱を室内へ取り込ませないようにするスプレー。窓の透明性を保ったまま断熱することが可能。こちらも夏の暑さだけでなく、冬の冷気対策に使えます。

窓からの熱を遮れば、エアコン効率があがり、節電できます。是非夏になる前に対策を済ませ、快適に、しかも節電しながら夏を過ごしましょう!


株式会社回遊舎

"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」「J-REIT金メダル投資術」(株式会社秀和システム 著者酒井富士子)、「NISA120%活用術」(日本経済出版社)、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」(株式会社ダイヤモンド社)、「子育てで破産しないためのお金の本」(株式会社廣済堂出版)など。