3.目的別Macの選び方その2 デスクトップMacを選ぶ

前回はモバイルで使うのに最適な軽量ノートMacを紹介した。今回は自宅や社内で利用するのに適したMacを紹介しよう。MacBookシリーズで「Pro」の名前を冠する機種と、デスクトップ専用機だ。これらのモデルは屋内で利用するのに適しており、処理能力も高いのがポイント。iPhoneの母艦として使う場合もHDDの容量が大きく便利だ。

持ち出せるデスクトップノート - MacBook Pro

MacBook Proはモバイル性能よりも処理能力にこだわったMacノートで、13インチと15インチのRetinaディスプレイ搭載モデルがある。重さは13インチが1.58kg、15インチが2.02kgと少し重いが、15インチについてはMacBookやMacBook Airにはない広いディスプレイで作業できる。

MacBook Proシリーズは2機種。若干重くはあるが、13インチ、15インチのRetinaディスプレイは綺麗で作業がしやすい

処理能力も2.7GHzのデュアルコア Intel Core i5から2.5GHzのクアッドコア Intel Core i7とデスクトップ専用機に負けない速度を持つ。バッテリーも最大30日のスタンバイ時間と十分な容量があり、実際にはモバイルでも十分に利用可能。またポート類がしっかり揃っており、USB 3.0×2、Thunderbolt 2×2、HDMIポート×1、SDXCカードスロットも標準装備と何でも繋がる。

MacBook Airよりもさらにポート類が充実。外付けで繋ぎたいものはすべて繋げる機種と言える

MacBook Proは重ささえ気にしなければ、どこでも持って行けるデスクトップノートとして非常に効率的だ。デスクトップと同じように使うということは、自宅や会社で行っている環境をそのまま持ち出せるということだ。モバイル環境にデータを移し忘れて客先で作業ができなかったという経験があれば、デスクトップ環境がそのまま持ち出せることの便利さが分かるだろう。すべてが1台で済ませられれば経済的でもある。

実際、筆者の知人にはMacBook Proを20インチ以上の外付けディスプレイに接続して、そのままデスクトップ環境として使っている人が多い。またMacBookシリーズには外付けディスプレイに繋ぎ、キーボードとマウスまたはトラックパッドを繋いだ状態ならMacBookを閉じても外付けディスプレイ側でそのまま使える「クラムシェルモード」がある。MacBookを開かず立てたままで接続して、広いディスプレイで利用できるのはとても便利だ。基本は屋内で、ときどき持ち出して使うという使用法なら、この機種を選ぼう。

「クラムシェルモード」の利用例。外付けキーボードとマウスが繋がっているので、MacBookが閉じていても大画面モニタで利用可能だ

デスクトップMacならこれ - iMac

Macを外に持ち出さないというなら、もうiMac一択だ。21.5インチ、27インチの広い画面。高い処理能力を誇り、RAMも32GBまで搭載可能。フラッシュストレージのパフォーマンスとハードディスクの容量を組み合わせたフュージョンドライブが利用でき、その割に低価格。一番上のモデルは27インチで5K Retinaディスプレイ搭載と非常に高画質だ。普通のiMacで126,8000円から、5k Retinaで238,800円(どちらも税別)から手に入るのだから、Macは本当に安くなったと言える。

広い画面、高い処理能力、そしてデザイン。デスクトップとしては究極のマシンだ

iMacは仕事にも趣味にもよいマシンだ。写真やビデオ編集を仕事にしているなら5K iMacの美しい画面は実に魅力的。処理能力も十分だ。もちろん仕事だけでなく、フルHDの映画を見るのも楽しい。

筆者はiMac Retina 5Kディスプレイモデルのユーザーだが、原稿を書いたりデータベース作業をしていて不満を感じたことはない(あえて挙げるとすれば画面が広すぎること)。趣味の写真の現像作業はとても楽しくなった。今までの写真の現像をやり直したりしたほど、5Kディスプレイの表現力は高い。

筆者の環境はiMac Retina 5Kディスプレイモデルに24インチのサブディスプレイと実に贅沢。iMac Retinaは写真をやっている人なら必ず欲しくなる非常に美しいディスプレイがポイントだ

入門機種として購入するなら21.5インチのiMacは低価格で、ノートよりも広い画面はなにより使いやすい。ただし一番下のモデルは処理能力、RAMなどが極端に低いので積極的に選ぶ理由はないだろう。

Mac ProとMac mini

Macには他に、完全なプロユースのMac Proと、コンパクトな入門機 Mac miniがある。

Mac Proは「仕事用Mac」と言い切って差し支えないだろう。スペックも価格もその他のMacと一線を画す存在で、CPUにワークステーションなどが使用するXeonを搭載し、RAMも上限64GBになる。内部にインターフェース類がなく、すべてThunderbolt 2やUSB 3.0を使った外部機器による拡張になるため、周辺機器も専用に揃える必要がある。映像関連、音楽系の仕事をしている人が購入するマシンだ。

ワークステーション並の高性能がとても小さな黒い円筒に納まっている。あまりにコンパクト過ぎて内部に拡張用のインターフェースはなく、背面の外部接続ポートを利用して必要な機能を補う

一方、Mac miniは小さな箱だけの、マウスもキーボードも付かないコンパクトMacだ。性能的にはMacBookの「中身だけ」と考えて良いだろう。本体だけの価格はある程度安いが、ディスプレイ、キーボード、マウスを別途購入する必要があり、結果的にはiMacよりも高くなってしまう。すでにWindowsを使っている人がセカンドマシンとして使ったり、Macユーザーがホームサーバとして利用することが多い。1台目として買うならiMacの方が良いだろう。

とにかくコンパクトなMac mini。HDMI端子があるのでリビングのテレビに接続し、メディアサーバーとして使うなどの用途にもいいかもしれない

さてこれで自分の買うべき機種はほぼイメージできただろうか。次回は「では、どこで買えばいいの?」という点を解説しよう。