博報堂は5月15日、新しい「発想」が生まれるカフェ「HASSO CAFFE with PRONTO(ハッソウカフェ ウィズ プロント)」を同日開業の複合ビル「テラススクエア」(東京都千代田区)内にオープンする。同社が全国で初めてプロントコーポレーションとコラボレーションしたカフェ。その仕掛けを、一足先に体験してきた。

「HASSO CAFFE with PRONTO」

博報堂ならではの新しくて、面白いカフェ

博報堂執行役員で博報堂生活者アカデミー主宰の嶋本達嗣氏

テラススクエアの一部は、1930年に完工した博報堂の旧本館を復元している。「開業に伴い、何か新しいこと、面白いことをやりませんかと声をかけられた。ちょうどプロントが開店することが決まっており、だったら面白い形のカフェをできないかというスタートで、このプロジェクトは始まった」と博報堂執行役員で博報堂生活者アカデミー主宰の嶋本達嗣氏は言う。

昨今のカフェが持つ多様性と、広告代理店である博報堂の資源「生活者の情報」を組み合わせた同店。来客した人と情報が出会える場を作りたい、というコンセプトだった。

テラススクエアの一部には、博報堂旧本館が復元されている

神田警察通りに面している入り口には、1930年当時の街灯がそのまま使われている

ぶらっときた人も立ち止まってしまう壁

このカフェには、文字通り発想を刺激するための三つの装置が用意されている。一つ目は、「発想の壁」。

「発想の壁」の初回展示企画は「%展」を行っていた

これは、神田警察通り側から入ると最初に目に入る大きな壁。博報堂が企画した展示が定期的に行われる。オープニング企画は「%展」。壁に大きく「10%」「50%」「66%」と書かれている。独自に用意した質問に、どのくらいの人がYESもしくはNOで答えているのかを表したものだ。ここに発想を刺激する仕掛けがあるという。

それぞれの数字がYESの数字なのかNOの数字なのかは書かれていない。答えよりも質問とその数字に注目してほしいとのことだ。数字が気になったら、問いを読んでみる。自分にまったく関係のない問いが、発想を刺激するとのこと。多くの生活者調査を行う、博報堂ならではの企画だ。

問いがタイトルになった書籍の中は白紙で、ここで得た新たな発見を書けるようになっている

入り口から出口まで一つのテーブル

二つ目の装置は、「発想の卓」と呼ばれる長い卓。入り口から出口まで一連なりとなっている。

一筆書きで書かれたような机だった「発想の卓」

その長い連なりによって、人から人へと無意識のうちに発想が連鎖していくという。卓の中央には、%展の展示がつり下げられている。

卓の中央にも、「%展」がある

中には鋭い質問も

町とのつながりを生み出す窓

三つ目は「発想の窓」。「窓から外を見ることは、発想を外へ広げる」との考えから、窓枠に書籍が展示してある。

"発想を外に広げる"「発想の窓」

窓枠には、神保町の古書店とコラボレーションして発想を刺激する書籍を展示している

窓枠においてある書籍は、神保町の古本屋のもの。発想の窓には、地域とのつながりが意識されているようだ。発想を外へ広げ、神保町や神田を歩いてみるのもいいだろう。

時計にもこんな工夫が

神田神保町の新しいスポットとして開店する、HASSO CAFFE with PRONTO。考えが煮詰まってしまったら、ぜひ足を運んでみてほしい。

営業時間は平日7時~23時、土日祝日10時~18時。ラストオーダーは閉店の30分前まで。席数はテラス席を含めて81席。提供するメニューは「カフェ&バー プロント」と同様で、「ホットコーヒー」(レギュラーサイズ/税込220円)「アイスコーヒー」(レギュラーサイズ/税込240円)など。

※記事中の情報・価格は2015年5月取材時のもの