「21世紀はどんな時代になっていると思う?」。子供の頃、友達や家族とこんな会話をした人はいないだろうか。車が空を飛び、ロボットが大活躍するなど、未来の最先端テクノロジーに思いを馳せた人も少なくないだろう。そんな未来予想図をみごとに映像化したのが、WOWOWプライムにて4月4日(土)夜11時から放送スタート(第1話無料放送)となる、海外ドラマ「エクスタント」だ。

ハリウッドのヒットメーカー、スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務め、主演はオスカー女優のハリー・ベリー。この放送を記念し、マイナビニュース会員300名を対象に「30年後のテクノロジー」に関する緊急アンケートを実施。その結果と合わせて、海外ドラマ「エクスタント」の魅力を掘り下げていこう。

魅力1:スピルバーグのライフワーク「少年」「宇宙」「近未来」

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海外ドラマ「エクスタント」の舞台は、30年後の地球。宇宙ステーション"セラフィム"での13カ月間に及ぶ単独ミッションを終え、地球に帰還した宇宙飛行士モリーは、帰還後のメディカルチェックで衝撃的な事実を知らされる。たった一人で宇宙にいたにもかかわらず、なぜか妊娠していたのだ。

一方、彼女の夫ジョンは、人間性をもつ精巧なアンドロイド"ヒューマニック"の試作品の開発に成功。資金援助をヤスモト社に依頼したところ断られてしまうが、ヤスモト本人が個人的な融資を申し出る。その背景には、ヤスモト社の巨大な陰謀が渦巻いていた---。

謎が謎を呼ぶSFミステリー製作総指揮を手掛けるのは、膨大なフィルモグラフィをもつスティーヴン・スピルバーグ

今回、マイナビニュース会員へ行ったアンケートで、「スピルバーグ作品の中で1番好きな作品は?」と質問したところ、マイケル・J・フォックス扮する主人公マーティが近未来にタイムトラベルする『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』1位(30%)だった。次いで、地球に取り残された異星人と、それをかくまう10歳の少年との心温まる交流を描いた『E.T.』2位(23.7%)となっている。

この上位2作を含め、スピルバーグはこれまで「少年」と「宇宙」、「近未来」というテーマを何度も描いており、「エクスタント」でも重要なキーワードとなっている。

そしてSF的な要素を盛り込みつつ、"人間ドラマ"へと着地させるストーリーテリングもまた、スピルバーグの真骨頂。過去作では『A.I.』『ディープ・インパクト』『宇宙戦争』などが好例だ。本作でも、モリーの妻、母としての葛藤や、ジョンが開発したアンドロイドで、息子として迎え入れたイーサンとの家族愛などのエピソードが涙腺を刺激する。

そう、「エクスタント」は、スティーヴン・スピルバーグ集大成とも言うべき作品なのだ。

魅力2:"実際に起こりうる未来"の描写に興奮必至!

スピルバーグは、自作の中で未来のテクノロジーをたくさん生み出してきたクリエイターだ。たとえば1990年に公開された『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』の舞台は2015年、つまり今年なのだが、劇中に登場した指紋認証システムやビデオ会議、ロボット掃除機、3D映画はすでに現実のものとなっている。「エクスタント」は、そんな先見性をもつスピルバーグが製作総指揮を務めるだけあって、近未来の描写に圧倒的なリアリティがある。

ドラマの舞台が30年後であることにちなみ、アンケートで「30年後にはどうなっていると思うか?」と聞いてみたところ、一番多かった回答が「紙が一切なくなり、世の中全ての電子化がすすみ、情報も全てデータ化」(38%)

昨今のスマホや電子書籍、電子マネーの普及を考えると、最も現実的だろう。次いで回答が多かったのが、「自宅にロボットのお手伝いさんがいて声をかけるだけで家事全てをやってくれる」(33.7%)。こちらもロボット掃除機ルンバの超進化版と思えば、そう遠くない未来に実現するかもしれない。

質問:30年後の世界はどうなっていると思いますか?

さらに「30年後にあったらいいなと思うアイテムは?」という質問には、前出のロボットのお手伝いさんと同じ「声で指示ができるホームクラウド」92名(30.7%)。掃除や料理、洗濯を同時に行うことも可能で、忙しい現代人にはまさに夢のようなテクノロジー!

次いで「会話できるコンピューター」74名(24.7%)。コミュニケーション不足の独身はもちろん、高齢者にもぜひ使っていただきたいアイテム。ちなみに筆者は、出先で雨に降られるたびにビニール傘が増えていくいっぽうなので、エアー傘の開発を切に願うばかり……。「エクスタント」にもアンケート内のアイテムが複数登場するのでお楽しみに。

30年後にあったらいいなと思うアイテムはなんですか?

こうしたアイテムは子供の頃の憧れでもあり、見ているだけでワクワクさせられるのだが、一方で「エクスタント」は近未来への警鐘も鳴らしている。

というのも、2045年は、科学やテクノロジーの発展により、人工知能が人間の知性を上回る年と言われている。劇中のイーサンは人間と同じ経験をすることで人間に近づくようプログラミングされたアンドロイドなのだが、時に母モリーも手に負えない異様な行動を見せる。人工知能が人類を支配したらどうなるのか?---イーサンの静かな "暴走"が、ひたひたと忍び寄る「2045年問題」の脅威を予見させる。