シャープは3月25日、お茶メーカー「ヘルシオ お茶プレッソ」の新製品を発表した。湯ざまし機能を持つ上位モデル「TE-TS56V」とスタンダードモデル「TE-GS10B」を4月24日に発売する。

2代目「ヘルシオ お茶プレッソ」の全ラインナップ。上位モデルのTE-TS56V(左の2台)、スタンダードモデルのTE-GS10B(右の2台)。カラーはそれぞれ2色展開

お茶プレッソは、お茶うすで茶葉を挽く機能と湯わかし機能、お茶を淹れる機能を備えた、いわばエスプレッソマシンのお茶版ともいえる製品だ。2014年4月に第1世代が発売され、今回の新製品が第2世代となる。

新製品であるTE-TS56VとTE-GS10Bでは、お茶うすの設計を改良した。下臼に施された溝の紋様を変え、粉末を滞留させる茶臼の"ふくみ"を再現することで、約15~20ミクロンというきめ細かい粒度の茶葉を実現した。

また、茶臼の回転軸に茶葉を引っ掛けるための突起を設けることで、スムーズに茶葉を引き込めるようにした。これにより、挽き時間は従来モデルに比べて約20%短縮。摩擦熱による茶葉への負荷を軽減するために、臼の回転速度は1分間に約100回転と従来モデルと同じ速度のままだ。

お茶うすの下臼部分の新旧比較(左が新製品、右が従来モデル)。新製品では、石臼の"ふくみ"を再現した紋様になっている。また、茶葉をスムーズに引き込めるよう、引っ掛けるための突起を設けた回転軸が採用されている

新製品(右)のお茶うすでは、茶葉の投入口を改良し、こぼれ落ちにくい構造に

湯を70℃まで冷ます"湯ざまし機能"

上位モデルのTE-TS56Vの目玉は、「湯ざまし機能」。約85℃の"温茶"と約70℃の"ぬるめ"の2パターンから選べる。ぬるめを選択した場合にも、温茶と同様、いったん水を約100℃まで沸騰させてカルキを抜く。そのあと、冷却ファンで風を当てる「空冷式」で70℃まで湯を冷ます仕組みだ。70℃まで冷ますことを考えると、お茶を淹れるのに時間がかかりそうなものだが、湯をお茶容器へ移動させながら冷やすので、温茶と同じ時間でお茶を淹れられる。

上位モデルでは、"温茶"と"ぬるめ"から選べる(写真左)。お茶容器へ移動させながら冷却風を当てて湯ざましを行う

熱湯と冷却風の通り道を示したカットモデル

TE-TS56Vはお湯を沸かすタンクの容量が560mlと従来モデルの420mlより140ml多い。560mlとは、大きい湯呑みで約4杯分、小さい湯呑みで約8杯分に相当する。湯ざまし機能を搭載したことで、本体サイズはW23.3×D22.5×H29.6cmと、従来モデルよりもひと回り大きくなったが、そのぶんをタンク容量に活かしたかたちだ。

そのほか、使い勝手に配慮してブラッシュアップを図った。TE-TS56VとスタンダードモデルのTE-GS10Bのいずれも、前面パネルと茶臼のセット箇所に帯電防止樹脂を練り込んである。従来モデルでは、静電気でお茶プレッソ本体に茶葉が付着することがあり、改善を望む声も多かった。帯電防止樹脂を採用することで、こうした茶葉や粉末茶が付着するのを軽減できる。また、茶臼やお茶容器に設けられた茶葉の投入口を大きくし、茶葉や粉末茶を入れやすくした。上位モデルのTE-TS56Vでは、湯呑みを置く台と、その下にセットするトレイを取り外して丸洗いできるようになるなど、手入れのしやすさも向上している。

上位モデル(右)はサイズがひと回り大きくなったぶん、お湯を入れるタンクも大きくなって容量がアップ

従来モデル(左)では、お茶うすの周辺に茶葉や粉末茶が飛散・付着しやすかったが、新製品(右)では帯電防止樹脂を練り込み、茶葉の付着を抑制する

新製品(左)はお茶容器の投入口も大きくなり、粉末茶を入れやすくなった

上位モデルでは、下部のトレイが取り外せるようになった。丸ごと水洗いができ、手入れしやすい

お茶文化を盛り上げていきたい

お茶プレッソで海外へ日本のお茶文化そのものを輸出したいと語る沖津氏

新製品発表会に出席した、シャープ 執行役員 健康・環境システム事業本部長の沖津雅浩氏は、2015年夏からTE-TS56Vを北米でも発売すると表明。「近年、北米でもお茶を愛飲する人が増えている。お茶プレッソとともに、日本のお茶文化そのものを輸出していきたい」と語った。ちなみに、茶道を意味する"Tea Ceremony"をもじって、北米では「Tea-Cere(ティー・セレ)」のブランド名で販売するという。

シャープ 健康・環境システム事業本部 調理システム事業部 副事業部長兼商品企画部長の田村友樹氏は、お茶プレッソの製品企画と開発を担当している。「初代お茶プレッソのユーザーにアンケート調査を行ったところ、35%の人が茶葉の購入量が以前の2倍以上になったと答えている。お茶を粉末にして丸ごと摂取するお茶プレッソでは、急須でお茶を淹れる時の1/3しか茶葉を使わない。それにもかかわらず購入量が増えているというのは、お茶を飲むだけでなく、料理などに活用してもらえているということではないか」と分析した。

北米モデルは、"Tea-Cere(ティー・セレ)"の製品名で展開

きめ細かい粉末茶を作るために、開発で苦労したと語る田村氏

また、2代目お茶プレッソの開発について、「挽いた茶葉の粒度に関しては、一般ユーザーの購入者90%から"大変満足"という回答を頂いている。しかし、専門家やお茶への造詣が深い人々からの声や助言を反映し、もう一段上のおいしさを追求した」と説明した。

湯ざまし機能は画期的

お茶博士の大森教授がゲストとして登場

発表会には、大妻女子大学名誉教授・農学博士で、同大学の「お茶大学」校長も務める、"お茶博士"の大森正司氏がゲストとして登場。「従来、捨てていたお茶殻には健康に有効な成分が多く含まれていることはさまざまな実験で立証されている。それを丸ごと摂取できるお茶プレッソは初代モデルから素晴らしい製品だったが、それをさらに進化させたのが今回の新モデルだ。特に、温度を70℃まで下げてお茶を抽出できるというのは画期的。急須の場合だとだいたい70~80℃だが、茶葉はお湯の温度によって風味や成分が変化するもの。70℃くらいのお湯で淹れるとお茶が甘くて非常に美味しくなる」と新製品に太鼓判を押した。

新製品で入れたお茶。粉末茶の粒度はさらにきめ細かくなり、抹茶に近い楽しみ方も。飲み干した後も茶葉があまり残らず、サラッとしていて飲みやすい

左の青いシールが温茶、赤いシールがぬるめで淹れたお茶。約70℃に冷ましたお湯で淹れたほうが甘みが引き立ち、まろやかな味わい。子どもや猫舌の人でも淹れたてを飲めそうな温度だ

メニューブックを同梱し、粉末茶葉を使った料理やスイーツへの活用方法も提案していく