OM-D E-M5 Mark IIはコントラスト検出方式のAFシステム「FAST AF」を搭載している。その仕組みは前モデルE-M5と同じだが、センサー駆動速度の高速化とAFアルゴリズムの改善などによって撮影タイムラグを45%短縮したという。実際に試してみると、確かに前モデル以上の快適なAF性能を実感できた。位相差AFを併用しない、コントラスト検出方式のみのAFでは最速クラスといっていい。

AF測距点の選択モードは、81点の測距点が自動で選ばれるオールターゲットのほか、81点をグループに分けて選択するグループターゲット、任意の1点を手動で選択するシングルターゲット、より小さな1点を選択するスモールターゲットが用意される。また、部分拡大して厳密にピントを合わせるスーパースポットAFや、顔優先AF、瞳優先AF、追尾AFなどにも対応する。

カスタムメニューのAF/MFでは、AF補助光や顔優先AF、AFターゲット表示のON/OFFなどが選べる

手ブレ補正については、磁力によってイメージセンサーを動かすVCM方式を搭載。一般的な2軸(X軸、Y軸)の角度ブレ補正に、マクロ撮影で生じやすいXY軸のシフトブレ補正と、長秒撮影時で目立ちやすいZ軸の回転ブレ補正を加えた5軸補正に対応する。標準ズームレンズを使った実写では、焦点距離80mm相当の場合、1/4秒の低速シャッターでもブレなしで撮影できる補正効果を確認できた。手ブレ補正の作動音はややあるが、気になるほどではない。

手ブレ補正のモードは、カメラが最適な補正を判断するオートのほか、全方向に対して補正を行うモード1、横位置での流し撮り用のモード2、縦位置での流し撮り用のモード3が用意される。

動画の手ブレ補正については、センサーシフト式5軸補正と電子補正を組み合わせたモード1と、センサーシフト式5軸補正のみのモード2が選べる。以下はモード1を選択して撮影した動画だ。

【動画 音声あり】手持ちで撮影したフルHD動画

動画関連の付加機能としては「クリップス」を新搭載した。これは1秒あるいは2秒、4秒、8秒の短い動画を複数撮影し、それらの素材をカメラ内でまとめてショートムービー作品として書き出す機能だ。出力の際にはBGMやフェード効果、アートフィルターを適用できる。

以下は、このクリップス機能で作成した動画だ。約30本の素材を撮影し、同社のサイトからダウンロードしたBGMを加えて出力した。撮影には30分ほどかかったが、編集から出力までの作業時間はわずか数分。見る人を飽きさせないムービー作品を気軽に作れる機能だ。

【動画 音声あり】クリップス機能で作成したフルHD動画