仕事と育児と家事、頑張って働いてもお給料の大半は保育料で消えるし……もうムリ! と心が折れそうな人、いませんか

産休・育休から職場復帰し、時短勤務で働く母親が増えている。しかし、6時間勤務であれば給料は今までの75%しか支給されません。保育園が認可外であれば、保育料で母親の収入のほとんどは消えてしまう。これでは何のために働いているのかわからない。そんな風に悩む人も多いことでしょう。今回は、時短勤務で働く場合の仕事と保育料のバランスについて、ファイナンシャル・プランナーの菅田芳恵さんに解説していただく。

時短勤務

時短勤務は、法的には3歳未満の子どもを育てている社員が利用できる制度で、最近よく活用されています。子どもを保育園に預けて働くので、お給料はかなりの部分が消えていきます。しかし、正社員の地位はそのまま。子どものために正社員からパートに働き方を変える人が多々いますが、正社員を続ければ賞与が支給され、社会保険にも加入し続けるので年金が増えます。さらに病気やけがで働けなくなった場合、健康保険から傷病手当金が支給されます。健康面でも安心です。

専業主婦になれば節約できる?

保育費で給与が消えてしまうなら、思い切って専業主婦になって子育てに専念するというケースも考えられます。この場合、いったん会社を辞めてご主人の扶養となります。そのために国民年金(第3号)となり、健康保険も本人ではないため傷病手当金はありません。しかし、会社によっては、ご主人に扶養手当が支給されるかもしれません。ずっと家にいるのでお化粧代や被服費等がそれほどかからないでしょう。その反対に公共料金は家にいるため高くなります。

ここで忘れがちなのが、子どもにかかる費用です。保育園であれば昼食代やおやつ代は基本保育時間内であれば別途払う必要はありませんが、自宅にいると子どもの昼食代やおやつ代が必要です。また、専業主婦の場合、子どもを習い事に通わせている方が多数で、この費用もかかります。

一番重要なことは将来を見据えること

「子どもが大きくなったら再就職しよう」と考える専業主婦は多いものです。しかし、厳しいのが現実で、ブランクがあることに加え、年齢面も問題となることが多く、なかなか正社員での採用は難しいのが現実でしょう。一時は大変かもしれませんが、時短勤務を続ければ、定年まで正社員でいることもできるのです。

子どもが小さいときは短い期間です。生涯獲得収入を考えてみると、圧倒的に時短勤務を続けて正社員でいた場合のほうが有利です。老後の年金も増えます。人生を長い目で見て、一時的な収入と支出のバランスを考えるのではなく、総合的に考えることが必要です。

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