「星空を世界遺産に」。そんなロマンチックな取り組みを街、そして国が進めている場所がある。それが、ニュージーランドの南島の中央付近に位置するレイク・テカポだ。極上の星空を求めて、星をめぐる旅に出掛けてみた。

「善き羊飼いの教会」の上に天の川が広がる(提供: Earth&Sky)

世界に誇れる星空保護区

日本の旅行会社の中には、レイク・テカポの星空観賞をメインにしたニュージーランドツアーを企画しているところもあるが、個人でレイク・テカポに行くなら、南島のクライストチャーチ国際空港から車で約3時間半の道のりとなる。レイク・テカポは季節や時間によって色が変わる湖や、石造りの小さな教会「善き羊飼いの教会」があることでも知られている。街は高台の盆地に作られており、周囲を山脈で囲まれている。人口400人程度の小さな街は、おとぎ話などに出てくる"ひっそりとした隠れ里"のような印象を受けた。

湖の前に「善き羊飼いの教会」がたたずんでいる

教会の側には牧場犬の像も

夏の初め頃、一帯には色鮮やかなルピナスが咲き誇っていた

水鏡になる湖は、その時々によって趣が変わる

このレイク・テカポで「星空を世界遺産に」と構想したのには訳がある。レイク・テカポは空気が非常に澄んでおり、夜間の晴天率が高いことなど、世界的に見ても星空鑑賞に適した環境条件がそろっている。1965年には街の近くにマウントジョン展望台も設立された。レイク・テカポで2000年に始まった光害のない暗い環境保全の活動は、2013年にはニュージーランド首相から国の予算が振り分けられることで国の取り組みとなっている。現在、この活動には大勢の人が参加し、それぞれの分野で活動している。

また、国際ダークスカイ協会が行っている世界中の暗い夜空の保護・保存を目指した取り組み「ダークスカイプレイス・プログラム」では、2012年にレイク・テカポを含めた「アオラキ/マウントクック国立公園とマッケンジー盆地周辺」が「ダークスカイ・リザーブ」に認定された。なお、2014年11月現在、同協会が世界を対象に定めているプログラムの認定地は、「ダークスカイ・コミュニティ」が8カ所、「ダークスカイ・リザーブ」が9カ所、「ダークスカイ・パーク」が20カ所である。

街の照明には、傘をつけたり高さを低くしたりなど人工光を制限する取り組みがされている

街の中心にはレストランやガソリンスタンド、スーパーなどが集中した通りもある

レイク・テカポ周辺は鮭の養殖がさかん。日本食レストラン「湖畔」では、左の写真のサーモン丼(19NZドル=約1,750円)のほか、照り焼きサーモン丼や納豆サーモン丼まである。また、ニュージーランドの寿司と言えばのり巻きが一般的。右の写真は、テカポロールと命名された太巻き(5NZドル=約460円)。中にはサーモンとアボカド、すき焼き風の牛肉などが詰まっている