2014年11月26日~28日、東京のJPタワーホール&カンファレンスにおいて「FileMakerカンファレンス 2014」が開催された。

この会期中、ファイルメーカー社社長のビル・エプリング氏、米国FileMaker, Inc. マーケティング&サービス担当副社長のライアン・ローゼンバーグ氏、米国FileMaker, Inc. エンジニアリング担当副社長のフランク・ルー氏に話を聞いた。

ビル・エプリング(Bill Epling)=写真左
ファイルメーカー株式会社社長 兼 FileMaker,Inc. シニア・バイス・プレジデント、最高財務責任者。
FileMaker Inc.の前身であるClaris.Corpにおいて1996年に最高財務責任者に就任し、以来同役職で財務および情報システムやIT・施設部門を統括する。過去にはApple Franceにおいて財務担当の取締役、Apple Europeにおいて租税と財務担当の取締役を務めるなど、幅広い国際的な経験を持つ。
フランク・ルー(Frank Lu)=写真中央
FileMaker, Inc.エンジニアリング担当副社長。
FileMaker, Inc.の前身であるClarisにおいて1988年に上級技術者に就任し、以来、FileMaker Pro、FileMaker Go、FileMaker Server、FileMaker WebDirectの開発チームを指揮。FileMaker, Inc.入社前に在籍していたOracle(旧Siebel)では技術部長に就き、CRMアプリケーションのシステム構成の責任者を務めていた。
ライアン・ローゼンバーグ(Ryan Rosenberg)=写真右
FileMaker,Inc.マーケティング&サービス担当 副社長。
2003年に、FileMaker, Inc.のマーケティング&サービス担当副社長に就任し、製品管理、マーケティング・プログラム、開発者窓口、カスタマサポートを担当するチームを指揮。過去には、Hewlett-Packardでチャネルセールスやデベロッパ・リレーションを担当、IBMにて経営管理とプログラミングを担当していた。

この1年の好調の背景は?

--- ローゼンバーグ副社長は、初日のオープニングセッションに登壇されましたね。

ローゼンバーグ これだけ大人数の日本の聴衆の前で話をするのは初めてでした。熱心に聞いていただけましたし、拍手などの盛り上がりもあって、よかったですね。

エプリング 彼はマーケティングとサービスの担当で、製品の方向性を決める立場なのです。その立場の彼が日本のお客様と直接会い、ニーズなどの話をお聞きする機会を持てたことは、とても有意義です。

--- オープニングセッションのエプリング社長のプレゼンテーションでは、今回のカンファレンスは45%が初参加の方々というお話がありました。

エプリング これは私どもにとって、たいへんうれしいことです。FileMakerは知っていてもまだあまり深くかかわっていない方が相当数、来場してくださったと考えられるからです。そうした方々に、これから継続して弊社とお付き合いいただきたいと考えています。

--- 実際の購入においても、新規ユーザは増えているのですか?

エプリング 増えていますね。この1年で、日本はもちろんのこと、世界的に見ても記録的な増加が見られました。

--- 日本での好調の理由は何でしょうか。

エプリング ここ5~6年の、私どもの戦略が成功していると思います。ブランドの認知度を上げ、FBA(FileMaker Business Alliance)やお客様のコミュニティの形成に努めてきました。また、トレーニングにも力を入れてきました。

ローゼンバーグ iPadが2010年に登場したということもありますね。

エプリング そうですね。世界的な流れとして、弊社がデータベースのリーダー、iOSデバイス活用のリーダー、ビジネスのためのプラットフォームのリーダとして認知されてきています。それから、年間ライセンスの導入も大きな理由ですね。

--- ユーザにとっての年間ライセンスのメリットを、改めて教えてください。

エプリング 初期投資が少なくて済み、しかも予算が立てやすいこと。ライセンスの管理がしやすいこと。そして常に最新のテクノロジーを使えることです。

--- 貴社にとっての、年間ライセンスのメリットは?

エプリング FileMakerは、使えば必ず気に入ってもらえると自信を持っています。ですから年間ライセンスの更新につながります。しかもパッケージで購入したお客様がアップデートするのと比べて、確実に最新のテクノロジーを使っていただけます。当然、弊社の財務的なメリットもあります。継続して更新していただけますし、予測も立てやすいからです。

--- ここ1年で、年間ライセンスとパッケージ購入の販売数の比率はどれぐらいでしょうか?

エプリング 年間ライセンスが7割、パッケージ購入が3割ですね。特に新規のお客様の多くが、年間ライセンスを選んでいます。

--- ここ1年の好調の理由には、バージョン13の新機能の魅力もあるのではないでしょうか。好評を博している機能はどのようなものですか?

ローゼンバーグ WebDirectですね。ユーザの皆さんが、この新しいテクノロジーを積極的に試しています。

エプリング デザイン関連の機能を強化して、美しいソリューションを簡単に作れるようになっていることも、好評です。