Windows 10の周辺が賑やかになってきた。海外のIT系ニュースサイトThe Vergeは「Microsoftが2014年1月上旬に、Windows 10コンシューマープレビューのプレス向けイベントを計画している」と報じている。そもそも最初にWindows 10を発表した2014年10月時点で、OS担当EVP(エグゼクティブ・バイスプレジデント)のTerry Myerson氏は「2015年始めにコンシューマープレビューについて多くの情報を明らかにする」「『Build 2015』まで続ける」と語っていた。
上図のスケジュールを見ると、2015年はコンシューマープレビュー版の後にデベロッパー、そしてその後にLaunch Wave(波状的に開始)と並んでいる。Windows 8のプレビューは最初にデベロッパー版をリリースしていたが、Windows 10においてはAPI群の整理や未確定だった機能を決定し、SDKのリリースに至るとみるのが自然だろう。
開発者向けカンファレンス「Build 2015」は2015年4月29日から5月1日に開催される予定だが、2014年と同様に多くの新機能を開発者向けにアピール・解説する場となる。この時点でWindows 10が未完成、もしくは機能的に未確定の部分が残っているとは考えにくい。
また、Windows 10コンシューマープレビューでは、スタート画面とスタートメニューをデバイスの接続状況に応じて切り替える「Continuum」や、OSやアプリケーションの通知をまとめる「Notifications」の機能を確定し、音声アシスタントシステムの「Cortana」を搭載するとみられている。つまり、Windows 10コンシューマープレビューで機能面の開発を終える。
以後、Myerson氏が示した「Developer」はSDKなど開発周りの準備、「Launch Wave」は「Build 2015」からWindows 10リリースまでの道筋を表しているのだろう。
Windows 10のリリースは早期化される!?
過去のパターンをひも解けば、各Windowsは夏頃にRTM(Release To Manufacturing version)が完成し、秋にリリースするというスケジュールで動いてきた。だが、Myerson氏の示したスケジュールを踏まえると、当初予想していたよりも早く、Windows 10はリリースされるのではないだろうか。
筆者がこのような推論に至った理由は二つある。
一つめが「WinHEC」の再開だ。Microsoftは以前から、開発者向けにさまざまなイベントを開催してきた。「WinHEC(Windows Hardware Engineering Conference and Exhibition)」はデバイスを中心とした新テクノロジーの紹介を開発者向けに行うイベントで2008年まで開催されていた。2009年から「PDC(Professional Developers Conference)」に統合され、2011年から現在の「Build」に再統合された。
そのWinHECが2015年3月18・19日に中国の深セン市で開催されるのだが、Windows 10の開発スケジュールにおける「Developer」と合致するとみても不思議ではない。
もう一つの理由が、とある関係者からの情報である。PCベンダーへのOS提供が2015年4月頃になるというのだ。一般的なWindowsプリインストールPCの場合、事前にOEM PC用イメージングをMicrosoft/日本マイクロソフトから取得し、デバイスドライバーや自社独自のカスタマイズを行ってからPCの量産に取りかかる。当然のことだが、コンシューマーよりも圧倒的に早く、最新のOSを手にしているのだ。
真偽の裏付けがない噂レベルの情報だが、これらを先のスケジュールに当てはめていくと、Windows 10のリリース日は2015年5~6月、遅くとも7月と考えるのが自然だ。当初は2015年後半リリースと見る関係者も少なくなったが、Windows 10のリリースタイミングは2015年中旬になりそうだ。
阿久津良和(Cactus)