アメリカンコミックのアーティストとして知られるジム・リー氏のライブペインティング&トークショーが22日、東京・コトブキヤ秋葉原館にて開催され、ジム・リー氏のほか、アメコミファンであるタレントのダンテ・カーヴァーが出席した。

左から柳亨英氏、ジム・リー氏、ダンテ・カーヴァー、松本江永氏、腐乱犬氏

ジム・リー氏は、北米で人気を誇るコミックアーティストで、スタイリッシュでダイナミックな構図、細部までこだわるキャラクター造形で人気を博し、現在はマーベル・コミックと並ぶ2大アメコミ出版社のひとつ「DCコミック」の共同発行人として『バットマン』などのアーティストとしてファンを魅了し続けている。11月には、イラスト集『ICONS:DCコミックス&ワイルドストーム アート・オブ・ジム・リー』を発売。また、『ICONS』に収録された描き下ろしイラストをもとに、1/6スケールのフィギュアとして『ワンダーウーマン』も立体化されている。さらに、11月23日には「海外マンガフェスタ2014」に出演し、『アイシールド21』で知られる漫画家・村田雄介氏との対談イベントも行われた。

この日の「アメコミnight ジム・リーSPECIAL」には、タレントのダンテ・カーヴァーや、コトブキヤのフィギュア「ARTFX」シリーズを多く手がけている原型師の松本江永氏、「ARTFX」シリーズのペイントマスターである腐乱犬氏がゲストとして登場。アメコミ翻訳家の柳亨英氏もジム・リーの通訳として出席した。

日本ではアメコミ界の鳥山明とも呼ばれるジム・リー氏

今回4度目の来日となるジム・リー氏は、会場に詰めかけた多くのファンを前に「来日のたびにアメコミファンが増え、きちんとアメコミというものの足跡を残せているようだ」と実感。ジム・リー氏が影響を受けた作品は『スーパーマン』で、5歳まで韓国でフライシャー兄弟の白黒アニメ『スーパーマン』を見て育ち、アメリカに移住後はコミックを読んで英語を覚えたという。そして、共に仕事をしたライターからストーリーや流れの組み方を覚え、様々なインスピレーションを受けたと述懐。また「描くためのスーパーパワーが身についたのはいつ?」という質問には、「絶え間ない努力とうまくなりたいという意思。そして常に描き続けること」と明かしている。

今回のライブペインティングの実演のテーマは、「ARTFX」シリーズの新作『ARTFX フラッシュ』のコンセプトアート。ジム・リー氏は拍手喝采の中で、30分のうちにコンセプトアートに加え、ジョーカー(骨格Ver.)やハルクなども描き、神の手から繰り出される魔法のようなスケッチにゲストとファンを魅了した。そのほか、先日発売された『ワンダーウーマン』を手に取ったジム・リーは「フィギュア化すると何か足りない部分も出てくるが、このフィギュアはそれがない。細かいディテールもうまく表現され、コミックから飛び出したようだ」と太鼓判を押している。

ライブペインティング後にはサイン会も行われ、イベントは大盛況のうちに幕を閉じた。なお、コトブキヤの公式サイトでは、本イベントのダイジェスト動画の配信を予定している。