4K解像度の液晶ディスプレイをはじめとして、デスクトップ・モバイル環境を問わず高解像度化が著しい昨今。解像度の上昇は作業領域を増やすだけでなく、高精細な表示を目指す意味でも有用なため、多くの場合高いに越したことはない。とはいえ、フルHD以上の解像度を備えたデバイスとなると途端に価格が上昇し、まだまだ安いとはいい難いのが現状。そんな中、マウスコンピューターから、コストパフォーマンスに優れた2560×1440液晶搭載モバイルノート「LB-J300X-SSD」が発売された。しかもシリーズのハイエンドモデルでは、512GBものSSDを標準搭載しながら11万円台(税別)という価格を実現。この「LB-J300X-SSD」をさっそくマウスコンピューターからお借りすることができたので、詳しく確認していこう。
2560×1440のIGZO液晶を採用した「LB-J300X-SSD」
LB-J300X-SSDは、13.3型のノートPCだ。本モデルの最大のポイントは、前述したとおり液晶ディスプレイにある。低消費電力・高精細という特徴を備えたシャープのIGZO液晶を採用しており、その解像度は2560×1440(WQHD)に達している。残念ながらマルチタッチには対応していないが、13.3型としてはトップクラスの解像度だ。液晶画面にはノングレア処理が施されているため、映り込みなどを気にせずに作業が行えるだろう。この高解像度ディスプレイの安定動作を支えているのがCPUだ。"Haswell Refresh"世代の2コア・4スレッドCPU「インテルCore i7-4510U」を搭載しており、定格動作クロックは2.0GHz。ターボ・ブースト機能を採用しているため、CPUの発熱に余裕があるときには最大3.1GHzまで上昇する。グラフィックスはインテル HD グラフィックス 4400となり、動作クロックは200MHz(最大1.1GHz)。CPU内蔵グラフィックスながら2560×1440をしっかりと表示できるほか、本体に備えられたHDMI端子やVGA端子を利用して、3画面のマルチディスプレイ環境を構築することも可能だ。QSV(Quick Sync Video)にも対応しているため、エンコード作業でも強みを見せるだろう。
13.3型に2560×1440の液晶を搭載しているだけあり、画面は非常に高精細で、フォントも美しく見える |
搭載された映像端子は2系統同時に利用でき、本体の液晶と合わせて3画面のマルチディスプレイ環境を構築可能だ |
さらにスペックを詳しく確認していこう。液晶ディスプレイに次いで本モデルの特徴となっているのがストレージデバイスだ。512GBというHDD並みの容量のSSDを備えており、アプリケーションからデータに至るまで、すべてのファイルに高速アクセスが可能。採用されているSSDは、「Crucial MX100」シリーズだ。ミドルレンジのSSDとして十分すぎるほどのアクセス速度を誇りながらも購入しやすい価格を実現しており、2014年夏に自作市場で爆発的な人気となった。そんなコストパフォーマンスに優れたSSDを採用しているからこそ、本モデルも価格を抑えられているといえるだろう。なお、より信頼性を追求したいなら、BTOメニューで480GBのインテル530シリーズSSDに変更することも可能だ。メモリにはDDR3L-1600を8GB(4GB×2)搭載しており、こちらもノートPCとしては十分な容量。通信デバイスには有線ギガビットLAN端子と、IEEE802.11 b/g/n対応の無線LAN、そしてBluetooth V4.0を備えている。いずれも多数のノートPCで実績のあるRealtek製だ。
シーンを選ばない、落ち着いたデザインを採用した筐体
仕様を確認したところで、本体を詳しく見てみよう。折り畳み時の本体寸法はW326×D231×H23.6mmとなり、色は若干シャンパンゴールドがかったシルバーを採用。ヘアライン加工を施したアルミのような外見だが、こちらは樹脂製。質感こそ価格に応じたものだが、その分、本体重量の軽量化に貢献しているようで、標準バッテリーを搭載しても約1.4kgとなっている。背面は1枚のブラックパネル。手前側左右にはステレオスピーカーが配置されている。バッテリーは着脱できる仕様で、予備の追加や故障の際の交換が可能。中央のスリットからはADATA製のメモリも確認できるが、手軽に交換できるような仕様ではないため、メモリの増設が必要なら注文時にカスタマイズしておこう。液晶ディスプレイのフレームはこちらもブラック。上部には100万画素のWebカメラやモノラルマイクを内蔵している。ACアダプタの出力は19V、40Wとなっており、その分、サイズも小さい。持ち運びの際もそれほど苦にならないだろう。
本体色は若干ゴールドがかったシルバー。樹脂製だが、その分、重量は軽くなっており、見た目よりも重さを感じない |
背面は1枚のパネルとなっており、カラーはブラック。このクラスのノートPCでバッテリーが着脱可能な点はうれしい |
液晶のフレームもブラック。上部にはWebカメラやマイクなどが内蔵されており、ビデオチャットなどに利用できる |
上から、バッテリー、ACアダプタ、電源ケーブル。なお電源ケーブルのコネクタはメガネタイプの3Pinだ |
各種インタフェースは本体左右に配置されている。右側面にはUSB 2.0×2、SD/MMC対応カードリーダー、ギガビットLAN端子、電源端子、ケンジントンロックを搭載。マウスやキーボードなどの入力デバイスや電源ケーブル、LANケーブルなど、据え置きで使用する場合は、主にこちら側へケーブルを接続することになるだろう。左側面はライン/ヘッドフォン端子、マイク端子、USB 3.0端子、HDMI端子、VGA端子が並ぶ。HDMI端子とVGA端子は同時使用が可能だ。また本体前面には電源やフライトモード、ストレージアクセスが確認できるLEDが備えられている。
本体右側面の様子。USB 2.0×2、SD/MMC対応カードリーダー、ギガビットLAN端子、電源端子、ケンジントンロックを備える |
本体左側面には音声入力/出力端子、USB 3.0、HDMI端子、VGA端子を装備。さらに本体内部の熱を排気するスリットがある |
キーボードはテンキーレスのアイソレーションタイプで、打鍵音は小さい。文字配列は一般的で入力に支障はないだろう。しかし、キーボードの左側は一般的な配列を維持しているが、右側は少々特殊な配列となっており、キーの大きさも変化している。特に上カーソルキーの右に配置されたShiftキーは、普段これを多用する人にとっては多少違和感があるかもしれない。タッチパッドはクリックボタンがしっかりと2つに独立したタイプで、パッド部分は一段低く下げられているため、使い勝手は良好だ。眼で確認せずともパッドの位置がわかり、確実に左右のボタンを押し分けられるだろう。そのほか購入特典として、KINGSOFT OfficeやU-NEXTの30日間無料体験チケット、クラウドを利用したバックアップソフト「AOSBOX for mouse」の90日間無料チケットなどが同梱される。
キーボードとタッチパッド。電源ボタンは左上に配置されており、電源を投入するとホワイトLEDが輝く |
キーボード左側は標準的な配列となっており押しやすい。Fnキーの位置も普段ノートPCを使用している人ならおなじみだろう |
2560×1440の液晶ディスプレイや512GBのSSDを搭載するという、尖ったスペックが確認できるLB-J300X-SSD。一方でコストを下げる努力が見える部分もあるものの、その使い勝手は良好だ。次ページでは2560×1440のデスクトップ画面がどのようなものかを確認しつつ、各種ベンチマークを試していこう。