タイ国内で市場拡大が期待されるリサイクル分野で起業したジミー・ウォンさん(28歳)。バンコクでの仕事ぶりについて聞いてみました。

■これまでのキャリア変遷を教えてください

ジミー・ウォンさん/タイ・バンコク在住/28歳/リサイクル・ビジネス経営者

2008年に大学を卒業し、フリーランスとして3つの広告代理店のマーケティング・セールスを2年間担当。その間に少しずつお金を貯めて、今から4年前、2010年にリサイクル・ビジネスを始めました。プリンターのインクカートリッジを回収して洗浄、インクを詰めて再販売するのが主な業務です。

■現在のお給料は以前のお給料と比べてどうですか?

今の給料は60,000バーツ(約19万4,000円)。まだまだ不十分。以前の仕事では最終的に社長のアシスタントになることができてようやくほぼ同額の60,000バーツくらいまでたどりつけたんだけど、そのときと同じ水準だからまだまだですね。前職のときでさえ、仕事の量とかかる時間を比較すると給料が十分だとは思えていませんでした。

ちなみに、毎週日曜日の夜、スワンナプーム国際空港の税関警察で4時間ほどボランティアをしています。これは在タイ台湾ビジネス協会の活動の一環で、全くの無償です。

■今の仕事で気に入っているところ、満足を感じる瞬間は?

気に入っているのは、たくさんの人と会えること。仕事を通じていろんな人から毎日新しいスキルを学ぶことができます。また、ほぼ不可能だと思っていたお客さまから大きな契約を頂いたときは、やはり非常にうれしいです。

■逆に今の仕事で大変なこと、嫌な点は?

契約がとれる瞬間とは対照的なのですが、難しい決断をしなければならないとき。何かを決めるときは誰かを傷つけなければならないこともあるので、そういう点は本当に嫌だなぁと思います。

■ちなみに、今日のお昼ごはんは?

近所のスーパーマーケット内のフードコートで、白飯にグリーンカレー、それからゆでたまごとお揚げが入った中華の煮物。全部で80バーツ(約270円)。お昼はいつも外食で、お弁当を持参することはないです。

ジミーさんが食べた白ごはんにグリーンカレー、ゆでたまごとお揚げが入った中華の煮物

■日本人のイメージは? あるいは、理解し難いところなどありますか?

日本人の仕事の進め方がいいなって思います。正確さを求めるし、ゴールに向かって突き進むハードワークさというか、そういう文化性がすごいと思う。僕も今後、こうした日本人の真剣さをとり入れたマネジメントができるチームを作って一緒に成長していきたいと思う。僕の仕事のスキルの半分は複数人の日本人に学んできたと思っています。

一方で、残念な気持ちになったこともあります。以前、ある程度の成功を収めた若い日本人と一緒に働いたことがあってね。彼も相当なハードワーカーだったんだ。その彼が下した決断が影響してプロジェクトが失敗に終わったんだけど、彼はなぜか自分の非を認めることができない。若者って叱られてなんぼ、反省して成長していくものだと思うから、ちょっと残念だったなと。

あと、去年結婚したのですが、実は、相手は日本人です。

■最近TVやラジオ、新聞などで見た・聞いた日本のニュースは何ですか?

最近日本ではミャンマーに関心を持っている人が増えているということで、ミャンマーに対して安定的な投資が行われる、というような趣旨の記事を読みました。なんだかそわそわします。早く隣国ミャンマーにもビジネスを広げられたらなって思います。

■休日の過ごし方を教えてください。

今は完全に自分が自分の雇用主なので縛られていないんだけど、あえて言えばお客様によるっていう感じです。仕事もタイ国内に限らないので、世界中の国の祝日が同じ日になったら休めるという感じでしょうか。

■将来の仕事や生活の展望は?

このリサイクル・ビジネスは、まだすべて自分でコントロールできていません。回収から再販売まで、一貫して「フルサイクル」で行えるようになることが目標です。長い道のりだと思います。